あの時、お前の呼ぶ声が聞こえなかったら俺は永遠に
目覚める事はなかった。



永遠の眠り、それでもいいと思っていた。



あんな思いを二度としたくない、だけどお前は俺を目覚めさせた。
目覚めなければいけない、お前の声は俺にそう告げていたような
気がした・・・・・。



お前が俺を呼んだんだ、責任・・・とれよ。




目覚めた俺は、解放を望んでいた。
だがハンナ、お前と離れたくないがために
俺は人間になった。
まるで奇跡のような事だった。


だが、人間になると欲が出てきて困りものだ。


お前の感触を確かめたい、温もりをこの手で感じたい、触れたい。
触れさせろ。


「そろそろ、鬼ごっこも飽きたな。いいかげん観念しろって」



「だっだって、ウィルに捕まったら朝まで離してくれないんだものっ」



「そうだったか?そんなの忘れた」



「なっ!もっもう!」



ハンナは顔を赤くして動揺したのか、つまずいてこけそうになる。
俺は、すばやくその小さく白い手を引っ張り抱きしめる。



「捕獲完了」



「ウィッウィル!はっ離してっ」



「それはねえんじゃねーの?折角助けてやったのによ、ってかなんもねーとこで
 こけるか普通」



「うう〜」



俺は困ってるハンナをさらに強く抱きしめる、温もりを確かめるように。
人形の時は痛みも何も感じず、愛しいものの温もりの感触も分からなかった。
今はこの腕の温もりを離したくない。



「ウィル?」



「不安なんだよ、いつもお前の事を抱きしめねーと凄く不安になる」



「ウィル・・・大丈夫、私はここにいるよ。ちゃんと体温伝わってるよ」



「ああ、そうだな」



俺はハンナの感触を何度も確かめる。



俺はお前の声に答えて、本当に良かったと思ってる。



永遠の暗闇から目覚めて本当に・・・・・。



「ちゃんと、責任とってもらうからな」



「え!?」



キョトンとするハンナをよそに俺は口付けを落とした。


2007,11,15。またまた久々すぎる、ウィルと声の人が好きなもんで。
甘い?かなー。

責任