時々、窓の外を眺めてるとずっと遠い世界にいる家族の事を思い出す。
今頃、どうしてるのかな?とか元気にしてるかな?とか。

あんなに帰りたいと思ってたのに・・・。
私は、初めての恋、初恋で大好きな人の隣りでいる事を選んだ。
これからのこの世界での行く末を知りたい、仲謀の隣りにいたいと私が望んだんだから。


「い・・・な・・・・・おいっ花!」

「え?あっ・・仲・・・・」

ふわりっ


振り返ろうとしたけど、ふいに後ろから抱きしめられる。
暖かいぬくもり。


「さっきから呼んでるだろうが」

「ごっごめんっ仲謀っぼーっとしてた」

「まぁ・・・なんか、窓を眺めてるお前は・・・・色っぽい?」

「・・・・・は?」

「あっそーいや色っぽいで思い出した、あの時、お前色仕掛けしてたよな?」


あの時?黄巾の乱にタイムスリップした時での牢屋の見張りの人の事かな?
鍵を奪おうとして、たいあたりしたんだっけ?


「だっだからアレは違うってばっ」

「いーや、傍からはそう見えた、あーっ何か思い出したらムカムカしてきた」

「ええーっ」

「2度とあんな事するなよっ!絶対だからな!!」

「しっしないよってかしてないってばっ」


しどろもどろになりながら、顔が赤くなる。

「でも、仲謀は?」

「なんだよ」

「仲謀になら・・・・その・・・・いいの?色仕掛けしても」

「・・・・・・・・・」

しばしの沈黙、少しだけ顔を上げてみると仲謀の頬が赤い?

「・・・・・いいんだ」

「まぁ、その後どーなってもしらねえけどな!」


ギュウっとさっきより強く抱きしめられる。
少し苦しいけど、でも照れてるのかな?何だか可愛い。
この瞬間、あなたのすべてが愛しい、大好きな人。




王子を見るたび素敵だと思う私はもう重症、2010,4,5

隣りのぬくもり