私は、よく人から鈍いと言われる。
それもそうだ、私が辿ってきた道は険しく茨の道でそれは悪魔との出会いで
選択に迫られ、自分で選んだ道なのだから。
毎日死と隣り合わせで、それも私の生きる糧なのかもしれない。
常に、死と隣りあわせだ。
メイド長と言っても常に危険な道なのだ。
恋愛などにかまけてる暇などないぐらいに・・・だけど。
私はハルキアとの今後の打ち合わせのために、使用人部屋に足を運んだ。
「・・・はい・・・その・・・・」
「・・・だろうな」
声が聞こえる、話してるのはハルキアと部下のメイドだろうか・・・。
暗殺者時代に鍛えられたせいか、会話はドア越しでも聞こえる、ただ聞こうとはしないだけ。
プライベートなのかもしれないので、上司としては遠慮するに越した事はない。
「まあ、頑張れ」
「はっはいっ相談にのってくれてありがとうございましたっ失礼します!」
話が終わったのか、部屋からメイドが出てくる。
そして、私と目が合う。
「あっメっメイド長!」
彼女はビックリしたみたいだが一礼して走り去って行った。
「?」
「何だ、聞こえてたのか」
「聞こうと思えばね、でも遠慮させてもらったのよ、・・・で、何の相談?」
「・・・結局知りたいのか、矛盾だな」
「いいじゃない、私じゃなくてハルキアに相談て言うのは仕事の話じゃないわね」
「察しがいいじゃないか、まー私もあまりアドバイスはあげられないんだがな」
「・・・・・・何の?」
「・・・・・・恋愛だ」
「・・・・・・・・・・そっそう・・・」
「凄い間があったな・・・・どうやらジャスティン様側の使用人に片思い中だそうだ」
一瞬思考が止まった。
「言っとくが、マーシャル=エイドじゃないぞ、あれはお前に惚れているのがバレバレだ」
「ちょっどさくさに紛れて今とんでもない事言わなかった!?」
「はたから見たら分かる、仲が悪そうで仲が良い、リリーはそうは思ってないみたいだが」
「ハルキア・・・話がずれてる・・・今はさっきのメイドの子の話でしょ」
「ああ、それなら当たって砕けろと助言した」
「それって、アドバイスになってないような・・・」
な話があったのはだいぶ前、そのメイドの恋愛はどうなったかは知らないが。
「シエラ、何を考えてるんですか?」
「えっ何でもない」
「まぁあなたはいつもぼやーっとしてますけどね」
「一言多いわよ、マーシャル」
エドワルド様の即位が決まってからは忙しくて、なかなか会えないけど、週に2回は仕事を
削ってでもこうしてマーシャルとデートをしている。
まさか、いつかのメイドの子に私がリンクするなんてね、お笑いだわ。
「私ってそんなに鈍いのかな?って」
「何を今更、あなたは相当な鈍感だと思いますよ」
マーシャルがそっと抱きしめてきた。
「長年の想いにも気付かないあなたは酷い人です、迂闊です」
言葉とは裏腹にマーシャルの手は優しく私を抱きしめる、温かい。
マーシャルの腕の中は居心地がいい、これが恋愛とは無縁だった今の私。
悪くないな・・・。
2009,1,20,初のクリムゾン小説でマーシエ、でもマーシャルが出てきたの最後らへん
だけどね(苦笑)甘くもないな・・・(汗)
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