破魂刀ー。
その力は強く、敵を粉砕してしまう程の力。
でもそれは、彼の、忍人さんの命を削ってしまう言い変えれば危険な力。


私はあの時、約束した。
決して破魂刀の力は使わないでと。
その力を使う程に忍人さんが遠くなってしまう気がした。


いけない、私は中つ国の二の姫なのに、国を取り戻さなければならないのに。


悪夢、なんて忍人さんがいなくなってしまう悪夢なんて消えてしまえばいい。



「行かないで!!」


ガバッ


今日も嫌な夢を見た勢いで目覚めが悪いな・・・。


「うう〜頭痛い・・・大丈夫・・・だよね?確かめなきゃ」


私は急いで、天鳥船内で忍人さんの姿を捜した。
きっと、あそこだ、あの時約束した場所、堅庭。



いた!見つけた!本物の!
あの人はいるっ私の目の前に!


「?どうした、そんなに血相を変えて」


「あっ・・・ええっと・・・確かめに」


「確かめる?何の事か検討も付かないが、髪の毛が乱れている、直した方がいい」


「えっはっはい・・・」


私ってば髪の毛整えるの忘れてる!
でも、そんなのよりも今1番確かめたかったから、彼は今ここに私の目の前に
存在している。
あんなのただの夢なのに・・・忍人さんがいなくなるなんて。


「ああ、少し風が強くなってきたな、俺は中に戻るが君も早く中に入った方がいい」


「忍人さん!!」


思わず私は忍人さんの袖を掴んでしまった。
自分でも予想外な行動。


「!?」


「あっ御免なさいっつっつい・・・」


「いや、気にしなくていい・・・少し驚いたが・・・やはり何かあったのか?」


「だっ大丈夫です・・・私も一緒に・・・いきます」


「・・・そうか、夜の風は冷たい、そうした方がいい」


「はい・・・」


悪夢を見たなんてそんな事言えない、あなたがいなくなるなんて夢であってほしい。


そう、私は祈りながら彼の後ろを追いかけていった。




2008,9,11。久しぶりの創作ー忍千が1番好きなのでずっと書きたい
と思ってたので書けて感無量、甘くないけど(笑)

消えない不安