どんなに辛かっただろう?
どんなに寂しかったのだろう?
酷な事実を知った時の彼の心情は計り知れない。


あの時の寂しい顔は忘れられない。
きっと自分は花婿として選ばれないだろう、一生。


でも、私がずっと彼の側にいると決めたから。
彼の花嫁になると。
この子も、きっと幸せなハズ、だって私が幸せなのだから。


「しかし、本当に不思議ですね、奇跡としか言いようがない」


ふいに麗二さんが言う、私と光晴先輩の仲を引き離そうとした人物。


「そうでしょうか?」


「あなたは、そうは思わないですか?神無さん」


「私は、この子が自ら私達の事を選んでくれたんだと思ってます」



そう言いながら、少しふっくらしたお腹を優しく擦る。



「なるほど、そー言う考え方もあなたらしいですね」



くすっと静かに微笑む麗二さん、今では私達の仲を了承している、それは光晴先輩に
子が成せないと言う欠陥があったのだが、私が光晴先輩の子を身ごもったからだ。



「神無!!こんな所におったんか!?捜したで!ってか何で麗二がおるんや!」


「私は神無さんのお腹の子の状態を検査してただけですよ」


「検査!そっそれでどうなんや・・・?」


「心配はいりませんよ、健やかに育ってます」


「はあ〜そうか!良かった〜」


「きゃっ光晴先輩っ」



満面の笑みで光晴先輩は私の体を抱きしめる。



「はよ拝みたいわー俺と神無の子」



先輩はめったに顔には出さないけど、ずっと傷付いていたんだろうと思う。
これからは、私とお腹の子が彼の側にいるから寂しい思いはさせないから。













2011,6,13 ちょっとリハビリと思って書いてみた。
「華鬼」萌えはもう落ち着いてるんだけどね、国一×神無はいつになるのか永遠の謎。

それよりも「蝶〜」以下自重。

もう、寂しくない