いつものように、選定委員から逃げるように住む場所を転々とする日々。
それが苦痛と言うわけやない、大事な花嫁を大切な人を守るためやったら
俺にとっては何でもない。



前に住んでた場所で選定委員と戦闘になって、少々深い傷を負ってしまった。
自分の不注意や、しかも隠してたつもりが神無にはばれてもうてた。
凄く心配な眼差しで、泣かれて。


暫らく安静のため、新しいマンションの一室のベッドで横になっているのが今の俺の現状。



「うーん、鬼は頑丈なんやけどなー」



うっすらと目を明けて、ふと左手に暖かいのを感じる。


神無が俺の左手を両手で包み込むように握りながら、眠っている。
少しだけ目尻に涙の跡が残っている。



「・・・・・・小さい手やな・・・・」



愛おしさを感じて、ぎゅっと握り返す。
俺には致命的な欠陥があって、子を成せない鬼で一生一人もんやと思ってた矢先に
神無と言う光が、それでも俺を選んでくれて、ほんま嬉しいしかない。
幸せにしてやりたい、本当は俺が幸せをもらってるのかもしれんけど。



「んん・・・・光晴・・・・先輩・・・・・」



神無が寝言で俺の名を呼ぶが、深い眠りなのか目覚めた気配はしない。



「・・・先輩はいらんて・・・ほんましゃーないな・・・・神無・・・・俺を選んでくれてありがとうな」



俺は、眠ってる彼女の額に軽くキスを落とす。



いつか、この逃走劇が終わったら静かに暮らそうな。
それまでは、何としてでも守り抜いて見せる。












2011,4,2 まさかの初っ端は光晴×神無とかいう(アレ?)
光晴先輩も好きなんです!このCPにも嵌りました。

君の小さい手