今は無理でも、一歩ずつ仲良くなれたらいいと思うの。
オーナーとか関係なく、お友達として・・・・。
心を開いてくれたら・・・・。
「うっ眩しい」
「お目覚めになられましたか?ハンナ様、
おはようございます。」
「おはよう、エミリー」
「朝食の仕度が出来ていますので、お召し上がり下さい」
エミリーは、カーテンを開けながらいつものようにふんわりと柔らかな
表情をした。
これは、いつもと変わらない光景。
でも、少しだけ違うのは・・・・。
私は夜着から服に着替えて部屋から出る。
リビングに来ると、いつもと違う光景がそこにはある。
私の視線はそう、地下室で棺に眠っていたのを私が目覚めさせた精霊人形のウィルに向く。
「おはよう、ウィル」
「おう」
ウィルは軽く片手を上げて、こちらも見ずに挨拶する。
私は無意識のうちに、彼をじっと見てしまう。
その視線に気付いたのか、面倒くさそうに私を見て。
「そんなにジロジロ見るな、気が失せる」
「あっごっごめんなさい・・・」
いつもながらの素っ気無い態度、でも私はウィルらしいとつい微笑んでしまう。
「ハンナ様にちゃんと朝の挨拶も出来ないのですか?」
「うるさい、能面人形」
ジリジリと血花が散る。
今は信じてもらえなくても、いつかは心を開いてくれると私は信じて疑わない。
それは、人でも人形でも同じなのだから。
ふいにウィルが私を見る。
「それより寝癖・・・まだ直ってねえぞ」
「えっ!?いっいじわる!」
私の願い叶うといいなと密かに思う。
そんな事を思いながら静かに朝食をほおばる。
2007,10,1ウィルEDを見た時にで書いていたもの。
久々です、他キャラを書くは未定。
いつもと違う朝