私と正様は身分の差を乗り越え、式を挙げて今は幸せな日々を送っている。
精神的に追い詰められた正様の母、さなえ様も少し落ち着いて今は宮ノ社の
別荘で穏やかに過ごしている。



大好きな正様、今は私の旦那様だけども、一緒にいるうちに些細な癖を見つけて
しまったりと、照れる顔を私にだけに見せてくれたり、毎日が充実な時間。
仕事が忙しくても私の事を気遣ってくれたりもしてくれる。
ほんと、最初の出会いとは大違いだわ。
当主の奥方と言う立場は大変だけれど、たえちゃんや千富さんが支えてくれるから
もの凄く大変と言う事もないのだけれど・・・・・・。



じとー。

目の前の旦那様を見つめるてみる。


「ん?どうした、はる?私の顔をずっと見て」


「・・・・・もう、正さんと出会って2年が経つんですね」


「ああ、そうだったな、もう冬か」


「あっ冬と言えば、新しい手袋を編んでるんですよ!正さんに」


「何!?」


「どうしたんですか?そんなに驚いて」


「いっいや・・・・はぁーまさかと思うが柄は林檎じゃあるまいな」


「!どうして分かったんですか!?」


「やっぱりか!却下だ!」


「何でですかー!」


「私にはあの苺柄の手袋で充分だからだ!」


「え?」


正さんが私の体を引き寄せる。
かなり密着してしまった、夫婦だから当然だけどドキドキする。


「私はあの手袋を気に入っている、2人の思い出の物だからな、新しいのは必要ない」


「正さん・・・・・・そうでしたね」


まさか、受け取ってもらえると思わなかったクリスマスプレゼント。
私と正さんの大切な思い出・・・・・。


「大切に使って下さいね」




2011,9,22 また、手袋ネタになってしまった。

2人の思い出