いつか、分かり合える日が来ると信じてる、私はそれまで見届けたい。
唯、見届けたいから側にいたいと言う気持ちだけじゃない。
好きだから、私は敦盛君の事が好きだから側にいて、お母さんと敦盛君が
良い方向へ歩んで行ってほしい。
それまで、その先も私はあなたの隣りで支えていく覚悟だから。



「おい、なずな」


「えっ?」


「何をさっきからボーっとしている?」



敦盛君がいつもみたいに眼鏡をクイっと押し上げて難しい顔をしている。
私は敦盛君のそのしぐさが好きかもしれないと今更気付く。



「ボーっとしてないよっ考え事してただけ!」


「何を考える必要がある?お前は俺の側で笑っていればいいんだ、ずっとな」


「もうっそれじゃ唯の人形でしょう!」


「人形とは誰も言ってない・・・・なずな、こっちに来い」


「ん?何、敦盛君」



私が敦盛君に近付いた途端、素早く抱きしめられる。
驚いたはしたけど、嫌ではない、好きな人なのだから。



「どうしたの?」


「急にお前の温もりが欲しくなった、笑うなよ?」


「・・・・笑わないよ」



私もその温もりが欲しくて敦盛君にギュッとしがみつく、今は離れたくない。



最近は一緒にいて気付いた事がある。
敦盛君、この人は強い。
誰にも愛されずに生きてきて、それでもあのチャペルの中で「生きてやる」と呟いていた。
実の母親に何度も殺されかけてきたのに、しかも鹿野家次期当主にも関わらず鹿野家の
使用人達にもよく思われておらず、鹿野家は敦盛君にとっては安らげる場所でなかったハズ。
さぞかし、息苦しい思いをしてきただろうと・・・・でもそれでも強く生きてきた敦盛君。


私はそんな強さを持った敦盛君を好きになって良かったと心から思う。



「ねぇ敦盛君」


「・・・・・なんだ?」


「私、ずっと側にいるからね、あなたの側にいさせてね」


「・・・ふっ何を今更、お前はもう俺から離れる事は許さんからな・・・覚悟しておけ」


この温もりをいつまでも感じていたい。


いつまでも、二人一緒に・・・・・。












2011,10,9 勢いは大切、敦なずが1番好きなCPなのです。

その温もり