何故だ?奴の側にいると心がざわつく・・・。
妖ノ宮の妖気に当てられたか・・・?
違うかもしれない・・・だが、これを認めてはならない。
「寂しいの?」
「怖がらないで」
妖ノ宮の言葉が頭に響く・・・。
母親である妖狐に捨てられ、必至に生きてきた。
誰も助けはしない、半妖と言う宿命と共にここまで・・・。
陰陽術も妖を滅するために修行をして、あがいて今では四獅若の一人だ。
妖ノ宮の心を覗こうとして何度も失敗した。
だが、奴はわたしの事を知りたいと言った。
わたしの心を見透かすような言葉、操られて妖ノ宮の命を奪おうとした時も
奴は動じなかった、身体が傷付いてもわたしを恐れなかった。
「怖がらないで・・・」
ずっとその言葉が聞こえていた・・・。
妖ノ宮は半妖、それだけではなく危険なな存在だとずっと思ってきたのだ。
いつから変わったのだろうか?
差し伸べられた手にどこか温かさを感じていた。
真っ直ぐに妖ノ宮自身を見た時、何も変わらない、美しく姫らしく優しい瞳だった。
わたしは、もう偽れない、この心のざわつき、確かめなければならない。
妖ノ宮の元へ行かなくては・・・。
「妖ノ宮、わたしだ、入っていいか?」
「はい」
何も変わらない声、少しだけ動揺する、操られていたとはいえ傷付けてしまったのだ。
「聖、待っていました、あれからなかなか来てくれないので不安で」
「少し考え事をしていたのだ・・・それよりも身体の傷はもういいのか?傷付けた本人が言う
のもおこがましいが」
「もう、大丈夫です、傷の治りは普通の人より早いので・・・私は半妖だから」
「ふっそうか・・・そうだったな」
「妖ノ宮・・・今日は大事な事を伝えに来た」
わたしに偽りはもう必要はない、確信したのだ、心のざわつきは気に当てられたのではない。
これはわたし自身の想いだ、認めたいと思う。
受け取ってもらえるだろうか・・・妖ノ宮、お前を守りたいのだ・・・。
2008,10,14 かっ書いてしまった・・・聖×妖ノ宮。
書く人いないだろうなと思ってさ(笑)またネタが降りてきたら書くかもしれません。
妖ノ宮×聖〜。
心のざわつき