さて「みつめてナイト」のゲーム本編ではお馴染みの敵役を務めてくれるヴァルファについて今回、考察しようと思います。
「欧州最強の傭兵団」という肩書きを持つわりには彼らって弱いと思いませんか?
ゲームのバランス上の問題と言ってしまえばそれまでですのでここでは八騎将を中心にヴァルファバラハリアンについて語りたいと思います。
八騎将を考察して
セイル・ネクセラリアのケース
疾風のごとき素早い動きを得意とする槍の名人、それが彼、疾風のネクセラリアです。
クレアさんの元恋人であり、ヤング・マジョラムの親友でもあったらしいです。
どういうわけだか、ヴァルファバラハリアンに入隊したらしいですな。
さて彼は一番最初にプレイヤーの前に姿を見せる八騎将です。
そしてヤング大尉と一騎討ちをし、ヤング大尉を殺します。
この時、主人公は彼と戦うことが可能です。
そして思うことが一つ。
それはネクセラリアの弱さ。
はっきり言って体力がなさすぎです。
まあヤング大尉にやられて体力が低いんでしょうけれども。そしてもう一つ考えることがあります。
それは彼の武将としての適性についての疑問です。
傭兵隊が置かれていた状況下において彼が一騎討ちを行う必要性があったのかと言う点にあります。
すでに騎士団は崩れており残りはせいぜい200足らずの傭兵のみ。
あの状況下ではすでに戦いの決着はついています。
あえて一騎討ちをしなくても傭兵隊を殲滅する事は可能だったはず。
そこれど一騎討ちを行った彼は軍事的ロマンティストであり、武将としての素質が欠けていたのではないでしょうか?
バルドー・ボランキオのケース
大斧を振り回す怪力の持ち主でもある男。
機動力を必要としない防衛戦にその力を発揮する男、それが彼、不動のボランキオです。
その昔、家族を疫病で失い、それ以後死に場所を求めて傭兵をしているとか。
彼については根本的に指揮官失格。
それは自殺願望者なんかが部下持つな、です。
はっきり言って巻き込まれる部下はいい迷惑ですよ、本当。
ルシア・ライナノールのケース
二刀流の女剣士にて氷のような冷静さと炎のごとき闘志をもつ女剣士。
それが彼女、氷炎のライナノールです。
彼女はそれはもう致命的なまでに指揮官失格です。
いくら愛していたとはいえボランキオの仇を討つためにヴァルファを抜けるなんてねぇ。
部下たちのことを何て思っていたんでしょうかね。
あまりの無責任さにはただ呆れるばかりです。
スパン・コーキルネイファのケース
血気盛んのまだ若い指揮官。
特殊なニードルを武器としており、素早さはピカイチ。
それが彼、迅雷のコーキルネイファです。
彼の欠点、それは血気盛んであり我慢ができないこと。
はっきり言ってこれも指揮官としては致命的な欠陥です。
ましてや命令破りの常習犯だそうですからね。
根本的に指揮官失格でしょうね。
キリング・ミーヒルビスのケース
巨大な鎌を武器に戦う盲目の老騎士。
傭兵騎士団ヴァルファバラハリアンの知恵袋でもあり副軍団長でもある。
それが彼、幽鬼のミーヒルビスです。
さて彼の欠点ですがそれは本当に優れた参謀なのかということです。
はっきり言えばいくらでも兵員の補充が可能な国家と私兵軍団が戦って本気で勝てると
思ったのでしょうか。
勝てない戦に参加するような参謀が優秀であったとは到底思えないのです。
そのため私は彼の指揮官としてよりも参謀としての能力に?を付けたいとおもいます。
ミハエル・ゼールビスのケース
陽動や後方攪乱を得意とする部隊を指揮した男。
ハンガリア動乱を引き起こした張本人でもある。
ミーヒルビスの甥にあたり血煙のゼールビスという通称を持っていた男。
じつはゲームが始まってすぐにヴァルファの勝ち目が無いことを悟って脱走するなど
戦局を見極めることに関して言えば他の誰よりも優れていた男。
しかし当然、部下を見捨てて脱走したのであろうし指揮官としては失格。
またシベリアに雇われて爆弾テロを起こしたりするなどイデオロギーのためにテロをしていたためではないらしい。
たんなる爆弾屋がその真実の姿なのでは?
デュノス・ヴォルフガリオのケース
現ドルファン国王の兄にしてヴァルファバラハリアンの軍団長。
国を追われ、王位を弟に奪われたのを恨んでその復讐のために戦争を起こした男。
破滅のヴォルフガリオの通称を持つ。
私利私欲というと言い過ぎかもしれませんが自分の復讐のために戦争を起こした愚か者。
軍団長としての適性にも欠けており無能な連中を指揮官に据えたり、勝ち目のない戦に手を出すなどその適性のなさは致命的。
たださすがに軍団長だけはあって剣だけは強かった。
本当にただそれだけの人物なんですけど。
サリシュアンのケース
諜報活動に従事している謎の八騎将。
ヴァルファバラハリアンの幹部ですらその姿を見た者は少なく、隠密のサリシュアンとよばれている。
さてこのキャラをけなすのはいまいち気が引けるのですがやもえません。
ばんばん貶そうとおもいます。
このキャラなんですがスパイとしての素質はもちろんのこと、能力も著しく低いと言わざるをえません。
3年間活動してどれだけの情報を伝えられたのでしょう?
戦線にぜんぜん影響を与えていない点からいうと全く役に立っていなかったのではないでしょうか。
プリシラ毒殺も個人的感情による行為のようですし(戦略的に全くの無意味)。
ヴォルフガリオが敗れたときも自分の素性をばらしてしまうし。
普通、スパイは黙って姿を隠すものでしょうに。
それと戦いに使用した細剣。
スパイならばこんなはっきり武器と言う形のものでなく、何でもないもの(ちょっとした
果物ナイフのようなもの)を使うべきでしょう。
いざって言うときに素性がばれないようにね。
私の祖父が陸軍中野学校出の特務機関員だったせいかちょっと厳しいですが、サリシュアンはスパイとしては失格でしょうね。
本題
このように見てみるとヴァルファバラハリアンの皆さんの能力は著しく低いと言わざるを
えないようです。
とにかくまともに指揮出来る奴がいないのです。
かろうじてネクセラリア、ヴォルフガリオぐらいが指揮できる程度でしょうか。
こうしてみるとネクセラリアを最初に失ったのは致命的だったようです。
二正面作戦の多いヴァルファバラハリアンにとって指揮官不在というのは大きかったようです。
ではなぜこのように弱いヴァルファバラハリアンが「欧州最強の傭兵団」と呼ばれたのでしょう?
この問題を解く鍵は攻略本のなかに載っているスタッフのお話にあります。
ヴァルファバラハリアン八騎将はかって一三騎将だったとあるのです。
しかしシベリアに出征中、次々と戦死してしまい八騎将になってしまったとあります。
では一三騎将はどんな人材がいたのでしょうか?
まずヴォルフガリオとミーヒルビスの二人は確実にいたでしょう。
特にミーヒルビスはまだ失明していなかったそうですしね。
次にコーキルネイファとサリシュアンの二人が加わっていなかったことが推測されます。
これは二人が若すぎると言う点から推測しました。
後の四人、すなわちネクセラリア・ボランキオ・ライナノール・ゼールビスが参加もしくは不参加かは
何とも言えませんがいたことにしましょう。
すると少なくともあと七人もの優れた傭兵が参加していたことになります。
ここでなぜプロキア戦争の際にヴァルファバラハリアンが八騎将を使ったのか推測できます。
すなわち前にヴァルファバラハリアン八騎将という概念を使用していたのではないでしょうか。
ヴォルフガリオ+七人でかって八騎将であったのではないでしょうか
(ミーヒルビスはヴォルフガリオの側近として仕えていたために数に入っていない?)。
すると指揮官が合計八人でちょうど一個師団ぴったりになるのではないでしょうか。
そしてこのシベリア出征前こそがヴァルファバラハリアン最盛期だったのでしょう。
しかしシベリアの過酷な状況に一三騎将の大半とその指揮下の兵は倒れてしまい、スィーズラン
ドに戻ったときには戦力はがた落ちになってしまったのでしょう。
そこへプロキアから誘いがあったのでしょう。
がたがたになってしまったヴァルファバラハリアンを立て直すべくかっての名声、すなわち栄光の
ヴァルファ八騎将を再現したのです。
それによってヴォルフガリオ・ミーヒルビス・ネクセラリア・ボランキオ・ライナノール・コーキルネイフ
ァ・ゼールビス・サリシュアンのゲームでお馴染みの八騎将が揃ったのではないでしょうか。
そしてその急場しのぎのヴァルファ八騎将ゆえに、彼らは滅びへの道を歩んだのではないでしょ
うかね。
平成12年10月29日
平成13年10月13日改訂