「さて、これからの行動について話したいと思います」
秋子さんは真琴を除く五人の前で話し始めた。
「どうやら犯人グループは用意周到に準備したうえで今回の事件を起こしたようです」
「「「「えっ〜!!!」」」」
沈着冷静な美汐を除く四人は一斉に驚きの声を上げた。
「何でそんなこと言えるんだぉ〜!!」
名雪の言葉に秋子さんは訳を話した。
「今回のこの事件、実はここ東京ヘリポートだけで起こっているわけではありません。
霞ヶ関や赤坂・大手町等で爆弾テロ等が発生しているのです」
「それはつまりテロはこの事件の陽動だと?」
祐一の言葉に秋子さんは頷いた。
すると秋子さんの様子を見たあゆはうめき声を上げた。
「うぐぅ、爆弾はイヤだよ〜」
「というわけで今回は全員で突入、犯人を確保します」
秋子さんのその言葉に栞は心底嫌そうな顔をした。
「…私たちでそんな犯人を捕まえられるんですか?」
「もちろん無理です(笑)」
秋子さんのその一言にみなずっこけた。
「「「「秋子さ〜ん(お母さ〜ん)」」」」
「まあ犯人に牽制するだけですね。私たちは拳銃すら装備していませんし」
「…それでどうするのですか?」
黙ったままの美汐が口を開き、そう発言した。
すると秋子さんは満足げに頷いた。
「こういうグループは指揮系統を潰してしまえばもはや烏合の衆ですからね、そうなれば恐るにたりません」
というわけで今度は第二小隊全員が東京ヘリポートに突入することになったのであった。
「秋子さん、一人であそこに行くのはすごく怖いんですけど」
栞の言葉にあゆもうんうんと頷いた。
そしてそんな二人の言葉を聞いた秋子さんはニッコリ微笑んだ。
「もちろん突入時に一人なんて無茶はさせませんよ。
祐一さんと美汐ちゃんは指揮車で、私は栞ちゃんとキャリアに乗ります」
「うぐぅ、ボクは?」
「あゆちゃんはですね……」
秋子さんはそこまで言うと美坂香里整備班長を呼びだした。
そしてその耳元にささやく。
すると美坂整備班長はこっくり頷くと大きな声で叫んだ。
「北川くん!! こっちにすぐに来なさい!!」
「は〜い!!」
でかい声を張り上げて整備員のホープ北川は飛んできた。
「何でしょうか、班長?」
そんな北川を一瞥すると美坂班長は秋子さんを見た。
すると二人は満足げに頷き、そして美坂班長は口を開いた。
「北川くん、今からあなたは臨時に秋子さんの指揮下に置かれます」
「へっ!? どういうことで……」
突然のことに事情を飲み込めていない北川は美坂班長に尋ねようとした。
しかしものすごい形相で美坂班長がにらみつけたので結局北川は何も聞けなかった。
「あゆちゃん、あなたのパートナーは北川さんです」
「うぐぅ、北川くんなの……?」
秋子さんの言葉にあゆは不満げにつぶやき、その様子を見た北川はガックリした。
「あゆちゃん、不満なのは分かるけど今いなくなっても困らないのは北川さんだけなんですよ」
「そうそう、北川くんさぼってばかりで真面目に仕事しないんだから」
容赦が欠片も感じられない秋子さんと美坂班長の自分への批評に北川は多量の涙を流すしかできなかった。
「それじゃあそろそろ突入しましょう」
秋子さんは栞の運転するキャリアの助手席から指示を与えた。
「「「「「「了解(です。だよ〜)」」」」」」
隊員たちの元気の良い返事に秋子さんは満足げに頷くと栞に合図を送った。
そして第二小隊は再び東京ヘリポートへと突入したのであった。
あとがき
う〜ん、とてもあと一話では終わりそうにない・・・。
あと二話でおわるかどうか?
2001.04.15
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