機動警察Kanon第033話

 

 

 

 第一小隊の面々が東京テレポートの手前の橋に着いたとき、そこは完全なまでの沈黙と暗闇の世界であった。

 

 

 「…静かすぎるわね」

由起子隊長の言葉に一号機指揮担当深山雪見巡査長と三号機指揮担当里村茜巡査は頷いた。

「確かにそうですね」

「…はい、私もそう思います」

それに対して二号機指揮担当折原浩平はのんびりというか気の抜けた返事をした。

「そうですか?何も起こっていないようですけれど」

浩平のその一言を聞いた三人は溜息をついた。

「へっ!? 何か俺、変なこと言ったか?」

本気で分かっていない様子の浩平に由起子隊長は現状を説明した。

「何か起こっているはずの場所に異常がない。これは明らかにおかしいでしょ」

「そういえばそうだな。でも何でなんでしょう?」

浩平の言葉に三人はまた溜息をついた。

「…それをこれから調べに行くんです。」

「里村さんの言う通りよ。折原君、すこしは頭を使うようにね」

「はい…」

茜と深山さんの言葉に浩平はただ頷くことしか出来なかった。




 

 「まあそんな話は置いておいて本題ですが……」

由起子隊長は三人の指揮者に言った。

「二号機を起動させて前方を警戒、一号機と三号機はキャリアに載せたまま橋を渡るということにします」

「「「了解しました」」」

三人は頷いた。

まあこの状況ではもっとも妥当な考え方であったからだ。

「それじゃあ出発です」

その後も少しは打ち合わせをしたものの第一小隊は東京テレポートへ向かって進み始めた。







 

 

 

 

 第一小隊が東京テレポートに渡っておよそ30分後。

やっと第二小隊が第一小隊の止まった位置に到着した。

そこでは二号キャリアとその運転手長森瑞佳巡査が一人待っていた。

「あ、水瀬隊長!!」

長森巡査はテトテトと秋子さんの運転するミニパトに駆け寄ってきた。

「あら瑞佳ちゃんじゃない、こんなところでどうしたの?」

秋子さんの言葉に長森巡査は答えた。

「実は由起子隊長の命令で第二小隊との連絡係を命じられたんです。

ですから私一人だけここに置いてけぼりに……。私も一緒に行きたかったのですが」

その言葉に秋子さんは頷いた。

「分かりました瑞佳ちゃん。ところで連絡って何かあるんですか?」

秋子さんの言葉に長森巡査はコクっと頷き、そして沈痛な面もちで言った。

「実は隊長たちは15分ごとに連絡のために発光弾を打ち上げるっていう事になっていたんです。

1回目はちゃんと打ち上げられたんですけど二回目以降がまだ……。

発光弾以外の何か別の光は見えたんですが……」

「そう…、だとするとかなり危険ね」

秋子さんはそうつぶやくと俯いて考え始めた。





 

 

 「…それじゃあ瑞佳ちゃんは引き続いてこの場で待機していてちょうだい」

「はい、わかりました」

秋子さんの言葉に長森巡査は頷いた。

そしてすぐ側で秋子さんが命令するのを待っていた六人の隊員たちに叫んだ。

「それでは突入します!! 二号機は起動、ライアットガンを持って先陣を切ってください。

一号機は後衛、キャリアはここに残ります」

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

 

 こうして第二小隊も何かが起こっている東京テレポートへと突入を開始した。

 

 

あとがき

第一小隊の戦闘シーンを書こうと思ったんですがそうするとまじで大変そうなのでやめました。

次回からはいよいよ戦闘シーン、ここしばらく影の薄かった第二小隊の面々を活躍させることが出来ると思います。

 

PS.瑞佳がだよもん星人になっていない・・・。

PS2.「ONE2〜永遠の約束〜」が発売されるとか・・・。期待したいがまあ駄作は確定でしょう。

 

2001.03.25

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