2003(平成15)年を振り返って
今年一年を振り返って見るとやはり印象に強く残っているのはイラク戦争ですね。
唐突な戦争開始から始まって、あっという間なバクダット陥落。
そしてアルカイダを筆頭とするテロリストたちの台頭、そして自衛隊派遣問題にフセイン逮捕。
実に様々なことがありました…。
というわけで今回はイラク戦争を含めて現状のイラクについてちょこっと私の考えを述べたいと思います。
(1)開戦
2003年3月、さほどの大義名分もなくアメリカ&英国がイラクに攻撃を開始、イラク戦争が始まりました。
正直言って私はこの攻撃には反対でした……だってとくに攻撃するに値する根拠が見あたりませんでしたから。
でっち上げ、とまでは言いませんが少なくとも化学兵器&生物兵器以上の大量破壊兵器をイラクが保有していることは
どう考えても考えにくかったですからね。
実際2003年末になった今でも未だ大量破壊兵器は見つかっていませんし……。
ただイラクは悪いことはしていない、すべてアメリカの覇権主義に基づくものだ……も無理がある考えですよね。
誰がどう見てもイラクが危険であることに代わりはありませんでしたから。
それにそもそも湾岸戦争時にしっかり片づけなかったのを今になって片づけた……という説明なら納得できますよ。
まあそういうわけですから私個人としては開戦前は戦争反対、しかしいざ開戦となったら徹底的にやってしまえ!でしたね。
(2)テロ問題
今でも毎日のようにアメリカ軍に対するテロ攻撃が発生し、今や戦争中より戦争終結後の方が戦死者の多いイラク。
なぜこんな事になったかといえばこれはやはりアメリカの戦争指導の失敗があげられると思います。
具体的に言うなら動員兵力が少なすぎた、これに尽きるでしょう。
戦争というのは戦力が勝ったモノが必ず勝つ。これは古来からの鉄則です。
ただこの場合、戦力とは兵力×兵数×平気の威力×補給×士気など複数の要因からなるわけですが、その中でも基本は
「戦いは数だよ、アニキ」(byドズル・ザビ中将)の言葉のように兵数です。
現在のアメリカはハイテク兵器を駆使し、兵数を削減する傾向にあります。
これが単純に間違っているとは言いません。
正規軍相手には十分通用しますからね。しかしテロリスト・ゲリラを相手にするにはこれは明らかに間違いです。
実際いくらハイテク兵器がすごいからといって市街地にいる一人二人のテロリスト・ゲリラを始末するのは不可能。
銃を保有した一個分隊ほどの部隊がどこにいるのか、どれだけいるのかわからない敵を家屋一軒一軒捜索しながら
掃討する戦いなのです。
だからこそアメリカ国防総省は30万の兵力を動員しようとしたのです。
残念ながらラムズフェルト国防長官の思想・思惑によりこれは行われず、現在の状況になってしまったのですがね。
(3)自衛隊派遣問題
2003年12月、小泉首相は自衛隊をイラクに派遣することを決定しました。
このことについて私の考えは大賛成です。
というのはもはや今の日本が国際社会に置かれている立場からすれば憲法九条を盾に自衛隊を出さない、など通用しないのです。
湾岸戦争で日本は金さえ出していれば良い、という考えが通用しないことを知りました。
そしてカンボジアPKOから金だけでなく汗も流すようになりました。
そして十年あまり……もはや汗だけではなく血すら流さなければいけない、そんな状況に状況に直面しつつあるのでしょう。
もちろん私だって自衛官が戦死すればいいなんて考えてはいませんよ。
無傷ですむならそれに超したことはありません。
しかし危険だからといって派遣をやめるわけにはいきません。
いや、むしろ危険だからこそ民間人ではなく軍隊である自衛隊がイラクに派遣されるのです。
小銃や機関銃・無反動砲を装備した自衛隊はいざというとき自分で自分の身を守ることが出来ますからね。
民間人ならとてもこうはいきませんが自衛官たちはその構成員すべてが志願兵です。
当然の事ですが志願兵は自らの意志で、国のために命を捧げるために入隊したのです。
ですから民間人とは異なり戦死してもそれは彼らにとっては本懐なはずです。
(本懐ではない、その覚悟できない者は速やかに除隊すべきです)
というわけでたとえ何があろうとも自衛隊を派遣し、たとえいかなる犠牲を払おうとも国際平和の維持に努める。
これは北朝鮮という身近な敵国を持つ日本にとって欠くことの出来ない行動であると私は考えています。