昨日（２０００．１１．０４）付けの朝刊によると外務省は二島先行返還案を検討しだしたらしいですね。
私に言わせればやっとか、と言った感じなんですが。
さて皆さんはどれくらい北方領土問題についてご存じでしょうか？
とりあえずよくは知らない人のために説明しようと思います。
年表形式で説明しますが歴史が苦手な方、大丈夫ですか？
１８５５．０１．２６ 日露通交条約・・・・・・これがとりあえず日本とロシアとの間に結ばれた最初の条約でここで
とりあえず国境線が確定します。
すなわち択捉島以南が日本領、サハリン（樺太）島は従来通り雑居地
（日本もロシアも両方住める）。
現在の外務省が主張している国境線の定義はここから来ています。
１８７５．０４．２５ 樺太・千島交換条約・・・・・・あの五稜郭の戦いで有名な榎本武揚が交渉した条約です。
趣旨としては樺太で日本人とロシア人の関係が悪化し衝突騒ぎ
も起こったのでそれを防ごうと言うことです。
すなわち樺太はロシアのものとし、その代償に千島列島を日本
領とするというものでした。
この条約の解釈で千島列島の範囲が問題になるわけです。
１９０５ ポーツマス条約・・・・・・日露戦争を締結させるための条約です。
小村寿太郎が調印しました。
この条約を不満とした一般市民（愚民ども）が条約反対を訴え、焼き討ちを
行っています。
この条約で日本は樺太島の南部の領有権を獲得します。
１９４５．２ ヤルタ会談・・・・・・連合国内における軍事上の秘密会議であり戦争の趨勢を決した会議でもあ
ります。
この場合に問題になるのはソ連の対日宣戦布告の決定です。
ただしドイツの降伏数ヶ月後ということになっています。
そしてその代償として樺太南部・千島列島をソ連領とするというものです。
１９４５．０９．０２ 日本降伏・・・・・・・ポツダム宣言を受託して無条件降伏。
いわゆるミズーリ号上での調印というやつです。
日本では敗戦記念日を８月１５日としていますがこれは明らかに誤りで
しょうね。
１９５２？ サンフランシスコ平和条約・・・・・・・いわゆる日本の再独立といった条約です。
アメリカ軍政からの脱却というわけです。
この条約で日本は日露戦争以降に入手した占領地、およ
び台湾・朝鮮そして問題の千島列島の領有権放棄を認め
ます。
さてここまで説明したので話を進めようと思います。
問題点点はただ一つだけ、それは千島列島放棄ということです。
千島列島をソ連が占領するということが決定されたヤルタ会談は一切その内容を明かしませんでした。
いわゆる秘密条約というやつです。
ところが国際法上、秘密条約は一切効力を持たないことになっています。
また連合国の協定でも領土占領等は一切行わないことになっていました。
つまり日本は独立を急いでまで千島列島を放棄する必要はなかったのです。
だれがどうみても千島列島は平和理に締結された条約に則って手に入れたのですから。
ところが日本は千島を放棄、日露通称条約の段階を主張することとなったのです。
馬鹿なことですがすでに日本政府はそれを認めてしまったのですからしかたがありません。
ところが地理的に見て千島列島というのはシュムシュ島以北国後島以南なんです。
地図を見てみればはっきり分かりますから。
つまり日本が北方四島は日本のものだと主張したところで千島列島は放棄してしまったのです。
その中に含まれている国後島・択捉島をロシアは日本に返す必要などないのです。
ですから日本がいくら返せといってもロシアは返さないのでした。
最後に私の意見を。
日本政府は千島列島を放棄せずに交渉するべきだったのです。
まちがいなく千島列島は日本領なのですから。
ところがそうはしなかった。
昔から強奪好きのロシアを相手にするなら千島列島全体返還を要求、妥協して北方四島返還を成功させるべき
だったと思います。
そうしなかったことが侵略者ロシアに対抗出来なかった敗因だと思います。
もしも北方四島全てを返して欲しかったらロシアと戦争にでもなったおりに日本領だと自衛隊でも送り込まないと
駄目でしょうね。
なんせ相手は強欲で貧乏で落ち目なロシアなんですからね。
でも戦争になる可能性は低いんですから二島返還を成功させたらロシアとは手を切るべきでしょうね。
いくら金をつぎ込んだところで絶対返すわけないんですから。
平成１２年１１月５日