※R18程度の性描写あります注意。もうくっついてる。すげーほも。
※「歓びの種」の先生側という感じです。
※ホントに色々アレなのでご注意下さい…なんかもうすいません…。
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私にはこういう趣味は無かったと断じて言える。
初めて女性を抱いたのは数えで14の頃だ。相手は同じ村に住む三軒隣の後家だった。村の年長者から最初の色の手ほどきを受けるのは、成人として村落共同体の一員となる為の通過儀礼であったから、まあありがちに普通に終わった。こんなものか、とすら思った。
それから幾度か恋をしたが、全て相手を労るものであったし、無理を強いたことも無くこれまた至極普通の穏やかなものだった。そこが物足りないのだと離れていかれた時も、一瞬寂しいとは思えど去った縁に追いすがる程の執着は持てず、多分自分は元々こういった欲の薄い人間なのだと思っていた。
教師となり毎日休み無く悪童たちに振りまわれるようになってからは尚更のことで、まあそれもそれでいいだろうと―――一種達観の域だったのだ。
だから、この悪趣味には我ながら少し驚いている。
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甲高い声を上げてきり丸が手の中で爆ぜた。はあはあと荒く息をついて、己の下半身を見ると真っ赤になり泣きそうな顔をした。下帯をつけたまま達してしまったからだ。
「……もー…っ…だから止めてって言ったじゃないですか…っ」
「どうせ洗うんだから一緒だろう」
「そういう問題じゃないです…!」
気持ちが悪いのだろう、きり丸は急いで外そうとする。それをじっと見ていると、恥ずかしいのかあちらを向いてしまった。少し愉しくなり、後ろから抱き締めて「ごめんな」と手伝ってやると、「……もう、いいですけど…」と呟いて、こちらに体重をかけてきた。
今日のきっかけは、きり丸が作業で傷つけてしまった指の手当をしている時だった。手を預けて何やら考え事をしている(どうせ中身はバイトの算段といったところだろうが)伏せた睫毛を上から眺めて思いつき、終わってから顔を寄せると案の定ひどく驚いた顔をしていた。
時々こんな風に、予兆も無いままに求めることがある。理由は単純で、こうするときり丸が動揺してとても可愛らしいからだ。
この子は普段の床の上では積極的に動くのに、こんな風に日中の光の元であるとか、例えば玄関先であるとか、そういった不測の事態には経験不足のせいか戸惑いと羞恥が先に立つらしく、なかなか上手く動けないでいる。自分を誘い奉仕する姿も愛しいのだが、少ししおらしくなるこの顔が見たくなって時折仕掛けてしまうのだ。敏感な身体が緊張で更に過敏になるのも愉しい。
問題はあまり頻繁に行うと慣れてしまうことなので、そこの間を計るのがなかなかに難しい。まるで好きな子を苛める機会を伺う餓鬼のようだと自分でも思う。
―――――つまり、これが私の悪い趣味である。
寄りかかっていたきり丸がこちらを振り向き唇をねだる。先ほどまでの快感に目元が紅く染まり瞳が潤んでいた。
誘う半開きの唇が美味そうだと思い、後ろから味見として浅くついばむと、可愛い舌を差し出してきたのでまるごと全てを食むために深く口付けた。そのまま何度も角度を変えて味を楽しむ。
きり丸は接吻が好きだ。うっとりとしてすっかり夢中になっている。ふと悪戯心が沸いて、空いていた手を胸元に寄せ、淡く色づく飾りを摘むと「あ、」と震えて声を漏らした。それがとても可愛く、調子に乗って両方の手で更に弄る。交互に緩急を変え、ぷっくりと立ち上がった乳首の感触を楽しんでいると堪らなくなったのか身を捩った。
動いた拍子に床に押し倒す。驚いた顔のきり丸を宥めるように、瞼に一つ、唇に一つ口付けを落とした。
順に身体を下ろしていき、散々弄くり回したせいか紅く腫れた突起を今度は口に含み舌で転がす。たっぷりと唾液を絡めて全体をなぶった後、強く吸い、柔らかく噛む。左の方がより敏感なように思うのは心臓が下にあるからだろうか。口と指で動きを変えながら両方を愛してやると、それに合わせて頭の上から甘い声がしきりに漏れるのがまた楽しい。
「……あっ、ん、ね……え、せんせ、い」
「ん?」
「そこ好きなの?さっきから、同じとこば、っか……あっ、あ」
赤ん坊みたいですよでかい図体して、とこんな時でも憎まれ口は忘れない。仕置きに右を抓ってやると、身を縮ませて小さく啼いた。
「…そうだな、好きなのかもしれない。…お前がひどく好さそうだ」
頭を上げて囁き耳朶を食む。腕の中の身体が震える。少しの間の後、「…人のせいにしないで下さいよ」ときり丸は抱きついて肩口に顔を埋めてきた。伏せた耳が赤い。
背後に回された腕を動かす気配がして、何をしているのかと思いきや自分の髪がばっさりと下りた。結わえていた髪紐が外されたようだ。
そのまま髪をまさぐられたので、少しばかり手を止め大人しくしてみる。枝毛だらけの自分の髪の何がいいのか良く判らないが、きり丸は触るのが好きらしい。こうやって最中に解かれて遊ばれたのも一度や二度ではない。
気持ちよかったので暫く望みのままにさせておいたが、きり丸の背中に置いていた手を徐々に下へと下ろしていった。
欲はまだ燻っている。こんな睦み合いではとても足りない。
指が小さい尻の狭間に辿りつくと、髪を弄んでいたきり丸の手が止まり少し身体が強張った。緊張を解くように背中を摩ると、ぎゅっと抱きつき返してくる。この子なりの了承を愛しく感じ、顔を上げさせまた口付けた。
傷つかぬよう油を指につけ塗り込める。蕾の周辺を撫ぜ、それから少しだけ指を中に差し入れた。慣らす為に入口附近で浅く動かすと、「…大丈夫ですから、」ときり丸が言う。焦れているのかもしれない。
一本奥まで差し入れる。そして続けて二本、三本。圧迫感を感じるのかきり丸は息を吐き眉を潜めたが、そんなに辛そうではない。前戯で身体が多少解れていたのもあるだろうか。
更に解してやろうと、緊張で少し萎えてしまっていたきり丸の自身に指をかけた。
「や、や、あっ」
一度吐き出した精でぬめったものを、二つの嚢も含めて纏めて片手で揉みこんでやる。もう流石に子供の形ではないが、自分のそれと比べるときり丸のはまだ幼く色が淡い。指を立てて先端を弄ってやると、また芯を取り戻し薄い先走りを滲ませる。合わせて中をきゅうっと締め付けてきたので、その動きに抵抗するように止めていた指を動かし始めた。
蜜を塗り込めるように三つの指をゆっくりと蠢かす。きり丸の好い部分は大体把握しているが、そこに敢えて触れぬように焦らしていると躊躇いがちに腰を揺らしてきた。摩ってやるとのけ反って、追いすがるように締められる。
一番最初の時は辛そうで痛ましさが先に立ってしまったものだが、接合を繰り返す内により快感を得る方法を自分なりに考えたようだった。
きり丸の、放り込まれた環境に順応する適応力の高さは昔から舌を巻くものがあって、それは多分に生い立ちによるものだと推測されるが、あまりの慣れように心配にもなり(早い話が取り越し苦労のやきもちである)前に少し口にしたことがあった。
そうしたら「何言ってんです、土井先生だから気持ちいいし気持ちよくしたいんですよ」なんてあっけらかんと返してきたので、反対にぼやいたこちらが赤くなってしまった。
「……せんせ、せんせえ、ねえ、も、」
腕を上げて肩にすがりつき、耳元で「…せんせいをいれて、」とため息混じりに囁いてくる。これには参った。
酩酊した感覚に陥り、全身の血が一気に中心に集まる。
「…お前は、ほんとに…」
すっかり煽られてしまった。少し乱暴に自身を押し込み、足を絡めてくる子供に噛み付くように口付ける。吐息の甘さに眩暈がした。
主導権を握っていたのは自分だと思っていたが、存外落ちていたのは私の方だったのかもしれない。
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次の日、快晴の下中庭で一人洗濯に勤しんでいると、「半助―!あんたんとこに客が来てるみたいだよー!」と隣の主婦が顔を出した。礼を言い、絞った洗濯物を纏めて急いで家に戻る。
「利吉くん!久しぶりだな!」
「ご無沙汰してます土井先生」
戸口に現れたのは昔から良く知った顔の山田利吉だった。どうしたのかと聞けば、あの山の向こうが次の仕事場なのだがこの町を通りがかったので覗いてみたのだという。相変わらず稼業が繁盛しているようだ。
「きり丸は今バイトに行ってるんだ、会えなくて残念だな」
「そうみたいですね、先程茶屋で会いました」
「話したのかい?」
「表で休んでいたら奥から呼び止められて。最初誰かと思いましたけど、あれでは先生も大変ですね」
「……ああ…まあ…」
茶屋と言えばきり丸のバイト先の一つだ。男として裏方で作業するよりも女として給仕で出た方が時給がいいのだと言っていたから女装姿のきり丸に会ったんだろう。利吉が「きり子」を見るのは初めてではないが、思いも寄らぬところで突然に話し掛けられたら驚いても仕方無い――――利吉が言っているのは、そういう意味ではないだろうが。
彼は、自分ときり丸の関係を知っている。
結ばれて少し経った頃、父の山田伝蔵の荷物を届けに来たと利吉が学園を訪れたことがあった。彼は時々激務の合間、こんな風に息をつく為に用を作って学園を訪れることがある。いつものように乱太郎たちが群がり、何故か事務の小松田まで混じって皆で賑やかに話をしていた。
その内授業が始まったので名残惜しそうな生徒たちを追いやり、丁度空き時間であった半助が門まで見送った時、「きり丸のあれは、土井先生ですか」と唐突に聞かれて肝が冷えた。
恐る恐る何のことかと問うと「艶が出たように思います。良く見ないと判らない程度ではありますが」と言ってきたので、流石は一流の忍者だ観察眼が鋭い…などと感心してしまったが、そんなことを言っている場合ではなくどう繕おうかと必死で悩む。すると「大丈夫ですよ、誰にも言いません」と言って、〔之を求むれども得ざれば 寤めても寐めても思服す〕という詩を諳んじて去っていった。
届かぬ思いに焦がれたり、睦まじく戯れる様を詠った、論語の中の關雎の詩の一節である。彼にはそんな風に見えたのだろうかと思うと共に、もしかしたら彼も似たような思いを抱えているのかもしれないと―――そう感じた記憶がある。
少しは時間が取れるというので上がって貰い暫し歓談する。学園の様子や,現在戦陣が敷かれている二山向こうの戦況のことなど。あそこに今卒業生が二人程行っているらしいんだ、向こうで会うかもしれないな、とか。守秘義務もあるので仕事の話は話せる範囲でしか出来ないが、一線に立つ利吉の話は驚きもあって新鮮だ。
話が一段落した時、「…あと、」と利吉が何かを言いかけ、沈黙した。
「どうしたんだい?」
「ええとですね、その―――」
口を開き、しかし逡巡してまた俯いてしまった。彼がこんな風に言いよどむのはかなり珍しい。
言いにくいことを無理に問う趣味も無いので、言いたくなったら言えばいいとのんびり待ちながら、そういえばすっかり話に夢中になって茶を入れるのを忘れていたことに気付いた。この間に二人分入れておこうと腰を上げて用意する。
入れて一口すすり、首を捻った。どうも味がおかしい。
茶筒の中を良く見てみると、異質なものが混じっていた。すわ毒を盛られたか―――とはならずに、犯人が一発で判ってしまうのも慣れた習慣とは悲しいものだ。摘んで取り出してみると、茶葉に混じっていたのは食用の草で、なるほど天麩羅にしたり潰して色味として食事に混ぜるにはいいが茶として飲んでも美味い訳がない。
こんなことをする人間は一人しかいないし、大体この家に住んでる人間もあと一人しかいない。「最近お茶って高いんですよねえ、やっぱ白湯でも良く無いですか客人なんてそうこないんだし」とこの前ぼやいていたがこういうことか(ちなみに「乱太郎たちは良く来るだろう」と言ったら「あれは客じゃありませんし白湯でも満足しています」と言われた。納得していいのかどうなのか。あと満足ではなくきっともう諦めているだけだ)
虫を混ぜられないだけマシになったのかもなあ……と半助は遠い目をした。きり丸も成長と共に多少の余裕が出来たのか、ケチはケチでも昔ほどひどくは無くなったと思う。その変化に少しは自分という存在が影響していれば嬉しいんだが――――などとしみじみしてハッとした。
そういえば、茶を飲んでいたのはきり丸のこういう所業に慣れきった自分だけではなかった。
「すまない利吉くん!そのお茶ちょ―――」
「――先ほどきり丸に会ったんですが」
「―――へ?ああ、うん、そう言っていたね」
「妙なことを聞かれまして」
「妙な?」
「………その……、大人の男性というのは、みんなああなのか、と………」
…………………………。
――――しまった、一瞬意識が遠のいてしまった。全く詳細を聞いてない内から意識を失ってはいけない。今失っても利吉に魂を捕まえさせる訳にはいかない。何が「ああ」なのか聞かなくては、でもすごく嫌な予感がする聞きたくないぞどうしたもんだ。
久しぶりに胃がシクシクと泣き出した。
「きり丸は、何て…」
「……とにかくしつこい、と。あと変なところで興奮して困ると。自分には良く判らないが大人になるとみんなあんなものなのか、と――――まあ、そのようなことを話していました」
「ああああああ……」
想像通りの内容に崩れ落ちてしまう。
きり丸も利吉が知ってることを知っているから、成人の知人ということでぼやいたのだろうが言っていいことと悪いことがあるだろう。利吉は婉曲に言ってくれているが、きっときり丸のことだから二言も三言も言わなくてもいいことを赤裸々に付け加えたに違いない。そう考えると胃を抱えて消えたくなった。
「お幸せそうで何よりです」
「君にはそう見えるのかこれが…」
「色事の愚痴というのは大概惚気ですから」
「惚気か」
「惚気でしょう。そんなに嫌なら断ったらどうだと言ったら、赤くなって別に嫌な訳ではないと言ってましたから」
「……はあ……」
そうか嫌ではないのかそれは良かった、まあ嫌ならあんな反応はしないだろうしな。というか赤くなったのか、それはまた可愛いかっただろうに―――などとやに下がってる場合ではなかった。
「では、私はこの辺で失礼します」という利吉の言葉に我に返る。
「利吉くん、すまなかった変なことを聞かせてしまって。全部忘れてくれ。……どうにもあいつには未だに振り回されて困る。教師の面目が丸潰れだな」
「……人を恋うとはそういうことなのかもしれません。立場も恥も外聞もなく、知らず振り回されてばかりです」
そして一言呟く。おや、と思い顔を上げると利吉は既に外に出ていた。暖簾をくぐり行方を伺うと、真っ直ぐ伸びた背中は右の方へと曲がっていった。確か山へと向かう道は左であるが、あまり詮索はしないことにした。利吉にも色々あるのだろう。
そういえばあの方角には小松田の扇子屋があったな…と思い、つい浮かんだ想像に首を振った。まさか利吉ともあろう者がそんな悪趣味な。きっと霞扇の術の為だろう。
そう締めて、洗濯の続きを再開することにした。
……まあ、趣味が悪いと言われれば、自分だって人のことは言えないのだが。
こんな癖のことだけではなく。
常に銭のことばかり考えていて、口を開けば人の神経を逆撫でする一言を絶対に忘れない、自分の歳の半分しかないこんな子供に惚れていること自体がきっと人から見れば悪趣味であるし、神経性胃炎持ちで安月給で変な癖もあり、後ろ暗いことの一つや二つは勿論持っている三十路やもめを好きだというきり丸だってきっと悪趣味なのだ。
たで食う虫も好き好きと言うしな……と思っていると「ただいまー」ときり丸が帰ってきた。その能天気な顔につい目が据わる。
きり丸はきょとんと半助を見て、流しに置かれた二つの湯のみを見ると、何があったのかを大体察したのか後ずさり、「あっそうだ次あさり売りのおばちゃんとこ行かなきゃいけないんでしたじゃあ行ってきます!」と慌てて外に出て行った。「待てきり丸!」と逃がさぬように追いかける。あいつには本当に仕置きが必要だ。最も効かないかもしれないが。
まあそれはそれで楽しいかと―――思ってしまうのも、また悪趣味だ。
『―――それを、恋の病と言うんだそうですよ』
去り際に、利吉が言った言葉が耳に残った。
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ただ単にえろが書きたかっただけのようです…鼻息が荒くて失礼しました…。
何か気付いたら「割れ鍋に綴じ蓋」みたいな話になったな…おかしいな…。
色々とホントすいません…。