夕べの止まり木 2011年1月4日号
             霧氷の街

                      和田山麻美

 標茶町で喫茶店を営んでいますと、いろいろな人との出会いが
あります。
町外から移住してきた方々、特に本州の暖かな気候に住み慣れて
いた方などは、気候風土の違いに戸惑いもあるのでしょう、地元
の人との出会いを求めて喫茶店での語らいを楽しみに、よく御来
店くださいます。
また、夏の観光客や、冬でも『SL冬の湿原号』を目当てに来町
する方々との語らいも、お店を営んでいての楽しみの一つです。

 そのような方々から、よく道東の冬に関するいろいろな感想を
お聞きすることがあります。
ご存知のように、標茶町は国内でも有数な極寒地です。
晴れわたった朝の放射冷却現象で、厳しい寒さの中、歩いて登校
する子供たちの姿は必ず出てくる話題です。

 私たち地元に生まれ育った者としては、水周りや家の周りの雪
や氷の扱い、自動車の冬特有の扱い方など、冬をいかに乗り切る
かが話題の中心になりがちです。
でも、一歩外から道東を眺める方々との会話の中から、日ごろ私
達が当たり前の様に見ている日常の景色のすばらしさが、あらた
めて認識させられることがあります。

 先日運転免許の更新のため、久しぶりに朝早く釧路川に沿って
国道391号線を走りました。
実はこのルート、釧路川に沿っている標茶近辺や凍結前の塘路湖
付近は「けあらし」の多発地帯で、晴れた寒い朝にはすばらしい
霧氷の世界を見ることが出来るのです。
その日はさほど寒くは無かったので、霧氷の織り成す“水墨画”
のみを楽しんだのですが、霧氷を背景としたダイヤモンドダスト
やサンピラーなど幻想的な世界を日常の窓辺の景色として見るこ
とのできるのが標茶町のすばらしさです。
店にいらしてくださる皆さんに、これらを紹介するとともに、こ
れからも日々、あらたな出会いの中で、道東の四季の楽しみを探
し続けることを心がけたいと思います。