夕べの止まり木 2010年6月29日号 原稿
              夜空に満天の星

                    和田山麻美

 「わぁーなんて、綺麗なんだろう。」
吸い込まれるような星空に、心が奪われそうになることが
あります。今から八年前、以前から大好きだったギターリ
ストの吉川忠英さんが、鶴居のペンション『ヒッコリーウ
インド』でコンサートをすることを知り、夜道に車を走ら
せることが苦手な私が、吉川忠英さんに会う為に鶴居まで
車を走らせました。途中霧が深く不安な道のり、やっとの
思いで会場に着き、車から降りて空を見上げると、なんと
満天のお星様が出迎えてくれました。


 会場に入り コンサートが中盤になった頃、「皆さん、
外でギターを弾きましょうか。」突然の忠英さんの粋な計
らいで、ギターを手に三曲程歌ったあと、静かに『星に願
いを』を弾いてくれました。その情景にとても感激した事
をまるで昨日のことのように思い出します。


 その時からのお付き合いとなった吉川忠英さんが、今年
も七月二十四日、私が営む『喫茶ぽけっと』で三回目とな
るライブを開催してくれます。歌を聞くだけではなく、ア
ーティストとのふれあいもひとつの楽しみです。忙しい現
実をほんの少し忘れて、一緒に音楽と楽しいひとときを過
ごしませんか。


 日頃、日常生活の情景として、気にも止めない当たり前
の景色でも、すてきなアーティストとのコラボレーション
でこれほどの感激を得ることが出来たのは、東北海道の人
と自然の距離の近さだからでしょうか。根釧原野の広大な
ステージの中に溶け込むギターの音色と歌は、いつまでも
心の中に残る大切な物になりました。