夕べの止まり木 2010年3月30日  原稿
         別れは出会いのはじまり

                  和田山麻美

 春になると、馴れ親しんだお客様の移動があります。
喫茶店を営んで、この仕事と『転勤』とは無縁と思っ
ていたけれど、毎年決まって、常連のお客様との別れ
があります。もうすぐ二十七周年を迎える営業の中で
は、毎日顔を見せてくれたお客様の異動は、とても寂
しいけれど、元気で営業してさえいれば又お会いする
ことができると自分に言い聞かせてきました。中には
何年かの歳月が過ぎて、また近くに移動してきたりし
て。

 『縁』というものは自分の心がけ次第でどうにでも
ころがせるものかもしれないですね。会いたいと思っ
たら結構気持ちが通じて、すぐに再会できたりして。

 
 今年は我家の長男が家を離れ札幌に進学します。五
年前に長女が家を出たときも、札幌での引越しを手伝
い、車の中でぽろぽろと流れ落ちる涙を拭きながら帰
ってきた思い出があります。

 子供の前では泣くまいと強がっていましたが後日、
先輩の“子離れお母ぁさん”に、さりげなく慰められ
ました。今回もきっと帯広まで泣きながら帰ってくる
だろうなぁ。素直に泣いて、次の日からはお店で、す
っきりした顔でお客様を迎えよう。

 
 元気でいればいつでも再会できる。お別れした分、
新たな出会いがある。出会いと再会の笑顔の数だけし
あわせがくることを信じて、たくさんの出会いがあり
ますように。