夕べの止まり木 2010年2月2日号 原稿

          マイケル

              和田山麻美

 今高校一年の次男哲史が、マイケル=ジャクソンに夢中に
なっています。その様子を何ううちに、私も高校生の頃『ジ
ャクソンファイヴ』に夢中だった事を思い出しました。寝て
も覚めても『ジャクソンファイブ』の曲を聴いては口ずさむ
日々でした。


 去年のマイケルの死と映画『
This is it』のヒットで話題に
なったとはいえ、息子がDVDを見て、CDを聴いて歌って
いるのを眺めていると、「マイケルのCDを今までいっしょ
に聞いたこともないのに、なぜ?」と、とても不思議な気が
します。知らず知らずの内に、息子のDNAの中に組み込ま
れてしまったのかしら。世代がぜんぜん違っても、いつの間
にか同じ感性を抱いていたという事実に驚きます。でも、ど
の世代にも支持されるスターを親子で共有できて、とても幸
せなことだとしみじみと感じてもいます。


 良い歌はいつまでも歌い継がれると言いますが、息子が私
たちと同じ親になった時、マイケルのように、自分の子供と
同じ感性を持って楽しめるスターがはたして存在しているの
でしょうか。そして、世界中の人が涙して見た『
We are the
world
』の感動と意義は、その時代まで引き継がれているでし
ょうか。
まだ青春真っ只中の純粋だった頃の私と、今まさに
青春を生きる次男の哲史の感性が重なった−。少し心が温か
くなる出来事を体験して、そんなことをふと考えもしたので
す。