夕べの止まり木 2009年9月29日 原稿

                 おはぎ      

                      和田山麻美

 お彼岸になると、決まって義母がおはぎを作ってくれます。
一晩かけて小豆を煮て餡をつくることから始まり、ご飯のころ
あいもちょうど良し。
初めて食べたとき、おはぎがこんなに美味しいものなのかと感
動したのを今でも鮮明に覚えています。


 私は小さいころから、『食』に興味があり、美味しいものを
いただいくと必ず自分でも作ってみたくなります。
おはぎもそ
の例に漏れず、餡作りから挑戦してみました。でも、思うよう
にいきません。結局今年のお彼岸も義母に甘えてしまいました。


 美味しいものは人を元気づけ励ましてくれます。まして甘い
ものは疲れた心と身体を癒してくれます。我が家の3人の子供
たちもばぁちゃんのおはぎが大好きで、「やっぱり、この味だ
よね」と、いまでも3個はぺろりと食べてしまいます。
 
 今の時代、スーパーに行くと、なんでも買いそろえることが
できるけれど、心を込めて作った物を美味しいうちに美味しく
いただくのが最高の贅沢なのだと思います。知り合いのお坊さ
んがある時教えてくれました。「最高の『ご馳走』とは読んで
字のごとく、人をもてなすために、忙しく走り回ることをいと
わず、精一杯のもてなす気持ちのこもった料理のことです。」
と。


 義母が作ってくれた愛情いっぱいのおはぎは、お彼岸の連休
で里帰りした長女をすっかり感激させていました。ばあちゃん
に感謝です。