夕べの止まり木 2013年8月23日号
 

時のうつろい

30年前の標茶町に『喫茶ぽけっと』が開店しました。お盆の時期、8月
13日のことです。毎年、標茶町のお祭やお盆の行事、夏休み真っ只中の子
供達のにぎわいを感じる時期になると、喫茶店を舞台とした時のうつろいを
懐かしく感じながら、お客さまを迎える日々を送るようになります。

当時の標茶町は、法務局や営林署、国鉄も拠点としており、若い社会人が
大勢おりました。そのような方々の待ち合わせや打ち合わせの場として、ま
た、旅人が食事をしながら、その地域の情報収集の場として飲食店は大切な
存在だった気がします。まさに、人との出会いこそが旅の醍醐味の時代だっ
たのです。

 今、スマホとコンビニですべてが揃うとても便利な時代となりました。人
とかかわることが少なくなっても生きていける時代なのかもしれません。飲
食店を経営してきて、お客さんは昔とは違うものを求めて来店くだるように
なったと感じています。私のお店では時々プロのアーティストによるライブ
の場を提供して遠く出かけずとも本物の音楽に触れる機会をとここ数年取り
組んできました。普段お酒は提供していませんが、バーテンを得意としてい
る方にお願いして、本格的なカクテルを楽しんだりしました。

 街の社交場として、また情報の発信地として、大きな交流の輪を育てたい
との想いから喫茶店をオープンさせた30年前と違い、今は大きく世の中の
仕組みが変わってきたように感じます。私は、これからの世の中はプライベ
ートの時間や空間の中までパソコンやスマホなどコミュニケーション機器が
大手をふって入り込むようになり、ますます非日常空間として、憩いのもて
る喫茶店の役わりが大事になるのではないかと思います。便利な世の中にな
りすぎると、1日中隙のない日々を送らなければならず、自分を見つめ直す
時間が大切になる世の中が必ず来ると思うのです。日常の生活のなかでほっ
とできる時間作り、
新しいコミュニケーションの場としての喫茶店をこころ
がけます。