【写真の解説】

この写真は、調査の合間に真鶴町白磯海岸にみられる「自然の造形美 Natural beauty」、より正確には「波の造形品 Andesite sculpture by the wave」とともに干潮時に撮影しました。
この岩は長年の度重なる波の打ち付け、特に波による礫の転動・衝突・摩擦等によって基部が多方向からえぐられてできたキノコ状のもので、 私が大変気に入っている小松石の岩です。

一方、下の写真は満潮に向かって海面が上がってくる時間帯に、基部が波に洗われる瞬間をねらいました。こちらの写真は、「いいね!」と地球がサインを出しているようにも見えましょう。

この岩自体は箱根ジオパーク推進協議会の「箱根ジオパークフォトコンテスト」に2回出品した、私の写真素材の一つですが、波による浸食微地形、つまりノッチ notchのとてもよい学習教材 teaching materialになると思います。

通常、海岸で見るノッチは岸壁の下部、かつ片側です。それに対して、この岩は4方向の節理に沿ってほぼ垂直に割れ残りつつ侵食されたものと思います。この岩は歯科医的には歯茎 gumの下がった大臼歯 molarに見えるかもしれません。上部のげんこつの高まり、言い換えると歯上部の小さな出っ張り、咬頭 cusp of teethに見えるとんがりや、歯科で言うところの凹み、窩 fossaはどのようにしてできたのでしょうか、不思議ですね。 さらに、小臼歯 premolarに見える小型版も近くにありますが、現在レキで埋まっています。その姿は別の機会に御紹介しましょう。

このようなキノコ状の岩:キノコ岩 Mushroom rockは、沖縄の沿岸部のサンゴ骨格から構成される岩塊等にみられますが、安山岩 andsiteでは大変珍しいと思います。上述のような形態をしたキノコ岩は沖縄等にはないのではないでしょうか。私は思わず地球に「ベストデザイン賞」" best design award" を与えたくなりました。日本、いや世界中に広めたくてここに紹介しています。


【Explanation of photo】
This is my favorite rock on the Pacific coast; Shiraiso, Manazuru Town, Kanagawa Prefecture. This rock like a mushroom may be produced by restless wave action. So, this is a typical example of the erosion on the rocky coast.
I can imagine that this andesitic rock looks like a fist at rock-paper-scissors game. Or a sign of "good job !" from the Earth ?
Instead of a fist, this rock looks like a molar from the point of dentist's view, too. Therefore I want to give the earth "a best design award".
The hazy land over the Sagami Bay on leftside of this photo is Odawara City and Tanzawa Mountains.

【参考データ】
「箱根ジオパークフォトコンテスト〜関東地区大会in箱根 開催記念〜」優秀賞 ●地形・地質(ジオ)部門
 タイトル『波間に出現!小松石のグーパンチ』  箱根ジオパーク推進協議会 2015年03月06日付けHPにて発表。私を含めた入賞者のコメントがHPに掲載されていますので、箱根ジオパーク:Hakone-Geoparkのホームページより入り、 「お知らせ一覧」の「ニュース 2015/04/10」をご覧ください。

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