咎狗の血感想


 ニトキラの第一作の「咎狗の血」です。気が付けば、クリアしてから早一年数か月……思い出しながらの感想です。PS2版もクリアしてしまったので、記憶がごっちゃになってないといいのですが(汗)。いつもの通りにネタバレ全開で語っていきますので、未プレイの方はご注意ください。
 購入のきっかけというか、動機は「Lamento」がすごく面白かったので、同じ作画・ライターさんの作品ということで買ってみることに。ハードな世界観で暴力表現も出てくると聞いたのでどうかなあとどきどきしていたのですが、思っていたよりも暴力シーンや凌辱系描写がなかったのでほっとしました。確かにバトルシーンは多いのですが、残酷表現は余りないので、問題なしです。「大丈夫! 冤罪と比べたら、何てことはないです!」「確かにあれと比べたら、全然問題なしですよね。というか、あれと比べちゃ駄目ですから!」とYさんと言い合いました。恐るべし、冤罪効果…!(笑)
 スチルは問題なく綺麗ですし、音楽も気合い入れて作った感じです。個人的にはLamentoの音楽の方が好みではあるのですが、ニトキラ作品はどれも音楽に力を入れている感じがします。でも、ディスクレス不可+シリアルナンバー入力はやっぱり面倒だなあと思ってみたり。それと操作機能は問題ないと思うのですが、個人的に結城はシフトキーを使わないので、ウィンドウにスキップボタンがあった方が楽なんですよね。画面をすっきりさせるためだと思うのですが、ニトキラ作品はどれもウィンドウにボタンが何もないので結城はちょっとやりにくいです。後、やはり、回想はスチルごとに欲しい…。

 ストーリーの方ですが、舞台は第三次世界大戦後のニホン。ニホンは日興連とCFCの二つに分断され、国民は戦時の徹底した軍事教育と戦後の平和主義への一転に馴染めず、ニホンの復興は進んでいなかった。ストリートファイトのBl@sterの個人戦のチャンプであるアキラは身に覚えのない殺人の罪で投獄される。そこへ現れた謎の女・エマ。彼女はアキラを解放する条件として、「犯罪組織ヴィスキオが支配するトシマで行われている死のバトルゲーム・イグラに参加してヴィスキオの首領・王(イル・レ)に勝つこと」を提示する。他に選択肢のないアキラはトシマへ乗り込むのだが……。
 というようなところから始まるのですが、ストーリーは文句なしに面白いです! 最初と最後の方の部分が若干説明が多いですが気にならないですし。ただ、攻略キャラによって、イグラやヴィスキオ関連と、アキラの持つ血に関わる謎にストーリーが分かれるので、全員攻略しないと総ての謎が埋まりません。ルートにによっては途中から全く出てこなくなるキャラがいるので「あの人は今」的な気分になります(笑)。
 結城が「キャラで一番好きなのはアキラ、カプで一番はケイアキです。でも、ルートは源泉ルートが一番好きだったり。源アキも好きー。ルックスで一番いいのはシキですけど」と言ったら、「どんだけ浮気なんですか!」とYさんに突っ込まれました。いや、素直な意見なんですが…(苦笑)。
 主人公のアキラはクールで無愛想で、人との付き合いが不器用な子です。ルックスがカッコ綺麗な感じなので、Yさんが「これで受けですか!? どう見ても 攻めっぽいのに!」と驚いてました。「いやいや、そういうキャラが受けっていうのに萌える人がいるからじゃないですか?」と返した結城。アキラは作中で頻繁に「整った顔」表現されるので、美形設定なのは間違いないのですが、スチル見ていると可愛いより綺麗、格好良い表現されるのが似合うと思われます。ちょっとしたやり取りに「アキラ、可愛いー」と呟く結城ですが(笑)。
 余談ですが、「何かあきらっていう名のBL主人公って多い気がしませんか? のーとんも明だし、ぼくわたの公式主人公も晃だったし、○○(結城とYさん共通で好きなBL漫画)の主人公も暁だし」と結城が言ったところ、「あきらって、何か、典型的な主人公っぽい感じの名前だからじゃないですか? BLの主人公には使いやすそう」との返事が。いや、単に結城が好きなものにあきらが多いだけで、実はそれほど多いわけではないのかもしれませんが。
 名前と言えば、声優さんの名前があからさまな偽名なんですが…。声優さんってBL作品と一般で名前変えてる方が多いのですが、変わった名前の方が多くて、エンドロールを見たときに驚きます。雰囲気壊れるし、もうちょっと普通の名前でもいいんじゃあ…←余計なお世話です。咎狗の血の声優さんはどの方も本っ当に演技が上手くて、感服します。特にケイスケは本当に凄いです…! またしてもYさんと「声優さんは偉大ですねー!」「偉大ですね!」と言い合いました。

 さて、ゲームの方ですが、まずはオープニング。個人的にはLamentoの方が好きですが、やはり格好良い作りです。妙に出番の多いシキティーにメインはやっぱシキなのかなあ、と思った結城です(笑)。パッケージになっているスチルが出るのですが、後にYさんが「何かゲームの内容とこの雰囲気合ってない気がしますー」とアキラのイメージっぽくないと指摘してました。確かに微妙に怖い、このアキラ…。店頭で見た場合、パッケージイラストに左右される部分が大きいので、もうちょっと明るくいっても良かったのでは…←だから、余計なお世話です。いや、でも、このパッケージだったから、購入迷いましたよ…。
 最初は日常風景とともに世界観や用語の説明などが出てくるのですが、意外に後に出てくる言葉があるので、聞き漏らせません(笑)。説明後、すぐに警察に捕まり、取り調べを受けるアキラ。このときの刑事がどう見ても某ル○ン三世の銭○警部なのですが、これってギャグ? わざとですよね? 誰か好きな方でもいるんでしょうか(笑)。
 エマ登場にYさんと二人して「素敵なお衣装!」「ポイントは胸の谷間! 胸ですよ!」と言い合いました。無実の罪で捕まり、冤罪を晴らすために動く設定で「冤罪」を思い出しましたが、刑務所が舞台にならなくて良かったです、はい。そして、何とか出られた後、ケイスケに遭遇(このときは二度目だけど)。想像よりもヘタレっぽいと思いつつ(酷い)、トシマへGO! このときの案内人に「うちらのアキラに何するんじゃー!」とYさんと二人でご立腹(笑)。この後も、いろんな意味で襲われるアキラですが、Yさんと二人して「アキラって……何か弱くないですか? Bl@sterチャンピオンのはずなのに!」と突っ込みました。シキや黒化したケイスケに勝てないのは仕方ないとしても、その辺の三下相手に手こずってるチャンプって……。「その辺の雑魚には片手で勝てるくらい強くないと駄目ですよ!」とYさんが駄目出ししてましたが、これじゃあお姫様扱いされても文句言えないよ、アキラ…。それとも、トシマのレベルが高いのか…。
 後、どうでもいいことですが、ケイスケを現す言葉「青いツナギの男」のイメージが結城にはありません。いや、ツナギを着ているのは判っているのですが、立ち絵やスチルで全身図が出てこないせいか、シャツのイメージが強いんですよね。というか、咎狗の季節が判りません。グンジみたくものっそい薄着もいれば、キリヲは着込んでますし。アキラは半袖にジャケットで、シキティーのコートは暑いのか寒いのか…(笑)。
 その後、リンと出会い、アルビトロ登場に「何か凄いの出たー!」とYさんが画面に突っ込んでました(笑)。「ああ、でも、仮面取ったら意外に美形かもしれませんよねー」「いや、でも、ビトロの場合、顔というより、性格というか趣味があれですからねー」と言い合う私達。咎狗は脇キャラまで本当に個性的です。その後、源泉に会い、ストーリーはどんどん進んでいきます。
 では、次からは個別ルート感想です。結城は攻略サイト様のお世話になりましたが、選択肢はわりと簡単なので自力で攻略出来るかも。


■ケイスケ→まずは幼馴染、お友達のアキラ好き好きわんこなケイスケです。ケイスケはBADルートを考えると先にリンをやった方がいいらしいんですが、やはり、幼馴染・お友達設定は外せなかったので一番最初はケイスケからで(笑)。同級生・幼馴染・親友設定は結城の三種の神器ですから! ケイアキは一番好きなカプです。最初からアキラ好き好きオーラを出しているケイスケ(でも、アキラには気付かれてない…哀)はアキラが心配で追っかけてトシマまでやって来るのですが、アキラが苦労した道程を一人で潜り抜けた事実にYさんと二人して「どんだけ足速いんだよ!」「ものっそい強運の持ち主なのでは?」と言い合いました。「アキラを守りたいんだ」発言に「いや、それ、ケイスケには言われたくないから!」とYさんが突っ込まれてましたが、確かにケイスケ足手まと…げふげふ。一緒にソリド食べてるシーンが可愛くて「ここ、可愛いですよねー!」とYさんと二人で言い合い、アキラのオムライス味好き設定で、二人して萌えました。可愛いよ、アキラ…。誰もが同人ネタでかく可愛さです(笑)。
 その後の言い争い、というかアキラの八つ当たり気味な口論に「何か青春ですねー」とYさんと話しましたが、これは一回やらないといけないことだよなーと思いました。トシマ関係なしに一度本音ぶつけないと、この二人の関係は駄目になると思うのですよ。その後のケイスケの回想で「ケイスケ…終わってるよ」とYさんが呟いていたのが印象的でした(笑)。
 そして、その後、予想もしなかった展開に…まさかの黒スケ降臨です! 「変わりすぎだろー!」とYさんと二人で突っ込みましたが、ケイスケの豹変ぶりには心底驚きましたよ、奥さん! 声優さんの演技がまた凄くて「アキラァ」は咎狗関連の話をするときについ真似してしまいます(笑)。「アキラァ」の「ァ」がポイントで。後、黒スケの台詞で外せないのが、「お目覚めか? お姫様」ですが。黒スケの黒っぷりはいっそ、見事です。
 でも、ドライバーは酷いよ、黒スケ…! てゆーか、こんなところにまでどうしてドライバーを、と突っ込んだ結城です。後にYさんと話すときに「ドライバーの方のアキラ(前述通りにあきらが多いので、区別のため)」と言ったら、「ドライバー言うなー!」と突っ込まれました…。匂いでアキラが判るとか、ケイスケは白くても黒くてもアキラに対する執着が激しくて、愛情がひっくり返った憎しみをぶつけてくるわけですが、この辺を乗り越えて思いを伝え合うところがケイアキの見どころではないかと。「ある意味、ケイスケが裏の主役ですよねー」と結城が言ったところ、Yさんに「私は咎狗は二人で主役だと思ってますよー」と返されました。確かにどのルートを辿ってもケイスケの黒化は必須で、二人の関係が話の主軸なのでそれは言えるのかと。
 そんな二人の初H(厳密にいえば黒スケが最初ですが)は初々しいというか、ぎこちなさ満載。「今なら死んでもいい」発言がケイスケの心情を現していて、個人的に好きな台詞です。本当にずっと昔からアキラ好きなんだね、ケイスケ…。Yさん曰く「ケイスケがごめんばっか言ってる印象が」ですが(爆)。ケイスケはスイッチ入ると止まらないうえに、どこでスイッチ入るか判らない気が…。告白時の「ふ、夫婦みたいだな」発言にアキラが「大丈夫か」と言ってましたが、Yさんが「その通りだよ!」と一緒に突っ込んでいたのが印象的でした。
 ラインが抜けた後、男前へと変身するケイスケですが、結城は白スケ→黒スケ→漂白ケイスケと呼んでます。Yさんに「それは言い得て妙ですねー」とウケた発言ですが、サイト様で白→黒→灰と書かれていて成程、そっちもあったか、と思った結城です。どちらにしても、白も黒もケイスケの一部分で、それがラインの力で肥大・表面化したのだと思うので、それを認めて乗り越えたライン後のケイスケが一番好きかなぁ。
 エンディングはバカップルと化している二人ですが、きっと、工場中に二人の中は知れ渡っていて、ばれていると知らないのはアキラだけというオチになっていそうです(笑)。そして、ケイスケとくっつかないとケイスケが悲惨なことになるので、ついケイスケルートをやってしまう結城。
 BADに関しては、まあ、アキラと和解出来なければ、こうなるよねーという感じです。アキラスキーには痛いENDですが、ケイスケの執着ぶりは伝わってきます…。


■リン→お次は見かけは美少女、中身は男らしいリンです。唯一アキラが攻めなルートです。登場時の「ついてまーす」発言に性格が窺えますが(笑)、登場時からアキラ達に友好的で親切なので、「絶対、裏があるよ。いつか裏切る設定?」とどきどきしてました。なので、裏の顔(っていうと語弊がありますが)を見せたとき、やはり、と思いました。何もないのはおかしいよね、と。
 でも、ルートに入らないと、親切で男前ないい子で終わります(笑)。アキラがリンの親切振りを疑うので裏切らないと拍子抜けな感が。いや、基本は親切で気前が良くて男らしいのだと思いますが。気に入った人限定で(笑)。当初、アキラの顔が気に入って親切にしてくれるわけですが、アキラに似ているというカズイの顔がものっそい気になりました(後にPS2版で明らかになりますが)。面喰いなんだね、リン(笑)。
 最初はアキラ自身に興味があったわけじゃないのでしょうが、交流していくうちにお互いに気になっていく二人。過去の悲惨な出来事に囚われていて前に進めないリンが、アキラとともに前に進んでいこうと決意していく過程が見どころです。リンは性格男前なので、攻めでも良かったんじゃ…と思ってみたり(汗)。
 シキとの確執は過去を考えれば無理ないですが、シキに向ける激しい憎悪は愛情の裏返しではないかと。本当に大好きだったんだろうな、シキのこと…。そういえば、リンの過去設定でリンの年齢がより判らなくなりました…。咎狗キャラの年齢設定が判らないのですが、私的にケイアキ18歳、源泉38歳、ナノ28、9歳、シキ20代後半、エマ30代前半くらいかなあ、と勝手に思ってた結城です。リンは見かけが15、6に見えるのですが、アキラよりも昔にBl@sterに出てたなら…ひょっとして二十歳くらい? 謎です。
 エロシーンはもれなくすっとばしてしまった結城ですが(汗)、エンディングでやられました…! 五年後リン! 格好良く成長していてびっくりです! Yさんと二人して「五年後リンは絶対攻めだよね!」と言い合いました。五年後リン×アキラが見てみたい結城です(笑)。


■シキ→お次は俺様シキ様カリスマのシキティーです(笑)。作中のシキティー呼びが気に入っていてついシキティーと言ってしまう結城です。前にライが二度目に逢った時は通り魔と書いた覚えがあるんですが、シキは正真正銘の通り魔です。出会ったら即斬られて終わりです。よく捕まらないな、と思ってしまいます←まあ、トシマは無法地帯ですが。
 ルックスは文句なく格好良いです。前述の通りに結城のツボをつくビジュアルでどのスチルもシキは格好良いです。立ち絵もスチルも何故か腰が入ってるシキティーに「何故にモデル立ち?」「てゆーか、シキ、腰細いですよねー」と言い合う私達。「アキラも腰細いから大丈夫!」とよく判らないフォローを入れた覚えが…(笑)。シキの声も素敵ですが、シキ役の声優さんの緑川氏はYさんのフィーバーヴォイス(笑)らしく、テキストを読んだら台詞を最後まで聴かずに飛ばすYさんが、シキだけは最後まで飛ばさずに全部聞いてました。咎狗の声優さんは何か楽しそうに演技されてそうな気が…。
 ルート的には鬼畜担当、監禁・へそピアス・水責め・凌辱とこれぞ王道BL的な展開を繰り広げてくれます。所有物扱いですし。出会って早々斬られかけ、雑魚呼ばわりされ、拉致られ監禁されて凌辱されるのに、いつの間にかシキにどうしようもなく惹かれていくアキラ。何故に…? これがカリスママジック? Yさんが「シキの毒にやられたんですよー」と言ってましたが、あの展開で恋心が芽生えるとは…不思議です。まあ、出会った当初から惹き付けられてはいるんですが。個人的にシキに惹かれる感情って銀魂の高杉に人が集まってくるのと同種のものの気がするので、恋愛感情ってピンとこないんですよね。
 なので、甘さはありません。ごくごく微糖隠し味程度で(笑)。「ああ、でも、あのキスがあったからまだマシじゃないですかー。シキがキスするとは意外でしたけど」とは、Yさんの言ですが、結城も意外でした。というか、あのキスのシーンはスチルが欲しかった……! いいとこなのに…。
 リンとの確執はシキのせいなのですが、荒れたところを見ると、少しは彼の中でリンは特別だったのだと思うのですが…というか、そうじゃないとリンが不憫なので、そうであって欲しいのですが。シキはナノに対する執着が激しすぎて他に感情が向かないのかと。そういえば、ナノはアキラが他の誰とくっついても祝福(?)するのに、シキだけは否定するのが面白かったです。いや、結城がナノでも「シキはやめとけ!」と言うと思いますが。では、後はEND別に感想を。
 シキ車椅子END→廃人END・介護ENDとも書かれているのを見るのですが、これがGOODなんて嘘だろ、というEND。生きる拠り所を失って、段々と抜け殻になっていくシキを支え守り続けていくアキラが不憫でなりませんよ、奥さん…! アキラはそれでも幸せなのかもしれませんが痛いです…。
 軍服END→Yさんが一番マシなのはこれかも、と言っていたEND。目指せ!世界征服なシキとそれを支えるアキラの図に、どうしちゃったんだ、と突っ込みたくなりますが、軍服スチルは文句なしに格好良いです。シキがものっそい楽しそうに見えて、これもまた彼等の幸せの形なのかも…。
 麻薬王END→これまたどうしちまったんだよ、アキラァ!と突っ込みたくなる淫靡アキラ登場。淫靡たんと皆様呼ばれてましたが(笑)、アキラの豹変振りにびっくりです。個人的にこれが一番ラブいENDなのではないかと。Yさんが「いやいや、駄目ですよ。アキラが壊れちゃって原型なさすぎじゃないですか!」と駄目出ししてましたが、本人達はきっと幸せなんでしょうねー。
 どちらかが壊れないと幸せにはなれないのか、シキアキと思った結城でした。


■源泉→お次は情報屋のおいちゃんこと、源泉です。オヤジです。オヤジ攻めです。結城が一番好きで萌えたルートです。はい、まさかオヤジ攻めで萌えるとは、第三弾です。元堅で目覚め、バルドにやられ、源泉で止めを刺されました……。もう、潔く認めよう…結城、オヤジ攻めOKです。というか、年上攻め好きなんだよ、自分…! 「何でこんなにやられるんだろう…。いや、だって、甘いし! 一番、ラブいんだから萌えるのは当たり前さー!」という結城に「やっぱ、年上攻めは大人で余裕があるから、甘くなるんじゃないんですか?」と答えたYさん。包容力のある、受けに甘い攻め好きな結城にはヒットするようです。
 源泉ルートの見どころとしては、人との触れ合いに不慣れなアキラが、警戒しつつも徐々に距離を縮めていって、絆を深めていく過程でしょうか。アキラは自分の感情を表現するのが不器用で(だから、ケイスケとはああなったのでしょうが)ついぶつかってしまう訳ですが、それを受け止めてくれる源泉とのやり取りが好きです。アキラが一番可愛く(というか幼く、年相応に)見えるルートかと。それと、体格差…! 身長差、体格差はあった方が嬉しい結城(大人と子供並に差が出ると逆に引いちゃうんですが。ほどほどあるのが好き)は萌えました。源泉は思っていたよりも体格良くて、力あるし、腹筋凄いしで驚いたんですが、Yさんが「傭兵やってたんだから、それくらい当り前ですよー」さらっと言ってたのが印象的です(笑)。
 源泉ルートは源泉がアキラの血に関する謎に深く関わっている人物だけに、話が判り易いです。エマやアルビトロとの関係も説明されますし。やっていて、源泉の人生って壮絶だなあ、と思いました。普通の会社員(製薬会社の研究員って普通の会社員とは違う気もするけど)だったのに、妻子殺されて会社の裏の顔を知って傭兵になり、その後研究止めるためにトシマで情報屋をやりながら情報集めてたって……どれだけ凄い人生なんだ、おいちゃん…(哀)。彼のナノに対する複雑な感情は彼じゃないと判らないんだろうなあ、と思います。
 教会のシーンはどれも好きです。二人で並んで座ってるスチルのアキラが可愛いし。二人でほのぼのと話しているところも、緊迫したやり取りを交わすシーンも見ごたえがあります。えろに関してはちょっと唐突感がありますが(いや、ナノに比べたらそうでもないですが)、アキラが可愛いので問題なしです(笑)。というか、源泉がエロオヤジくさい気が……。源泉に余裕があるせいか、一番甘く感じました。
 真相解明シーンでエマの台詞が省略されてしまったのがちょっと残念。いや、何回も入れるのもあれなんでしょうが、このルートでも入れて欲しかったなあ、と。地下通路の中での「墓まで連れてく」発言は源泉らしいと思いました。アキラが全然気付いてないところがまたらしいです。
 エンディングは源泉のが一番好きです。スチルも綺麗でアキラが幸せそうに見えるので。二人で各地を飛び回って、喧嘩したりいちゃついたり、いつまでも仲良く暮らしていって欲しいです。


■n→ラストは無口、無表情、口を開くと謎台詞なnです。全員攻略しないと行けないルートなだけあって、総ての謎が判ってすっきりします。事件の一番の当事者であるナノは無口無表情で何を考えているのか全く読めません。ナノがしゃべらないせいか、アキラがその分話すのでYさんが「いつになく、いっぱいアキラがしゃべってるよ!」と驚いてました(笑)。さしものアキラもナノ相手ではしゃべらないと話が進みませんから。ナノは台詞の多くが謎かけなので、いつもあれを考えているのかと余計なことを考えました。
 ソリドを袋ごと食べようとしたり、木の皮をかじったりと常識知らずのナノはどうやって生きてきたんだと突っ込みたくなりますが、それがアキラの「放っておけない」モードに火をつけた模様です。ナノは「幼い頃に出会って約束をした。そして、それを相手(アキラ)は忘れている」という和啓を彷彿させる(笑)最強の萌え設定を引っさげてます。さすが、隠し……! Yさんが「ナノルートをやっちゃうと、他のルートでナノが出てくるといたたまれなくなりますよねー」という「和啓以外のルートの和希を見るような気分」になるということをしきりに言ってました。結城も同感ですが、「それをいうなら、ケイスケもそうですよねー」と思う結城。というか、ナノルートのケイスケ…!(号泣)いや、ナノルートのケイスケはある意味一番幸せなのかもしれませんが、ケイアキスキーには辛い展開ですよ、奥さん! 他ルートのケイスケも悲惨ですが、スチルあるとこうくるものが…。
 ナノとのエロシーンは本当にいきなりだったので、驚きました。「何で!? いつどこでどんなスイッチが入ったんだ!?」「ていうか、ナノにそんな感情あったんだ!」とYさんと二人して言い合いました。ナノにそういう欲求があるとは思ってなかったので余計に驚きです。というか、無理やりは駄目だよ、ナノ…! 対であるアキラの存在を確かめ、救いを求める行為だったのかもしれませんが。唐突感が拭えません。
 エマのことは本気で好きだったのだと思います。勿論エマもそうだったと思うのですが。すれ違ってしまった二人の結末は哀しいものでしたが、アキラなら救ってくれると思います。ラスト近くのナノの微笑みスチルをYさんが気に入ってました。結城も好きです。エンディングではまだ緊迫した状況の中にある二人ですが、何とか乗り越えていってくれるといいなあ、と。黒髪ナノは意外に似合っていて、このスチルも好きな一枚です。



 以上、個別ルート感想でした。昔すぎて、攻略した順が微妙に違うかも…。他にも処刑人とのENDもありますが、BADなので。バイオレンス、グロ表現は思っていたよりも全然軽いので、それで尻ごみしている人は勿体ないです。冤罪や帝千のBADの方がよっぽどえぐいですから…(苦笑)。買って損はないと思いますので、興味のある方はやってみてください。




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