第8巻感想




 はい、進撃の巨人、第8巻感想です。表紙は女型の巨人対巨人化したエレン+ミカサです。ミカサの横顔が凛々しくてやはり、ミカサは王子様だよなーと思いました(笑)。そして、毎回、ミカサが男だったら!と思ってしまう結城です。もしくはアルミンの容姿がもっと攻めっぽかったら!←同い年、幼馴染み、親友設定は結城の三種の神器です。この設定は個人的に本当にツボなのですよ…。
 話はアニのターンから。憲兵団の日常が出てきますが、思っていた以上に腐敗しているようです。マルロの言うように腐敗した組織を正しい方向へ導くのはもっともだと思いますが、アニの言っていることも判ります。人間は楽な方へと逃げたい生き物なので、どんなに厳しくしても負の部分は生まれてくると思います。組織の構造を変えるのはすごく大変だと思いますが……頑張ってもらいたいです、はい。そして、アニが思い浮かべたのってエレンですが、アニってエレンに恋愛感情とまではいかなくてもそれなりに好意があるのでしょうか。
 アルミンがアニに接触。良い人・悪い人の解釈は何かアルミンらしいと思います。自分にとって都合の良い人と悪い人って区分けを感じるアルミンは人の感情に敏感で、だからこそやっぱり参謀向きなのかと。話に乗ったアニがこのとき何を考えていたのか……この先に起こることはすでに予想していたのだろうと思いますけど。
 ミカサとエレンと合流。エレンの替え玉をするジャンに哀愁を感じます。でも、これが通ったってことはエレンの顔って知られてないってことですかね? 審議所にいた人物なら顔知ってると思いますが、誰も同行してないのか。まあ、馬車の中の確認もしない憲兵団なら例え顔見ても判らないのかもしれませんが。そして、ともに悪人面扱いされている二人ですが、エレンってそんなに悪人面ですかね? エレン好きだからかもしれませんが、特に悪人面だとは思ったことのない結城です。どちらかというと兵長の方が凶悪な顔じゃ……げふげふ。というか、アルミン、さらりと容赦ないこと言ってます。たまに毒吐くからうちのショコラアルミンは黒化したのかもです(笑)。
 地下に入ることを拒絶するアニ。「私は戦士に成り損ねた」って台詞は非情に徹しきれなかったってことなんでしょうか。アルミンを殺さなかったことも、この賭けに乗ったこともその表れのような気がします。動揺しているというか必死に呼びかける二人に対してあくまでもミカサはミカサです。「女型の巨人」とアニに呼びかけて刃を抜くミカサは男前です。


 アニ、女型の巨人に変身。指先を切っての巨人化ですが、巨人化するのに傷付けるのって手以外では駄目なんでしょうか。エレンを見てると毎回手を噛んでいて痛々しいのですが、自傷行為ならどこの部位でも大丈夫なのか…いえ、手が手っ取り早く傷をつけられるからなのでしょうけど。エレンもアニのように指輪とか仕込んでいればいいと思うのですが。
 前の巻でエレンが最初に巨人化したときにいた兵士の誰かが諜報員=女型の巨人ということで、壁外遠征に参加していなかった女性キャラで、対女型戦でエレンが隙を作った原因を考えるともうアニしかいないだろうとは考えていたんですが、実際にアニだと判明すると痛いなーという感じです。マルコの立体起動装置を持っていたことで気になっていたアルミンの視線の意味が判った訳ですが、マルコの死の謎は解明されないままに。さすがにマルコを殺したとは思いたくないので、死体を発見したときにこっそり奪ったんだと考えたいですが、これって今後出てこないんでしょうね。そして、やっぱり二体の巨人を殺した理由が判らない結城です。
 巨人化出来ないエレンに迫るミカサの顔が怖いです。この辺がヤンデレと言われる所以でしょうか。何か特別な感情が妨げになってるの?という問いかけってエレンがアニを好きなのかって意味なんでしょうが、この辺もミカサがエレンに対しての感情に恋愛が含まれてるってことなんでしょうか。前の感想にも書きましたが、ミカサは家族愛でお願いしたいです。
 回想シーンの兵長とエレンの会話。これはやはり慰めてるのでOKでしょうか。リヴァエレ的にそうしたいと思います(笑)。このシーンで兵長が「俺は元々結構喋る」と言っていて、この時点では「そんなに喋ってたっけ?」と思ったのですが、後の巻見て確かに結構喋ってるよなーと思った結城です。
 アニメでこの後の描写が変わっていて不満があった結城ですが、エレンがアニ=敵、だから殺すにならなくて実はホッとしました。ミカサのように躊躇わずに戦うのが正しいのでしょうが、仲間だと思っていた人を即殺すとならずに躊躇う方が人間らしいと思うんです。後に「アニのときは躊躇ってたのに!」と思う場面がある訳ですが。
 ミカサの「仕方無いでしょ。世界は残酷なんだから」とは進撃の世界観を象徴する言葉だと思います。ここでエレンも巨人化してアニと対峙する訳ですが、街中での戦闘は被害が甚大です。戦闘で人が死ぬのは避けられない事態ですが、多くの人が死んでいくのはやはり痛ましいです。


 エレンの心の問いかけ「お前は何のために戦ってんだ」は誰しもが思っていることだと思います。人によって信じるものは違うと思いますが、アニが多くの人を犠牲にしてまでもやらなければならなかったことは何なのか。おそらくはそれが世界の謎につながることなんだと思いますが。父親の言葉を想い出し、涙を流すアニは決して感情がない訳ではないから、人を殺すことに何も思わなかった訳ではないと思います。4巻で犠牲になった遺体を前にごめんなさい、と呟いていたことを考えても。
 逃げるアニを、エレン、アルミン、ミカサの三人の力を合わせて捕獲。が、アニは身体を結晶化させる能力の応用か、自分の身体の周りを覆って眠りについてしまう……で、巨人にならなくても能力が使えるのか、その力を維持できるのか不思議に思った結城です。そして、更に衝撃の事態に遭遇。
 一部崩れた壁の割れ目から巨人が中にいることが発覚。更に生きているようです。ハンジさんがこの壁の中にぎっしり巨人が詰まっているのか、と疑問に思っていますが、この壁の中にずーっと巨人がいるとなるといったい何体いるのでしょうか。更にミカサがいるのって壁のかなり高い位置だと思うんですが、この巨人って超大型巨人並の大きさなんでしょうか。それがぎっしり? でも、外の巨人を見てるとそんなに大きな巨人ばかりだとは思えないので、積み重なっているのか。「ひょっとして巨人トーテムポール? トーテムポールになってるの?」と馬鹿なことを考えた結城です。
 そこに現れたニック司祭は審議所にいた人ですが、この人ただのモブじゃなかったのか!と思いました←酷い。進撃は最初の頃にちょろっと出てただけと思ってた人が後の巻に結構重要な役割で出てきたりするから侮れません(笑)。逆にかなり出ているキャラもあっさり死にそうで怖いのですが。
 日光を遮ることで一応の応急処置をするハンジさんとニック司祭。巨人は日光がないと活動できないことがここでも証明された訳ですが、司祭は巨人の生態を知っていた……というか、壁の中に巨人がいることを知っていたということですよね。ハンジさんはキレると怖いと判明する訳ですが、激昂するのは当然だと思います。巨人の秘密を知っているものがいたのなら、調査兵団の犠牲はなかった訳ですから。教団の教義で壁に触れてはいけない、というのはこれが理由だとすると、そもそもウォール教は壁に干渉させないために作られた組織だということでしょうか。教団の司祭が全員壁の秘密を知っている訳ではないと思いますが、ウォール教を認めた王政府や憲兵団の中にも真相を知る人はいると思われます。
 秘密を話さずに命を捨てるという司祭には何かアニと同じような覚悟を感じます。アニとは反対の立場の人なのでしょうが、知っていることは同じなのではないかと。結局、謎は語らない司祭――いえ、そんなに簡単に話されたら今までの苦労って何よ?という感じですが。話終わりますし(笑)。
 エレンの部屋に集まるアルミン達。エレンの召還はなくなったようです。まあ、それどころじゃなくなったんでしょうが。眠りっぱなしのアニからは水晶体が邪魔して話を聞き出せませんが、アニのように硬化能力を持つ巨人で壁が作られているとしたら、その壁を作ったのは誰?という話になります。そもそも、100年以上も前に作られた壁なのに中の巨人は生きてるってことは巨人に寿命はないのか? それとも仮死状態のような感じで硬化してる間は大丈夫とか? 様々な疑問が残ります。アニ達が壁の破壊を目的としているのなら、壁の巨人はアニ達側ということなんでしょうか。
 そして、ラスト、集められている104期達。アニの共謀者がいるのではないかと疑われているようですが、その根拠は何なのでしょうか。壁外調査のときにアニが調査兵団の制服を着ていたことを考えると、調査兵団内に協力者がいると考えるのが妥当ですが、同期だからというだけでは根拠が薄い気がするのですが…うーん。そこへ、巨人襲撃の知らせが。果たしてウォール・ローゼは本当に突破されてしまったのか。ドキドキしつつ(いえ、これ書いている時点では知ってますが)次の巻へと手を伸ばしたのでした。



2015.3.30up




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