第6巻感想




 はい、進撃の巨人第6巻感想です。表紙は女型の巨人との遭遇の一コマっぽいですが、このシーンは作中にないので、それをイメージして描いたものなのかと推察。この表紙だとアルミンがこのまま死亡するみたいに見えて不吉ですが……コミックス派の人を驚かす演出なのでしょうか。
 アルミン、女型の巨人と遭遇。女型の巨人がフードをつまんで顔を確認してますが、それまでの攻撃が容赦なかったのに、この仕種が何かそうっとぽくって意外でした。まあ、巨人の力でフードを思い切り引っ張ったら、首が絞まって下手したら殺しかねないからだとは思いますが。アルミン、ライナー、ジャン合流。この辺り、アルミンの推察力が冴えてます。アルミンの推察通りだとすると、五年前の攻撃は超大型巨人=外門の破壊、鎧の巨人=内門の破壊、女型の巨人=外にいる巨人たちの誘導という役割分担だったということなんでしょうか。巨人よって個々の能力が違うということはエレンにも特異な能力があるのかなーとなどと思いました。
 で、女型の巨人の目的はエレンの捕獲らしいのですが、だとすると、女型の巨人だけ出てきたのは何故なのか。超大型巨人は俊敏に動けなさそうなのでこうした場所での戦闘には不向きかもしれませんが、鎧の巨人は戦闘能力高そうなので戦力になると思ったのですが。この戦いに参加できない理由があるのでしょうか。
 ジャンの成長が著しくてびっくりです。自分のことしか考えてないとか酷い言われようですが、マルコが亡くなっていなければ変わっていなかったのかも。そのジャンのアルミンへの台詞、「エレンとベタベタつるんでばっかで気持ち悪い」って……傍から見ていてあやしく思えるのか(笑)。幼馴染み三人組の関係ってもう当の本人達じゃないと判らないんだろうなーと思います。
 女型の巨人相手でも兵長とミカサがタッグを組めば私もいけそうだと思ったり。そして、女型の気を引いたりとアルミンの機転はやっぱりすごいなーと思いました。エレンのいる方へと方向転換して去って行った女型に何か嫌な予感がしましたが、後にその予感が当たってしまうとは思いませんでした……。


 女型が去った後、馬を必死に呼ぶジャンに哀愁を感じました(笑)。クリスタがあっさり連れてきただけに余計に。ライナーの結婚したい、の台詞に進撃世界の結婚っていつから許されてるんだろうかと考えました。そもそも成人って二十歳なんでしょうか? 税制などを考えると戸籍はちゃんとあるのだと思いますが……婚姻届けとか出生届とかどこかに穴がありそうです。というか、兵長って戸籍なさそうですよね。兵団入りするときって身元確認はすると思うんですが、その辺はどうなっているのでしょうか。兵長の場合は団長が何とかしたか、あるいは地下街にそういった戸籍を売買する組織があるとか。同人でも地下街って都合の良い設定に使われていると思うので、もう何があっても驚きません(笑)。
 女型に大量の犠牲者が出ているのにも拘わらず、撤退命令は出さない団長。指令班にまで伝達がいっていないのではなく、団長だからこの状況は想定内なのかなーと思いました。巨大樹の森に思わず「ジ○リ? これ○ブリ?」と呟いてしまった結城です。中列だけ森の中に入れた=エレン達は森の中を進むってことで女型も追ってくるってことですよね? エレンは状況が何も判ってない模様……と、思ったらリヴァイ班全員だとは。オルオさんがすぐに顔に出てしまうあたりいいと思います(笑)。兵長だけ冷静に見えるので、エレンの危惧した判ってないのでは、というのは外れに見えました。


 やはり、追ってきた女型の巨人に一方的に虐殺される兵士達。仕方ないとは判っていますが、こうして多くの名もなき兵士が死んでいってるんですよね。仲間を見殺しにしたくないエレンと戦闘の指示を出さない兵長。兵長の「俺にはわからない〜悔いが残らない方を自分で選べ」は何か過去を感じさせる印象的な台詞です。兵長でも自分の選択に迷ったり、悔いが残るような結果に終わったことがあったということなのでしょうか。
 迷うエレンにペトラさんの必死の「信じて」は好きなシーンです。これからの過去回想のシーン一連が好きなのですが。エレンの巨人化実験の提案。「気持ち悪い」って、兵長酷いですが、はっきり言うだけいいというか、悪意はないのでしょうね。そして、どこまでもぶれないハンジさん……好きです(笑)。
 噛み痕が痛々しいエレンの両手ですが、毎回、あんなに強く噛んでるんですね。血が出るくらいだから相当強く噛んでるんだと思ってましたが、あそこまでの状態だと思ってはいませんでした。実験失敗に意気消沈するエレンに容赦ない兵長。そして、兵長は何故あんなふうにカップを持つのでしょうか? 取っ手の部分はみんなが触るから触りたくないとかいうのでしょうかね? でも、兵長は兵長専用のカップがあると思うのですが。むしろ、手で触る面積が広がるので不衛生なのではないかと……謎です。いえ、兵長は総てが謎に包まれた人ですが。
 ティースプーンを拾うとした瞬間、無意識に肉体の一部を巨人化させてしまうエレン。どうでもいい話ですが、このティースプーンって何に使ったんでしょうか? いえ、このときに飲んでたのってコーヒーに見えるんですよね。兵長は紅茶好き設定なので紅茶かもしれませんが、砂糖やミルクって物資の不足している中では手に入りづらいと思うので、休憩中のお茶用に出したりはしないんじゃないかと推察。何も入れていないコーヒーなら掻き回したりしないと思うんですけど……インスタントなのか。いや、進撃世界にインスタントコーヒーはきっとないよな、と考えてみたり。本当にどうでもいいことですが。
 敵意を向ける班員たちと、エレンに背を向けて宥める兵長……この辺りのくだりがリヴァエレ的にめっさ好きです。いや、兵長は何があってもエレンを倒せる自信があるからかもしれないですが、エレンにとってはすごく大きかったと思うのですよ。兵長だけは信じてくれたということが。後、個人的に背中合わせで戦うという図が好きなので(笑)。いや、戦ってはいませんが、戦闘シーンには背中合わせの戦いはお約束だと思います。
 涎垂らしながら迫ってくるハンジさんは怖いです。周りも呆然と見てしまう迫力です。いや、それでこそのハンジさんですが。触ってもいいと言いつつ許可を得ずに触っているところがらしいです。私も生き急ぎすぎだと思います、分隊長……!
 信用されていなかったことに落ち込むエレンにそういう奴らだったからこそ選んだという兵長。何だかお悩み相談っぽく見えるのですが、これは慰めているということでオーケーでしょうか? リヴァエレ的にはそうしたいと思います。
 ハンジさん曰く何か目的がないと巨人化出来ない、ということですが、この場合は先に自傷行為をしていた+その後で目的が出来たの合わせ技なんでしょうか。何かしらの用途があっての道具としての巨人化だというと、何のために巨人化能力が必要なのか……外にいる人を食べるだけの巨人も何かの目的のために存在するのか。ハンジさんではなくとも疑問です。
 その後の、リヴァイ班全員で手を噛むシーン……痛そうですが、班員たちがエレンを仲間として受け入れるために必要だったことかと。この出来事がなかったらエレンもリヴァイ班も信頼関係が成り立っていなかったかも。
 仲間を信じるか、一人でも戦うか――悩んで仲間を信じる道を選んだエレン。この辺の葛藤は痛いな、と思います。一人が辛いのも化け物扱いされるのが嫌なのも、人としたら当然だと思います。楽な方に逃げたと苦悩するエレンはやっぱり人間なんだと思います。
 その後の女型への総攻撃で捕獲完了。こんな大量の武器をいつの間に調達していたのか。エレン達と別れて団長と合流する兵長。その会話の内容から元々、女型の巨人を誘導、捕獲するのが目的だったと判ります。果たして女型の正体は誰なのか――中身を確認することが出来るのか(いや、これ書いている時点では知ってますが)、ドキドキしつつ7巻へと手を伸ばしたのでした。




2014.12.2up




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