第5巻感想




 はい、進撃の巨人第5巻感想です。例によってネタバレには考慮してませんのでご注意ください。表紙ですが、これは壁外調査に出た直後ぐらいの様子なんでしょうか。兵長のアップに注目です(笑)。毎度思うのですが、兵長の瞳の色って何色なんでしょうか? 結城はエレンの瞳はきっぱり金色設定にしているのですが、原作兵長の瞳の色の判別がしづらいので、実は今のところ一度も兵長の瞳の色を書いていなかったりします。灰色、もしくは青みがかった灰色っぽく見えるのですが、表現するなら灰色よりも灰青色――ブルーグレイの方が字面と響きが綺麗だと思います。比喩表現が多いのは青なので真っ青設定にしてしまった方が書き手としては楽なんですけどね……って、感想からまた離れてますね(汗)。
 4巻の続きからと思っていたら、最初は特別編でした。エレン達とは接点が全くない壁外調査中に死亡した兵士の話で、結構重要なエピソードだと思うので本編に入れてもいいような気がしますが……内容的に入れるところがなかったのかと推察。「ユミル」に間違われた「イルゼ」ですが、どこかで二人は姉妹説が出てたと聞いたんですが、単純に容姿が似てるから間違われたんではないかと結城は思いました。ソニー似の巨人(一瞬、同じ巨人かと思いました)がしゃべったのには驚きでしたが、エレンのように知性のある巨人には見えなかったので通常の巨人ってことですよね。言葉を発しないのが巨人の特徴なのでこの巨人にだけ特別な能力があるってことなんでしょうか、うーん。「ユミルの民」として跪いたということは「ユミル」に従う巨人が外にはいるってことなのか……これも謎です。後の巻でこの「ユミル」で驚きましたが、このときはまだ判らず。ラストで調査中に発見した死者の遺品って回収出来たらすることが判明しましたが、遺族に遺品を渡す役は辛いだろうな……。


 特別編の後はエレンのターンです。まだ牢屋に鎖で拘束続行中です。この辺で色々な妄想があるのは同人ではお約束ですが(笑)、何気にエレンは拘束率高いような気が。ハンジさんとミケさん登場ですが、初登場時から結城は普通にハンジさんは女の人だと思ってましたので、性別不明で悩んでいたり男性として描いている人がいて驚きました←私的にハンジさんより後の巻で出てきたナナバさんの方が悩みました(汗)。初対面でエレンの匂いを嗅ぐミケさんに「エレンってどんな匂い!?」と訊きたくなった結城です。いや、牢屋に入れられてたんだから汗臭い可能性が高いですが、私も嗅いでみた……げふげふ。
 審議所で魔女裁判ならぬ巨人裁判にかけられるエレンですが、中世っぽい世界での裁判シーン見るとどうしても昔好きだった某ク○ノ・トリガーというゲームを思い出します。ゲームでは裁判で無罪判決が出ても無理矢理有罪にされてしまうのですが(苦笑)。
 審議所の問答からすると王政府+憲兵団=壁外不干渉現状維持、エレン処分推進で、商会は調査兵団に融資していたはずですが、保守派もいるので自分のところの利益優先、日和見タイプってとこでしょうか。そして、何やら不気味な宗教団体のウォール教ですが、こちらもエレン抹殺推奨なので王政よりなのかと推察、エレンの味方は調査兵団しかないようです。エレンに不利な証言されて舌打ちするミカサがらしいです。昔の強盗刺殺事件は確かに過剰防衛ととられても仕方ないですが、この辺、現代社会意識を持ち出してこられても……といった感じです。私的にやっぱり犯罪者=有害な獣=だから殺しても構わない論法はどうかと思うのですが、進撃世界では殺人もやむなしといった感覚が主流なのかと思ってたので、現代の常識持ってこられたことが意外でした。いや、エレンを処分するために使えると思ったからだと思いますが。
 そして、とうとうキレたエレンに対しての兵長のザ・躾です。「これは持論だが躾に一番効くのは痛みだと思う」は兵長の台詞の中でぱっと思い浮かぶ台詞の一つですが、殴るのではなく蹴ったのはやはり潔癖症設定のため? 後は殴ると拳を痛める可能性があるからか。このエピソードが鬼畜兵長やドエス設定の兵長が同人でよくある原因だと思うのですが、鬼畜とドエスは結城の中で似て非なるものです。以前、ゴジゴジチェッカーYさんとBLにおける「鬼畜攻め」と「S攻め」の違いについて話したことがあったんですが(お前ら普段何話してるんだよ、と思った方、気にしてはいけません)、鬼畜攻め→調教、屈服させるのが目的。痛めつけるのが目的ではなく、従順にさせるための手段。S攻め→自分の楽しみのためにいじめる。調教ではなく(自分の奴隷を作る目的でやることもあるかもですが)人を痛めつけるのが好き。…というような結論になりました。最近のは鬼畜でドエスだったり、俺様で鬼畜でドエスとか混ざっているのもありますが。他の漫画で例えると某銀色侍の神威は鬼畜、サディスティック星の王子こと沖田氏はドエス、に分類されると思います。
 で、その分類からいうと兵長はSではなく鬼畜なんですが(あくまでも調教目的で痛めつけるのは手段)、別に鬼畜だとは思わないんですよね。あれはあくまでもパフォーマンスであって、これ以降、エレンは叱責されても兵長に暴力を振るわれてはいない訳ですし。あえていうならクール攻めになるのでしょうか…。いえ、私の書く兵長はクール攻めではないですけど(笑)。
 その後、兵長に隣に座られてびくついてるエレンが可愛いです。蹴られているときあんなにすごい目してたのが嘘のようです。ハンジさんと会話しても終始ビクビクと兵長を気にするエレン……そんなに怖かったのか(笑)。蹴られて折れた歯が生えてきたのでエレンの身体は再生能力があることがここでも実証。殴られた顔は戻ってないので再生能力は自分の思い通りには出来ないってことですかね? 再生能力があっても痛いことは変わりないので、余り無茶はして欲しくないのですが、エレンは無理でしょうね……。


 次からはリヴァイ班登場。フードかぶってるエレンは何気に可愛いです(笑)。オルオの舌噛みシーンは地味に痛そうで怖いです、はい。そして、ペトラさんは何故にオルオにはこんなに辛辣なのか……。一番最初の任務が掃除とか兵長の三角巾とか兵長は昔は地下街のゴロツキで団長が引き抜いてきたとか掃除のやり直しとか気になるところが数ページで色々展開されます。エレンが巨人化する切っ掛け=自傷行為ですが、本人が無自覚でやってたところを見るとグリシャの言っていた「彼らの記憶」に関係しているのでしょうかね?
 ハンジさんの実験の話に付き合ったエレンの憔悴っぷりに、もしも、聞けるとしたら巨人の話は聞いてみたいけどハンジさんからは避けたいと思った結城です。巨人に必要なのは日光でやっぱり光合成みたいだなーと思いました。その後、被験体の巨人が殺されるわけですが、何で殺したのか謎です。現場でエレンににじり寄って両肩抱いて質問する団長ですが、肩抱く必要性なくね?と突っ込みたくなりました(笑)。エルエレフラグとか?←いえ、冗談ですけど。この質問の意図が結城には判らなかったので余計にあやしく見えたのでした。


 アニとアルミンの会話で、アニはやっぱりクーデレだと思いました。犯人を探すための検査ですが、立体起動装置って車の走行距離みたく使用頻度って調べたら判るものなんですかね? ガスの残量で判断するのかと思っていたんですが……設定見てもよく判らない結城は理系全く駄目だったりします。このときのアルミンの視線の先が意味深で後に判明するまで気になってました。
 団長の演説でアルミンではないですが、地下室のことまで話したのが意外でした。これも今にして思えば……ですが。恐怖を知りつつも調査兵団入りを決意した総勢21名の新兵ですが、当たり前ですが、エレン達とは全然絡みのない人もいるんですよね。この中で何人が生き残り死んでいくのかを考えると現実は過酷だなーと思います。


 そして、始まった壁外調査。エレンの心の揺れがこの辺から垣間見えるかなーという気がします。今までのエレンって自分が人間で人類の敵である巨人を駆逐することだけを考えていたんだと思うんですが、自分が巨人化したことでその辺が不安定になってきたのかなーと。訓練兵のときって、同じ志を持つ仲間を大事にしていたとは思いますが、何というか「一人だってやってやる」みたいな気持ちじゃなかったかと。巨人化して孤立したことと、リヴァイ班の面々に会ったことが大きいのかと推察。
 その後の同期達との再会のシーンでミカサのリヴァイ抹殺計画(違う)が発覚。ミカサは本当にブレがないなーと思います。ジャンが調査兵団で命を懸ける見返りを求めるのは当然だと思います。自分達が何のために命を懸けるのか知らなくてはいざというときに迷うでしょうから。でも、その見返りをエレンに求めるのは酷かなーという気がします。調査兵団がエレンを希望として掲げて、エレンも自分で調査兵団入りを決めたのだから(例えそれしか選択肢がなかったのだとしても)、期待に応える義務が生じる訳ですが、15歳の少年に人類の存亡の総てを乗せるのはどうかなーと。エレンは自分で巨人を駆逐する道を選んだわけですが、過酷なことばかりで不憫です……。
 そして、女型の巨人の登場ですが、この手があったか、と思いました。いえ、前に巨人は男が殆どで生殖器がない、という設定を読んで、勿論、何か理由があっての設定なんでしょうが、少年誌的に裸の女性が大勢出てくるのはまずいという判断もあったのかな、とかひっそり思っていたんです。海外だと裸には下着着せられたりしますし。が、超大型巨人のように筋肉むき出しな感じで描けば問題なし!ということに気付きました。いや、あまりリアルに筋肉むき出しな感じだとグロ系で引っかかるかもしれませんが。
 あっさりと班長達を殺した女型の巨人はエレンのように中身は人間の知性のある巨人だと判明。どうなるアルミン、いや、アルミンはメインだし大丈夫だろうと思いつつ(いえ、これ書いてる時点でもう知ってますが)、6巻へと手を伸ばしたのでした。




2014.11.27up



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