第4巻感想




 はい、進撃の巨人第4巻感想です。表紙は104期メンバーですが、アルミン仲間外れ(笑)。いや、他にも描かれていないキャラが勿論いますが、これってマルコもいるし、訓練兵時代のワンシーンなんでしょうか。この巻の表紙だとエレンの瞳って金色に見えます。漫画家さんはきっちりとキャラの配色を決められていてその色以外では描かない方と、その絵の雰囲気とかでいろんな色に塗られる方がいらっしゃいますが、二次創作活動する場合後者だと苦労しますよね。小説やゲームなら容姿描写がはっきりしてるので、やりやすいのですが。前に某ジャンプ系の二次創作をやっていたとき、原作で「茶に近い」と断言されているキャラの瞳がアニメでは青なんてことがありましたが…いえ、その発言前にアニメが始まったから仕方ないんですけど。結城は原作がある場合はなるべく原作に合わせるのでエレンの瞳は金で統一してます。後に原作でそれに触れる言葉があったら変えるかもしれませんが。いや、単純に緑より金で瞳を表現する方が好きだからですが(笑)。
 と、感想から逸れましたが、アルミンがエレンの意識を目覚めさせようとしているシーン。ここで、エレンが外の話をしなくなったのはアルミンを調査兵団に入れたくなかったから、というのがあって、やっぱりエレンにとってアルミンは大切なんだなというのがよく判ります。昔読んだ漫画風に言うとアルミンはエレンの世界を変えた人なんだと思います。原初的欲求、というタイトル通りに自分がこの世に生まれたからだ、というエレンの言葉が胸を衝き、その後の台詞全くなしのモノローグだけで見せる演出がすごいなーと思います。この世界がどれだけ残酷でも戦え、というのは進撃のテーマだと思うのですが、自由を得るために自分の命を落としてでも戦うというのは中々出来ることではないですよね。一連の流れからのいけえ、エレンと叫ぶアルミンと岩で穴を塞ぐエレン、リコ班長の呟き。作品の見せ方の凄さを感じさせるシーンだと思います。
 そして、その後の見開き使っての兵長の登場です!巨人2体をあっさりと倒し、自由の翼を見せてからの振り向き登場は本当にカッコいいです。というか、兵長の強さはやっぱり反則的だと思います。この頃の絵柄だと兵長は少し幼く見えますが、兵長の見せ場ではやはりここが真っ先に思い浮かんでしまう印象的なシーンでした。


 次は話は一気に過去に飛んで訓練兵になる前のところから。日記でも書いたことがあるんですが、訓練兵に志願できる年って十二歳で、やはり春から入団なんでしょうか。志願出来る年っていう会話は冬なんですが、入団のときの様子や服装からいって真冬には見えないので、四月から入団、三年後の三月に卒業、という中学校方式なのかな〜と推察。進撃世界の四季がどうなっているのか判りませんが、訓練兵になっていきなりの訓練が冬場だときつそうなので、それも考慮するとやはり春なのかな、と思います。後、ここでアルミンの言葉で疑問が。アニメだとアルミンの両親は壁外のことを調べていて亡くなった、というような感じでしたが「ここで口減らしのために父さんと母さんを殺した」とあるので、シガンシナ区が壊滅した後のウォール・マリア奪還作戦の犠牲者という設定なんですよね。アルミンが持っていた壁の外について書かれていた本も祖父が持っていた、という設定だったから、原作はアニメと違って壁の外に興味を持っていたのは祖父だけ、ということなんでしょうかね。
 更にまたアルミン疑問ですが(笑)、ここでアルミンが通過儀礼を受けたことが不思議でした。シガンシナ区にいたのに、何故?と思ったんですが、アルミンはすぐ逃げたので巨人を間近で見ていない、身内を巨人の襲撃で失わなかった、ということなんでしょうか←その後ライ・ベルに巨人の脅威を目の当たりにしたわけじゃないと言ってるので、確定なんでしょうが。
 そして、ここで一番の衝撃というかインパクトがありすぎて忘れられないのがサシャの芋食いシーンです。これの印象が強すぎて、この後サシャが何をしても芋女という言葉が頭から離れられなくなってしまいました。サシャはそれ程食べ物に苦労していたとは思えないのですが(まあ、食糧難だから余りいいものは食べられなかったとは推察出来ますが)あの凄まじいまでの食べ物に対する執着というか執念はどこからきているのでしょうか。語られていない幼児体験でもあるのかしら……。
 この後、初のジャンとエレンの言い合いがあるのですが、最初はそんなに険悪でもなかったんですよね、と思ったら原因はミカサですか(笑)。この辺の髪切ればのやり取りで大昔に読んだ某ドラゴン○ールで悟飯が戦闘に邪魔だから髪切れば?と軽く言っていたシーンを思い出しました。エレンって女心とか全く判らないというか、考えもしないタイプだと思いました。まあ、相手はミカサなのでそちらも全く気にしていないと思われますが。このジャンがミカサに憧れている〜な振りは訓練兵時代には描かれているんですが、卒業してからはそういう片鱗が出てこないのですが、現在はどうなんでしょうかね? 単純に巨人の襲撃でそれどころじゃないだけかもしれませんが。


 4巻は過去の訓練兵時代の話なので、それまで判らなかったキャラの関係というか性格が垣間見えて息抜きと言うか、息をつける巻だと思います。もうここから女神扱いのクリスタとか、サシャの放屁の濡れ衣とか、面倒見の良い兄貴分のライナーとか。今にして思えばライナーの絶対に故郷に帰るという台詞と自分には意志がないというベルトルトとかこの辺の色々は後の伏線だったんだろうなーと。このときにエレンの話をどんな気持ちで聞いていたのか考えると複雑な気になります。104期組は何だかんだ仲がいいと思うので、それが出れば出るほど後の展開が痛いです。
 ここでようやっと修業っぽいところが出てきましたが、アニはツンデレではなくクーデレな気がします(笑)。ちらりと格闘術について父親に習ったという台詞が出てきますが、エレン以外の104期の家族構成って全然出てきませんよね。というか、104期以外のキャラの経歴も全然出てきませんが。後に出てくるキャラもいますが、やはり余分なエピソードは入れられないってことなんでしょうね。ジャンとの喧嘩で服が破けちゃうだろうとうらやましいの会話が可愛くて好きです。服の方が大事なんだね、エレン(笑)。この辺で一応成長していることが判るエレンですが、アニのデレはさらっとスルーしてたので、その辺はこの先も成長しないんだろうな、と思います。勝手なイメージですが「つき合ってください」と告白されて「どこへ?」と回答する王道天然ボケをエレンは素でやりそうな気がします。


 ライナーの申し出を断って根性を見せるアルミンが好きです。教官はよく個々の性格や能力を見てるなーと評価で思いますが。いや、その辺を冷静に観察出来るからこその教官なんでしょうけど。実技試験後のほのぼのとした会話に、マルコは人がいいなーと思っていたんですが、一転してまさか死亡しているとは思いませんでした。ジャンじゃなくても驚愕です。三巻でアルミンといたのが出てきた最後だと思うのですが、前線の班じゃなさそうだったのにいったい何があったのか。
 この辺の山奥組の反応も今にして思えば…ですが。ジャンの心の葛藤が伝わってきて胸が痛くなります。おそらく、ジャンとってマルコは一番気を許せる相手と言うか、信頼出来る友人だったんだろうな。その後のマルコとの会話を思い出し、今何をするべきかを自分に問いかけ、決意したジャンが調査兵団に入ると宣言するところも好きなシーンの一つです。
 そう言えば、エレンはよくお前みたいに強くなれないとか言われてますが、結城にはエレンが強い人には思えないんですよね。エレンは強い人間ではなくて、常に強くあろうとする、強くなろうと目指している人なんだと思います。強いから戦うのではなく、強くなるために戦っているから、それをしない人と衝突するのではないかと。勝手な結城の印象なのですが。


 そして、最後の数ページで衝撃が。地下室、というか地下牢にベッドで鎖で繋がれて出入り口が鉄格子って……何か、某BLゲームを思い出してしまい、めっさ反省した結城です(爆)。ここで団長と兵長の登場ですが、団長の推論の「超大型巨人や鎧の巨人も君と同じ原理だろう」に驚いた結城です。ええ、実はそっちの方はまるっきり考えてませんでした。地下室の鍵で巨人の謎というか、エレンが巨人化した原理が判ったら巨人を量産してみんなで巨人になって戦うのかとちょっと思ってました。巨人戦隊みたいな(笑)。後にこれ嘘予告で描かれてましたが、まあ、よく考えたら…って、考えなくてもそんなに危険な橋渡らないですよね。エレンの証言から、地下室の謎を手に入れることが目標になったわけですが、ここでまたエレンの狂気が垣間見えます。そこでの兵長の悪くない発言ですが、これはエレンを気に入ったということなんでしょうか。カプ的にはその方がおいしいと思うのですが。リヴァイの預かりになってしまったエレンの身を案じつつ――いや、読んでるのでこれ書いてる時点では知ってますが――5巻へ手を伸ばしたのでした。



2013.10.2up



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