第3巻感想




 はい、進撃第3巻感想です。表紙は最初はその巻での印象的な場面を描くだったのかなーと思った一枚。昔、読んでいた、巻ごとにキャラを一人だけ表紙に描いていた漫画で、コミックスの表紙を誰にするかの基準はその巻で活躍しているキャラ(か、初登場も含んでいた気が…←うろ覚え)と書かれていた作家さんがいたんですが、進撃は編集さん指定かもしれないですよね。…と、またどうでもいい表紙話から始めましたが、感想をつらつらと書いていきます。ネタバレには全く考慮してませんので、そういうのが苦手な方はご注意くださいませ〜。

 先ずは兵長初登場の特別編から。エレンはずっと兵長に憧れてました〜設定だとカプ的にはおいしいですが(笑)、このとき見てたエレン達のことなんて兵長は認識してないんでしょうね。そして、ここから始まるリヴァイの潔癖症設定ですが、私、そんなに兵長が潔癖症な感じは受けないんですよね。結城の勝手なイメージの潔癖症の人って1・手袋着用。2・常に消毒用クリーナーを所持(進撃世界にはないでしょうが)。3・ハンカチは何枚も持ち歩く。4・ドアノブや人が触ったものには絶対に直には触らない……でしょうか。返り血を拭くのも普通の人でもやることだろうし、潔癖症まではいかないが、かなりの綺麗好きな感じでしょうか。それにしても、兵長は反則的に強いですね。そして、冷たそうに見えて部下思いだから慕われるのは判ります。いや、でも、自分が部下にはなりたくないですが(笑)。調査兵団の主力が出た後にトロスト区が襲われたのってこのときは気付きませんでしたが、狙ってたってことなんでしょうね…。

 次はエレンのターン。胃の中に入ってもまだ息があるってことは巨人の胃酸はそんなにすぐ溶かす程は強くないということなんでしょうか。エレンや中でうわ言を言ってた人って丸のみだったから、まだ息があったってことなんだと思いますが、即死じゃない分恐怖が長引くだけだと。兵士の言葉に助けって基本お母さんに求めるんだなーと改めて思ったり。ここでエレン初の巨人化の回想ですが、そのときの意識はない模様です。更にこの初のときってエレンは自傷行為をしてないと思うんですが、生存本能が勝っての巨人化なのか、それとも中でもがいたときに傷がついたのか。
 意識を取り戻したエレンはわけが判らない状態ですが、記憶がないのだから仕方ないのかと。周りの人間の反応は当然と言えば当然だと思います。進撃はこういう人の弱さを描くのが上手いなーと思います。人の弱さや汚さ脆さを描くことによって、それに立ち向かおうとする意識が引き立つのではないかと。ミカサとアルミンだけが命令に逆らってまでもエレンの傍に残ったのは、やはり、親密度の違いでしょうね。三人の絆はやはり強いんだなーと思いました。エレンが自分が人間です、と言ったのは失敗だと思ってましたが、ここで人間だと主張するところが人間らしくて結城は好きです。エレンを抱えて逃げようとするミカサは本当に男前です。これでミカサが男だったら……って、前にも書きました(笑)。
 そして、ここで甦るエレンの記憶。おそらくは一部だけなんでしょうが、記憶障害を起こすという怪しげな注射を打つグリシャはやはり怖いです。エレンの家の地下室にはいったい何が隠されているのか。そもそも、グリシャって謎が多いですよね。ハンネスさん達を助けたときも抗体持って現れたそうですが、その抗体もどこから調達したのか。そして、ここのグリシャの台詞の最大の謎は「彼らの記憶が教えてくれるだろう」ですが、彼らの記憶の『彼ら』とは? エレンの記憶障害と何らかの関係があるんでしょうか。
 そもそも、何故、注射をエレンに打ったか不思議なんですが。地下室の秘密を手に入れるにはシガンシナ区の奪還が必要=そのための力が必要、だからこその注射なのですが、自分の子供を巨人にするくらいなら自分が巨人になって戦うのが親心じゃないかと思うんですけど。なので、グリシャ自身は注射を打っても巨人になれない、巨人化出来る人間は何らかの条件をクリアした人のみ、ということなのか。
 エレンが巨人の謎が判っているならどうして隠していたのか、と言ってますが、そこは謎ですが、エレンに地下室を見せてやろう、と言っていたことからすると、エレンが大きくなって外に興味を持ち始めたら、地下室の秘密をエレンに引き渡すつもりだったと考えられます。あるいは、近い将来、それが必要となると知っていたのか。五年も姿を消したままのグリシャはどうなっているのか……。1巻に母さんが死んでおかしくなったんだ、という台詞がありますが、カルラはこのことについては無関係な気がします。何か知っていたなら、死の間際に何か伝えていたとも思えるので。まあ、そんな時間はなかったとも言えますが。

 砲弾から二人を守るためにエレンが出した巨人が消えるまでの三人の話し合いのくだり一連が結城はめっさ、好きです。エレンにどこまでもついて行こうとするミカサと二人のために一人で行動をする、というエレン。過去を振り返り、自分は何の役にも立てないままだったと、自省するアルミン。そのアルミンに二人が寄せる信頼。エレンにも一応、状況判断が冷静に出来てたんだ〜とか驚きました←酷い。そういえば、以前にミカサがアルミンに助けられたって言っていたの、ハンネスさんを呼んでくれていたことだったんですね。タイミングよく現れたとは思っていましたが、アルミンが頼んだとは思ってませんでした。
 二人の言葉に自分を信じていなかったのは自分だけだったと気付き、アルミンが説得のために演説をするシーン、結城はここが進撃の名シーンの中でも1、2を争うほど好きです。必死に演説を続け、それが受け入れられず、二人を思わず振り返ったアルミンに二人の寄せる静かな信頼――そこでの敬礼。アルミンは本当に成長するキャラだと思います。初登場がいじめられているシーンだったから、ここまでになるとは思いませんでした。いえ、あの頃からいじめに決して屈しない根性はありましたけれど。

 合間に挿入されている群衆劇もすごく人間臭さが出ていると思います。進撃はキャラの死亡率が高い漫画ですが、こういった名もないキャラ達の多くが死んでいってるんですよね。進撃に限らず戦場が舞台の話なら皆そうなんですが、そういったひとりひとりの人生が消えていってるって忘れてはならないことだと思います。
 ハンネスさんの三人に対する信頼や、サシャ達新兵が見た現実に逃げたくなる気持ちは理解出来ます。その彼らに対してここで死んでくれと言えるピクシス司令はすごい人なのだと思います。出てきた瞬間に頭に眼がいきましたが(爆)。前にテレビでスキンヘッドのタレントさんが毎日剃ってるというようなことを言っていた気がしたんですが、やはり剃ってるんでしょうか←でも、見た目の年齢からいって自前っぽい気がするって……ものすごくどうでもいい話ですが。
 ここでも、アルミンの機転というか、発想が凄いと思います。丁度いい大岩が門付近にあったのはちょっと都合のいい展開ですが。しかし、随分博打的な作戦だとは思います。エレンが巨人化出来なかったら、大岩を運べなかったら、どうするのかなーと思っていたんですが、まさか、本当に上手くいかないとは。結城はここで上手くいかなかったときの対応策を更に考えていると思ってたんですが、推し進めるだけなんですね、ピクシス司令……。
 巨人化したエレンには最初と同じに意識がないようですが、ミカサを襲ったのは一番近くにいた対象だったから? 最初のときはただ単に巨人を駆逐するという意識だけで動いていたんだと思いますが、意識を保つには何かないとダメなのか。
 その後のイアン達の言い合いですが、リコ班長は美人だと思いました←論点違う。一般人的な視点から考えたらリコ班長の意見が普通なんだと思います。イアンのように何人死のうとも何を犠牲にしても可能性にかける、というのはピクシス司令よりの考え方なのだと思います。そのおかげでエレンは助かったわけですが、危険な賭けでもあるわけです。
 そして、アルミン登場。ここで、兵士が持ち場勝手に離れて自由に行動してはまずいんじゃないのか、というツッコミはなしでしょうか。思うのですが、意外にエレンより、他のキャラ達の方が規律違反を犯している気がします。エレンは感情が昂り過ぎると目の前のことしか見えなくなりますが、基本規律に忠実な気がします。いや、他のキャラ達はその咄嗟の機転と行動力によって危機を乗り越えているのですが←筆頭アルミン。罰則とか大丈夫なのか心配になります。
 事態を告げるミカサに行動を起こすアルミン。この辺にも男らしくなった、アルミンは本当に成長したと思います。ミカサが去った後、アルミンの呼び掛けに対する、エレンのオレ、今眠いんだ…に、某フラン○ースの犬の有名台詞、僕、もう眠いんだ…を何故か思い出した結城です←シリアス場面台無し。そして、アルミンの呼び掛けはエレンに届くのか、続きが気になりながら4巻に手を伸ばしたのでした。




2013.8.22uo




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