第2巻感想



 はい、進撃の巨人の2巻感想です。例によってネタバレ(先の巻についても出ることもあるかも)ですので、ご注意くださいませ。
 2巻の表紙はミカサが描かれていたので(いや、1巻と同じく巨人メインですが)この先巨人+キャラでシリーズでいくのかと思ったんですが、そうではない模様←いや、10巻まで大人買いしたので。進撃は違いましたが、コミックスの表紙のパターンで、巻ごとに順番に一人ずつ描いていくものがありますが、あれ次が誰が来るのが楽しみという反面、大抵は一番最初に主人公が描かれてしまうので、主人公スキーには哀しいというのが、あります。え、早く描かれて嬉しいんじゃないの?と言われそうですが、作家さんって巻数が進むごとに絵が変わっていきますよね。後半の方がクオリティ高くてどんどん綺麗になっている場合が多いので、主人公スキーにはこのときの絵で描いて欲しかった!となるのです。いや、表紙にならないキャラもいるんだから贅沢な話だとは判っていますけれど。

 と、話が逸れましたが、内容へ。呆然としてしまうアルミンの反応は当然だと思います。これが普通だよなーと。兵士としてはこれを乗り越えなければならないところですが、悲惨な状況に打ちのめされるのは初めて間近で巨人を見たのなら仕方ないのかと。そして、このときの「クリスタ結婚してくれ」は女の子同士のじゃれ合いだと思ってたんですが、後にガチだったんだと思いました。
 その後のミカサのターンですが、商会の人は何であんなに権力持ってるんでしょうか。やはり、物資の流通は全部商会が掌握してるってことなのでしょうか…今なら独占禁止法とかに引っかかりそうだと思ってみたり。「越後屋、そちも悪よのう」「お代官様こそ」的なやり取りしてそうなイメージです。このときのミカサの対応はカッコいいです。本当にミカサが男だったらミカエレにどかんといっていた気が(笑)。
 ミカサの過去回想ですが、手首につけた印って刺青ですかね? 刺青って素人が綺麗に彫れるものなんでしょうか。人体に直接残すってことは記録に残さない=一族外には伝えない、秘匿している、だと思うのですが。何かの伏線なんでしょうか。例えば、この印を持つものにしか入れない場所に何かの秘密が隠されているとか…。
 そして、グリシャとエレンの登場。エレンのたった一人の友達ってアルミンのことですよね。本当にアルミンがいなかったら、エレンって……。ここでミカサの両親の死の経緯とミカサがエレンに執着する理由がはっきりするわけですが、この辺のくだりを見て昔読んだ某ベルセルクを思い出しました――グリフィスとキャスカの出会いのシーン。あれとは若干状況が違いますが、同じ殺人教唆ですし。
 で、その後のエレンの「有害な獣を駆除しただけ」発言に驚きました。いや、確かにあの状況ではエレンが助けなければ、ミカサは遠くへ連れ去られて売られていただろうし、殺す気でかからなければエレン一人では大人の力に対抗出来ずに捕まっていただけで、あれしか方法はなかったとは思いますが。グリシャも軽々しく行動したことは咎めましたが、殺人自体は咎めませんでしたし、身を守るためなら、相手を殺しても仕方ない、というのが容認されている世界ということでしょうか。
 進撃の世界観として、「世界は残酷だけど、美しい」「弱肉強食の世界――だからこそ戦う」があると思うのですが、それと犯罪者=有害な害獣→だから、別に殺したって構わない、という意識は違うと思うんですよね。何か某デスノの月を思い出して、「悪い巨人を駆逐して、善い人間だけの世界を作る!」とか言い出しそうな気がしました…←いや、ないですが。まあ、あの台詞には子供が親に悪いことをしてしまった言いわけで深い意味はなく、犯罪者たちも理不尽な力の象徴への抵抗=巨人に立ち向かうこととして描かれたのかもしれませんが。
 その後のマフラー巻きと家に帰ろうシーンが好きです。ミカサがいつも巻いてるマフラーはこれか、と納得がいきましたが、季節問わずにつけていて夏場は暑くないんでしょうか。夏場は蒸れる気がするんですけど。いや、そもそも進撃世界の夏がどうなのか判りませんが。

 ミカサと皆が合流。巨人が人に群がる習性ですが、建物の中にいる人間の把握ってどうしてるんでしょう? 視認だけにしてはよく見つけていると思うんですが。カルラの場合もわざわざ倒壊した建物から出してたから建物の中には人がいるって、認識があるんだと思いますが。人の気配には敏感なんでしょうか。
 エレンの死を告げられたときのミカサが冷静で驚きましたが、その後、やっぱり冷静じゃなかったと判明。エレンの言葉を思い出し、生きる決意をするミカサの姿はカッコいいですが、エレンに対する執着の強さが心配です。突如現れた巨人に助けられ、アルミンと合流するシーンでアルミンが刃を残してくれって言いますが、私、初めて見たときからこの刃がオ○ファカッターに見えて仕方ありません(爆)。以前、オフ活動をしていたときにトーンは○ルファカッターで処理してたので、見慣れていたせいもあるのかと思いますが←アナログ派でした。
 と、また話が逸れましたが、ミカサが男前なのは通常運転ですが(笑)、コニ―が意外に男前だと判りました。やっぱりアルミンは咄嗟の判断能力というか機転が利くところがすごいと思います。そして、104期の中ではジャンが一番人間臭いというか、怒りや苦悩、そういうのを普通の人間視点で出してくれるな、と思います。この辺の104期の仲間達で作戦を練って戦うくだりも好きです。超人的な力を持たない(いや、ミカサは別格ですが)ごく普通の力しか持たない新兵達の力を合わせて切り抜ける、ということに意義があると思うので。

 その後、巨人を襲う巨人に対してのジャンの感想がやはり、一般人の意見なんだと思います。そして、このときは流してましたが、この辺の会話も後の伏線に繋がってるんですよねー。後になってここは、と思う伏線が多いのが進撃のすごいとこだと思います。
 ラスト、巨人の中から出てきたエレン、見開き2ページ使っての登場です。このときの意識を失っているエレンの顔がすごい綺麗なんですが、これはエレンの周りの巨人の身体が蒸発したからでしょうか?←あ、汚れていないって意味ではなくて綺麗な顔してるなーとも思いました。その後の出てきかたって何かぬめっと(?)としているイメージがあるんですけど。出てきたエレンを抱きしめて泣くミカサより、失くした腕を確かめるように握ったアルミンの手が恋人つなぎだったことに眼がいった結城です。いや、深い意味はないのだとは判ってますが(笑)。そして、どうなるエレン、と思いつつ3巻へ手を伸ばしたのでした。




2013.8.20up


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