第1巻感想



 はい、進撃の巨人の第1巻感想です。結城が進撃の巨人の存在を知ったのは、結構多くの方がいらっしゃると思われますがアニメからです。しかも、特に観る予定ではなく、その前の時間帯に放送されていたアニメが(新番組になってましたが、他局の再放送)好きだったので、それを観るついでに初回だけでも観てみようかなぁという軽い気持ちから見始めましたら、何コレすごい面白い!となりまして、アニメを三回目くらいまで観た時点で続きが気になって我慢出来ず、当時発売されていた10巻までを大人買いしました。で、本屋で表紙を見てああ、これは引っかからなかったな〜と思いました。表紙だけだとまず内容の想像がつきません。正直に言うと結城は少年漫画は内容で選ぶので話が面白ければ絵柄は余り気にしませんが(以前、同人やっていたH×Hも銀魂も絵柄ではなく話に惹かれました)、諫山先生の絵柄は好みがすごく分かれるだろうなーとひっそり思いました。
 が、内容も好みが分かれるようです。面白いので見てみて〜と進めた友人に「グロすぎてキツイ。無理」と言われてしまいました…orzグロいけど面白いのに!面白いのに!←大事なので二度言いました(笑)。結城はグロ系平気でスプラッター映画とかも平気で観られますが、ドキュメンタリー番組の手術シーンで悲鳴を上げる人間です←血ダメ。それで、友人に不思議がられるんですが、想像できるリアルな痛みがダメなんです。巨人に食われるとか、化け物に襲われるとか、現実にはあり得ないので平気だという。……って、話がそれましたが、1巻の感想をつらつらと書いていきます。一気に全部読んでからの感想なので、先のことに触れる可能性もあります。ネタバレ要素満載なので、そういうのが嫌な人はご注意くださいませ〜。


 まずは表紙のインパクト絶大の超大型巨人にすごいと思いつつページをめくり、冒頭の人類の力を思い知れの台詞が印象的なシーン。これ、ガイドブックにありましたが、エルヴィン団長なんでしょうかね。だとすると、いったいいつからトップになったのか。……五年で調査兵団のトップにまで上り詰めたんでしょうか、その辺の経緯も気になるところです。
 エレン登場、泣いているエレンが可愛いです。で、この関連のエピソードで進撃はループ世界なんじゃないかという話題が上がっていると他の方の感想で知りましたが、結城はそうとは全く思い付きませんでした。いえ、アニメですでに注射シーンを見ていたので、このときはもうグリシャに何かされていて、それでその影響が出てたのかと。ループじゃなくて未来予知とかで未来の自分の姿を見てきたのかなーとか勝手に思ってました(笑)。
 その後にハンネスさんに会って、世界の実情に触れますが、すみません、ハンネスさんのことを、結城は1巻のみに出てくるモブキャラだと思ってました(爆)。その後、何だかんだ出てくるサブキャラになるというか、駐屯部隊長にまでなるとか思ってませんでしたよ……。まあ、1巻はキャラや世界観の紹介的な意味合いが強いのでその後のことなんて想像出来ないのが普通だと思うんですが。
 調査兵団の厳しい現実を出したのはその後のエレンが調査兵団に入った後の布石なのかな、と考えつつ、両親登場にエレンは母親似だなーと思いました。エレンは大きな瞳が印象的な顔立ちだと思うのですが、下手するとミカサより眼が大きくね?と思いました。そして、某銀魂で新八と神楽の顔の描き方は基本同じ、と作者様が書かれていたのを思い出しました(笑)。諫山先生の絵柄もわりと性差がないタイプなので、他の女子よりエレンの方が顔可愛いよなーと思うこともしばしば(笑)。いや、私がエレン好きだからそう思うだけかもしれませんが。カルラの反対や心配は母親なら当然だと思います。グリシャの地下室の鍵の伏線がここにて……そういえば、グリシャは医者のようですが、自身の診療所はないのでしょうか。病院って昔はなくて、患者が医者を呼びに行って診てもらう形だったそうですが、進撃世界の文明レベルってどの程度なのかよく判りません。馬車・馬使用に建物の様式、木造の船……で、勝手に中世ヨーロッパ辺りの文化レベルを想定したんですが←でも、中世ヨーロッパの文化には全く詳しくない結城(汗)。

 異端者は攻撃されるという体現のようなアルミンの登場ですが、ミカサは何故あんなに恐れられているのでしょう。子供って女の子の方が成長早くて小さい時は女子の方が力強かったりしますが、あそこまで恐れられる原因っていったい…。やっぱり近付いたときに「エレンに手を出す人間は然るべき報いを私が……ブツブツ」(ミカサはやばいー!)ってことになったりしたんでしょうか。外の世界に興味を持つことについて禁止されている設定は伏線? アルミンは思慮深いというか、よく頭が回る片鱗はこの頃からか。
 そして、超大型巨人と鎧の巨人の出現。超大型巨人に比べると鎧の巨人はインパクトが薄い気がしました←いや、人類にとってはインパクトの問題ではないですが。ここで、エレンにとって最大で絶対の巨人を憎む理由――母親の死にあうわけですが、多感な年頃に母親をあんな形で失くしたら、どこかに歪みが生じてもおかしくはないかと思います。エレンの狂気はこっから始まったのかなぁ、とか思ったりしたんですが、総ての原点はここからな気がします。外の世界に――本当の自由に憧れるエレンならカルラの死がなくても調査兵団に入っていたかもしれませんが、巨人に対する憎しみが大きな原動力となっていると思うので。カルラの行かないでや、ハンネスの謝罪、エレンの決意の言葉と一連の流れに怒涛のように引き込まれる展開でした。

 そして、いきなり、五年後展開。アニメではここは時系列にいっていたので驚きました。時系列の方が判り易いと思うのですが、先に巨人とのバトル展開を出しておいて読者を増やしてから隙間を埋めて説明――という戦略だったのかと推察(笑)。そういえば、進撃では余り修業シーンとか出てきませんね。バトルものだと、修業はつきものだと思うんですが……まあ、エレンの設定が設定だし、必殺技とか進撃の世界観には合わないので当たり前かもしれませんが。
 壁の説明図見て神様が作った箱庭世界みたいだなーと思ったんですが……誰かが何らかの意図で作った限定された世界、そんな印象を受けました。そして、エレンが5番目に優秀なのが意外でした。ミカサが1番なのはもうミカサだしな、で片付いてしまう気がするのですが。後、意外に女性兵士が多いんですよね。勿論、体力的な問題からいって男性兵士の方が多いとは思うんですが、勝手な結城のイメージとして平和なときと違って非常時って女性は結婚して人口増やすことを優先させるような気がしたんですよね。いや、逆に食糧難だから、人口増やさないようにしているのかもですが。
 そして、一気に登場人物増えて覚えるのが大変でした(笑)。しかもこの時点でどんなキャラか説明ありませんし。ジャンの登場とエレンの対決は少年の漫画のお約束と言うか、主人公が夢を語って対極の意見を持つ相手がそれを否定する――主人公の意見を伝えるには判り易い手法ですが、この時点ではやはり、その後あんなにジャンが成長するとは思ってませんでした←ハンネスさん同様。何より、驚いたのはミカサがエレンを持ち上げたことですが(笑)。
 エレンの意志と言うか目標は一貫してブレがないですが、ミカサは更にブレがない気がします。エレンに対する執着はもうこの頃から描かれてましたが、家族だという関係もイマイチどういうものか判らなかったので不思議でした――登場時は妹かと思ってたんですが、何か違うなーと思いまして。もう家族を失いたくない、という言葉の通りにエレンの両親を亡くしたこと(グリシャは行方不明ですが)がエレンへの執着に拍車をかけたのは確かだと思いますが。アルミンの調査兵団希望に、エレンと一緒にやめとけ、と言いたくなった結城です。この時点ではアルミンがあんなに成長するとは以下同文(笑)。
 そして、グリシャの注射はやはり怖いです……。エレン、トラウマになってそうな…。

 忘れた頃にやって来た超大型巨人との遭遇ですが、このときのエレンの対応がすごく格好いいです。巨人との対決シーンは立体起動のアクションがカッコよく描かれていて画面映えするなと思います。これからの希望に夢を膨らませておいて、圧倒的な力を見せつけて落とすという構図がこれからの死闘を感じさせるシーンでした。
 超大型巨人には知性がある――というのがこの時点では不思議でした。その後の巨人の生態の謎についての講習風景が入ってましたが、食事の必要もなく生殖器も見当たらず、どうやってその個体数を維持しているのか。光合成とか、細胞分裂とかそんなことを考えました。
 仲間が食われたことに対して冷静じゃなくなるエレンですが、この辺の熱さは少年漫画の主人公っぽい気がします。アルミンとの外の世界への憧れを話す想い出は好きなシーンですが、エレンにはアルミンがいてくれて良かったと思います。アルミンがいなければ、エレンはもっとダークだった気がするので。
 アルミンの身代わりになって食われるエレンに、まさかの主人公死亡で、次巻からは主人公交代……とは思いませんでした。だって、10巻まで続いてたし、その後の表紙に出てたし(笑)。なので、生きてはいるんでしょうが、いつそれが判るのか。早く出てくるといいなと思いつつ、2巻に手を伸ばしたのでした。




2013.8.18up



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