臨海合宿感想

 はい、B-pinkさんの作品、臨海合宿です。これは非常に購入を迷っていた作品でした。きっかけというか、この作品を知ったのは雑誌の紹介記事だったのですが、作画が余り好みではなかったのと、全カプ全リバという主人公受け至上主義の結城にはキツイ設定だったもので。でも、ストーリーはすごく面白そうだったので、迷った末に「主人公攻めのときはエロシーン飛ばしてやれば何とかなるかもー」と購入を決意。で、某ヨド○シカメラで売っているのを見かけたのですが…とてもじゃないけどそこでは買えませんでした、パッケージが恥ずかしすぎて! 大きな箱型に水着姿って…どこのギャルゲーかと思いましたよ、奥さん!←ギャルゲーやったことありませんが。置き場所に困るし、もうちょっとパッケージデザインを考えて欲しかったです。ちなみに購入は某アニ○イトにて←特典CDは霧原でした。
 そして、買った後でVista対応じゃないことに気付きました。普通にインストール出来ませんので、サイトを見に行ったりと始める前にかなり苦労しました…。ゲーム自体は問題なくプレイ出来るので良かったのですが、PC初心者の結城はかなり焦りました、はい。

 そんな紆余曲折(?)を経て、プレイしたのですが、内容はすごく面白かったです。ストーリーは高校生の主人公・真田直登が夏休み直前という最悪のタイミングで転校してくるところから始まります。しかも、直後に夏の臨海合宿があり、クラスに馴染めないまま直登は参加することになる。そして、着いた先で行われた肝試しで自分達の学校の体操着を着た白骨死体を発見してしまい――こうして直登と、クラスメイト達との忘れられない夏の日々が始まったのだった。
 …といった感じで始まるのですが、主人公の直登は親の都合で転校を何度か経験している田舎育ち。単純で口は悪いですが、繊細な部分もあって実は人を気遣えるいい子だったりします。野生児扱いされてますが、とりあえず、2.0ある視力を分けて欲しい…←本気。臨海合宿を通してクラスメイトと交流したり、友情を深めたりして「すごい青春って感じですねー」とYさんと言い合いました。臨海合宿の日程に沿って事件の真相を追っていく話運びが推理小説スキーの結城にはとても楽しめました。しかも、攻略対象によって事件の真相が違うのでそれぞれ異なったストーリーを楽しめるというおいしい展開です。キャラによっての反応の違いを楽しむというのは出来ませんが、真相が違うので飽きさせない作りになっています。事件の真相によってはちょっと現実性が薄いものもありますが、BL自体がファンタジーだと思えば…。攻略対象は5人で、主人公とのカプ・全リバです。タイプが全員違うのでどのキャラか一人くらいはツボがいるかと。
 スチルは可愛らしい感じの絵柄ですが、好みが分かれるかも。それと、若干デッサンが狂っているかなぁと感じるものがあります。Yさんが「この辺、おかしいですよね。この体格ならもっと僧帽筋があっていいはずなのに。バランスが取れてないです」と駄目出ししていて「いや、そんなに詳しく説明されても」と返した結城。Yさんは筋肉には厳しいです(笑)。後、以前拝見したレビューに「乳首がピンクすぎ」と書かれていて吹いたんですが、それをYさんに言ったら「私も実はそう思ってました」と返されました。結城は気にしてなかったので、皆、目の付けどころが違うと思ったり(笑)。
 そして、注意点というか、気になったのが合宿(エロなし)ルート。これはクリアした人なら判るのですが、このゲームって同じライターさんと作画の方がこの作品より前に手掛けた「修業旅行」というゲームとリンクしてるんですよねー。大人の事情か(発売元が違うので)はっきりとは書かれていないのですが、「修業旅行」もやっておくとより楽しめます。勿論、やってなくても問題はないのですが、結城は気になって後に「修業旅行」もプレイしました。内容は同じくらい面白いのですが、スチルはあちらの方が綺麗に感じました←余談。
 機能は一通りそろっていますが、フルヴォイスじゃないのが残念。シーン回想もエロと合宿ENDしか見られないので、やっぱりスチルごとに見られた方がいいと思ってみたり。後、辟易したのが、エンドロールを飛ばせないこと。スタッフロールが流れている間、フルコーラスを聴く羽目に陥ります。ロールの後にエンディングが出るので見るためには聴かなきゃならないのですが、フルコンプするためには5人×2回(リバなので)分聴かなきゃいけないので、好き嫌い別にして嫌になってきます(苦笑)。
 攻略は受け攻めポイント制でどの選択をしたかでどちらか決まるそうですが、結城は攻略サイトさまのお世話になりましたー。では、次からは個別ルート感想です。主人公攻めは飛ばし見なので、書きません(というか書けません)が、いつもの通りネタバレしてますのでご注意。


■加持壱之→トップは直登の再会した幼馴染み、大型わんこな加持です。壱ナオ(加持真とどっちがいいんだろう?)はカプとしては1番好きです。やっぱり、幼馴染み・同級生設定は外せません(笑)。ちっちゃくって泣き虫だった幼馴染みの変貌に戸惑う直登と、昔から一途に直登を追いかけていた壱が事件を通して離れていた距離を縮め、くっつくまでのルートです。アサト並みにしゃべらない壱(でも、エロ時は饒舌・笑)にわんこ攻めに無口は定番なのかと思ってみたり。
 スチルは夜の浜辺で二人してしゃがみ込んでいるのが好きです。そして、気になるのが中途半端に着ている加持のYシャツ…「脱ぐか着るかはっきりしろー」「もうちょっときちっと着ている方がカッコいいですよねー」と話し合う私達。「やはり、これは体格の良さを主張したいのか?」と呟く結城にYさんは僧帽筋に駄目出ししていました(笑)。そして、夏の話なので薄着なのは当然ですが、水着シーンなど露出が多いので「着ている方がいいですよねー」と結論。
 ストーリーとしてはホラー担当です。ホラーものってちょっと嘘くささが出てしまったりするのですが、作中のメラ星伝説などの民間伝承や呪い等、そちら方面へ行くのは自然な流れかと。ナオの偽者さんのスチルはあれでしたが、対決する壱はカッコいいですし。後、シーンというか直登の「壱、来てくれ」という台詞が好きです。お互いに背中を預けられる関係というか、そんな感じがするので。
 壱は直登の昔からの言葉を忠実に守っていて、もう好き好きオーラ全開(でも、無表情・笑)でくるので、ほだされるのは仕方ないかと。直登がいない間、よくやってこれたなーとか思ってしまいます。そして、ここまで慕っているのを見てしまうと、他のルートの加持が不憫になります…←アサトを見ているようだ。
 エロシーンについては、壱の背中フェチが炸裂します(笑)。ナオの背中について熱く語る、普段無口な男・加持壱之。まあ、ずっと直登の背中を追い続けていたからこそなのだと思いますが。そして、Yさんと二人して「外じゃなくて、ちゃんとベッドでやってやれよ!」と突っ込みました。待ての出来ないわんこに対して言った真柴の台詞に二人して同感です。後、このルートは完全に武岡と宇佐見の脇カプが成立しているようです。武岡ルート好きとしてはちょっと複雑な気が…。
 エンディングの数学の話に「ああ、その気持ちはすごくよく判りますー」とYさんが言っていたのですが、数学嫌いな結城には判りません…←数字が並んでるの見るだけで嫌な結城。相変わらず待ての出来ない壱にきっと直登の苦労は続くでしょうが、幸せそうだしいいかと思う加持ルートでした。


■太田昭次郎→お次は空気が読めない天然眼鏡委員長の太田です。加持ルートをやったときに余りのキャラの濃さに「これで、BLカプ成立するのか? というか、エロシーンが全く想像出来ません」「確かに太田は予想つきませんよね!」という興味が抑えきれなかったので2番手にプレイ。うざ可愛いとキャラ紹介に出てるのを見たんですが、どっちかというとうざい方が強い気が…げふげふ。いえ、可愛いのは確かですけど。好奇心と探究心がいっぱいで、「○○だよ、真田くん!」と特徴のあるしゃべり方で色々解説してくれるので非常に便利な人です(笑)。説明台詞って不自然に感じることがありますが、太田はキャラのせいか不自然さがありません。これぞ太田マジック!(笑)
 スチルは合宿ルートの女装姿の可愛さにびっくりです。Yさんと「ギャルゲーのキャラみたいですね」と頷き合ったんですが、眼鏡外すと可愛いという少女漫画の王道設定を地でいってます。後、太田のみギャグっぽいスチルがあるのはキャラゆえでしょうか…(笑)。人工呼吸のスチルに笑いましたが、ビート板使ってる太田に助けられる直登って…きっと本人には屈辱。
 太田はキャラのせいかコミカルな会話が多いのですが、共通シーンでも会話が面白いです。噛み合わない会話に笑わったり、意外に考えていることに驚いたり。事件の真相については、これが1番現実的でありそうな話なので、納得がいきます。「まあ、ありがちな話っていえば話ですよねー」というYさんに「さらりとキツイこと言ったー! まあ、意外性は全くないですけど」と返した結城。後、他のキャラにも言えることですが、以前からの知り合いならともかく三泊四日の臨海合宿でくっついちゃうのって早すぎな気が…。「これはやはり、吊り橋効果? 一緒に危ない目にあって助け合って愛が芽生えるパターン?」などと分析してみたり(笑)。
 エロシーンはどうなんだと思っていたら、まさかの道具使用…! 太田が攻めるならそれくらい必要かもしれませんが、驚きました。更に言葉責めですか、委員長…。委員長、侮りがたし。エンディングはほのぼのとしていて、ちゅー発言も可愛らしかったです。


■真柴薫→お次は転校早々直登に突っかかってきた同級生、真柴です。ツンデレです。まさにツンデレです(笑)。「ツンデレですね!」「男のツンデレって見たことなかったんですけど、こんな感じなんですね!」とYさんと言い合いました。初回ゲームプレイ時、男のツンデレを見たことのなかったので妙に感心したのでした。何かと直登に突っかかってくるので理由が気になっていたんですが、聞いてみれば拍子抜けというか「直登は関係ないじゃん!」言ってみたくなったり。ちなみにこのルートは修業旅行をやってからの方がより楽しめると思われます。まあ、真柴の態度は容姿のせいで何かと誤解されたり、噂されたりしていることに対する防御も入っていると思うのですが。顔合わせる度に言い合いしていた二人が何だかんだでくっつくまでのルートです。
 スチルは夜、加持と話してるところと人工呼吸のが好きです。合宿ルートの女装姿は似合うだろうと思ってましたが、やっぱりまるっきり違和感がありませんでした(笑)。意外に直登も可愛かったですが。
 霧原との掛け合いが好きですが、霧原が気に入らない理由って直登にちょっかいかけてくるから?などと思ってみたり←実際にそうだと言ってましたが、他のルートでもそうなので、何だかんだ他ルートでも直登のこと気に入ってるのではないかと。事件の真相については、これが1番あり得ない気がします…。何故におばあさん?おばあさんと話させようとした選択も、見知らぬ人よりクラスメイトと仲良くした方が、と突っ込みたくなりました。うーん。エロは鏡プレイにびっくり。というか、やっぱり直登相手だと皆強引にいくのか…。エンディングのスチルが可愛らしくて好きな一枚です。


■武岡晴信→お次は強面の診療所の医師の武岡です。おっさんです。そして、結城が1番好きで萌えたルートです。Yさんにそう言ったところ、「ああ、そうだろうと思いました」とあっさり納得された結城ですが、カプで1番なのは同級生なのにルートは年上にいくのはやはり甘さが高いからでしょうか…。武岡は強面で口が悪くて怖そうに見えますが、実は周りから慕われているいいお医者さんだったりします。最初は武岡のことを警戒して敵視している直登が、武岡を知っていくうちに段々と惹かれていき、くっつくまでのルートです。そして、武岡にはもれなく胡散臭さ満載の男・宇佐見がついてきます(笑)。
 スチル、シーンともに武岡が直登を後ろから抱え込んでいるところが好きです。Yさんに「そうだと思いました。本当に後ろから抱き締めシチュ好きですよねー」とやっぱり予想通りだと言われてしまいましたが、そんなに判り易いのでしょうか、結城…。いや、でも、好きなものは好きですし!頭を撫でているスチルも過保護な感じがして好きだったり(笑)。何気に過保護な武岡ですが、やはり、年の差カプ(年上×年下)は受け甘やかし傾向にある気がします。
 真相としてはこれが1番緊迫感あって面白いですが、設定に無理がある気もします。臓器にどのくらいの値がつくのか判りませんが、下調べなどの手間暇と必要経費を考えると割に合わない犯罪な気が…。宇佐見の職業についてはどのルートでも皆驚いてましたが、予想は簡単につきました。でも、詐欺と叫びたくなる気持ちはよく判ったり。そして、初恋の人設定はずるいと思います(笑)。恩人とかいろいろ好き設定もりだくさんです。
 エロについては武岡ルートの直登が1番可愛いと思います。Yさんにそう言ったところ、「いや、でも、犯罪ですよー」とあっさりきっぱり言われ「それは言わないお約束!」と返した結城。そこは触れてはいけないお約束ですよ、奥さん! エンディングについてはやはりついてくるか、宇佐見!(笑)遠距離恋愛と宇佐見に負けずに頑張れ、と直登に声援を送りたくなるエンドでした。


■霧原裕也→ラストは合宿先の水泳指導員の大学生、霧原です。エロいお兄さんです。全てにおいてエロオーラが漂う人です。何もしなくてもエロいのに何かとスキンシップやセクハラ発言をしてくる霧原は確信犯の匂いがします(笑)。「絶対、判っててやってますよね!」「そりゃ勿論わざとでしょう」とYさんと話したんですが、ずるい大人の霧原ルートもまた好きです←結局、年上ですか、とYさんに突っ込まれました…。真柴に嫌われ、壱に気に食わないと言われ、何気に邪険にされている感がありますが、本人気にしてなさそうです(笑)。壱たちが霧原を気に入らない理由は直登にちょっかいをかけているからだというのは間違いないと思われます。
 スチルは霧原が直登を抱き寄せて頭を撫でてるのが1番好きです。霧原はルックスが1番好みなので、スチルは好きなのが多いです。人工呼吸のも好き…人工呼吸ですが、直登を助けに来るのは霧原が1番自然ではないかと。眼鏡萌えがない私達は霧原が時々かける眼鏡に「眼鏡はない方がいいですよねー」と結論付けたのですが、これは眼鏡好き女子のためなんでしょうか? 「だったら、眼鏡キャラもう一人作れば良かったのにー」という結城に「一人増やしたらその分大変ですよー」と冷静に返したYさん。確かにその通りです、はい。
 真相は動機はよく判るのですが、方法は無理があったんじゃ…。大学関係者に警察関係も巻き込めるなら、何もわざわざ回りくどいことしなくても、もうちょっと違うことが出来たんじゃないかと…それは言わないお約束ですか、はい。ストーリー的には切ない感じのテイストが加わっていて好きなんですけれど。エロシーンは「いただきます」発言に笑いました。Yさんが「絶対言うと思ってました」と言ってましたが、霧原のエロが1番エロいと思います。拒まないで〜発言に直登じゃなくてもずるいと突っ込みたくなりました。でも、ちゃんとベッドの上で直登の身体を気遣ってしたのは評価大です(笑)。
 エンディングにタイトルつけるとしたら、霧原再び!がいいのではないかと。きっと直登は無事に帰れません…というか、帰さないよね、とYさんと話しました。頑張れ、直登!←色々な意味で(笑)。


 以上、個別ルート感想でした。共通のシーンもお約束のお風呂とかコミカルな会話があって、謎解き以外でも楽しめます。後、リバならではの受け攻めの攻防とかもあってすんなり受けるよりも納得がいくかも←結局は流されますが(笑)。作画は好みが分かれるところだと思いますが、ミステリー仕立てのストーリーは面白いので、ぜひ、やってみてください。



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