Lamento感想


 ニトキラの第二作・Lamentoです。こちらも有名タイトルなので、やった事がある、もしくは知っている方は多いかと思われます。購入のきっかけ、というか動機はPCを購入当初(07年夏)、BLゲームでは一番人気のジャンルだったから(笑)。そんなに人気があるソフトなら面白いかなぁ、と単純に考えて購入しました。主人公総受けというのもポイントで(笑)。結城は猫耳とか獣化には萌えがないので、そこには全く惹かれなかったのですが。
 とにかく、ハイクオリティという言葉がぴったりするゲームです。CG・音楽・シナリオのどれをとっても高レベルで、特に音楽に力を入れて作ったというだけあって、音楽はすごく綺麗です。ただ、その分容量が重いようです。攻略サイト様が口を揃えて「重い。マシンに負担がかかりすぎ」というように、結城がやったゲームの中で一番の容量を誇ります。とはいえ、結城は特に不自由を感じなかったのでその辺はよく判らないのですが(汗)、メモリ少ない方には優しくないゲームのようです。初回盤は修正パッチ必須らしいですが、結城はVista対応版の方なので問題なしでした。
 一応、概要を説明しますと――ジャンルとしては異世界ファンタジーになるんでしょうか。自分達を猫と呼ぶリビカという種族(見た目は人間に猫耳と尻尾をつけた感じ)が住む世界が舞台です。二つ杖と呼ばれる神(おそらく人間)の伝説が残り、旧文明の遺跡が僅かに残るファンタジー世界で、謎の『虚ろ』という現象に脅かされてます。自然がリビカ達を拒絶するこの現象のせいで世界は食糧難に陥ってます。更に体の一部が失われていく『失躯』という奇病の流行――。万策尽きた猫達の苦肉の策は、「生贄」を出し、共食いして生き延びる事。そんな村で生きるコノエはある日、黒い痣のような文様が身体に浮かび、耳と尾が黒く染まってしまう。それは古来から不吉の象徴とされる呪いの証だった。不吉の存在として殺されるか、生贄として食われるか――危険を感じたコノエは村を出る決意をする。自分にかかった呪いを解く方法を探しに。
 …と、長くなりましたが、このようなとこから物語は始まり、村を出たコノエがいろんな猫達と出会い、自分の呪いを解くために奔走していきます。話が進んでいくと呪いだけではなく世界の危機に関わっていく事になるのですが。攻略対象はアサト・ライ・バルドの三人です。その他、悪魔とのENDもありますが、こちらはどれもBADなので、くっつくのは三人のみになってます。
 プレイする方への注意点というか、覚悟というか……プレイ時間が異様に長いです。攻略キャラは三人だけですが、一人のルートをスキップなしにクリアするには最低でも12時間以上はかかります。結城は最初にアサトを攻略しましたが、おそらく13時間はかかったと思います。正確に時間を計っていた訳ではないのですが、アサトは他ルートより若干短い気がするので、他はもっとかかるかと。攻略サイト様によると一人平均14時間前後とあったので、単純計算でフルコンプに40時間はかかるという事に……。選択肢から次の選択まで1、2時間かかったりするので、セーブをどこですればいいか悩んだりしました(苦笑)。結城はアサト・ライ・バルドの順で攻略しましたが、この順は話が判り易かったです。もしくはライ・バルド・アサトがいいかと。特にルート制限はないようですが、バルドの前にライを攻略しておいた方が判りやすいです。
 では、つらつらと感想を書いていきますー。いつも通りものっそいネタバレです。


 まずはインストールという事で、ソフトを入れたのですが、シリアルナンバーがあると知り、びっくりです。おまけにディスクレス不可。不正防止なのでしょうが、不便だなぁと思ってみたり。最初にランダムで出てくる尻尾が可愛くて何気に好きです。コノエスキーなので、尻尾がコノエだと勝手に「当たりだー」と呟いてます(笑)。鉤尻尾可愛い…。そして、「世界がお前を――」の台詞が印象的な導入部を見て、オープニングへ。画像の大半が使い回しですが、作りが格好いいのとオープニング曲が好きなので、つい、全部見てしまいます。Lamentoは本当に音楽が綺麗です。
 オープニングのカルツにYさんと二人して悶えました。「カルツ、いいですよね! ルックスでは1番です!」「そりゃ、もろ私達のツボルックスですから!」とテンション高く言い合いました。カルツエンドがないのが惜しいです。アサトとの関係性を考えればないのは頷けるのですが……まぁ、悪魔とはBADでしょうから、ない方が結城としてはいいのかもしれませんが。そのまま進めていくと、コノエ登場です。コノエは分類すると強気受け(?)なのでしょうか。強気で負けず嫌いで芯のしっかりした子です。人(この場合は猫と言うべきか・笑)付き合いが下手で、自分の気持ちを伝えるのが苦手ですが、前向きで挫けない真っ直ぐな気性の持ち主です。鉤尻尾がコンプレックスだったり、猫のくせに方向音痴だったりと可愛いところもあって、主人公スキーの血が騒ぎます(笑)。Yさんと二人で「コノエはいいですよねー」「ええ、芯の強い子はいいですねー」と言い合いました。

 序盤は世界の説明と、コノエの置かれた境遇についてが述べられるのですが、これが長いです。コノエが村を出て藍閃に辿り着くまでもうちょっと短くてもいいんじゃないかなーと思ってみたり。それと、変わっているのがウィンドウ。固定じゃないのでびっくりです。キャラの立ち絵が縦長になったり、真四角になったり、色々変形するのに合わせて、上下左右と形や位置が変化します。はっきり言ってしまいますと、読みにくい、の一言です。Yさんが「うわー、これ、読みにくいですねー。効果としては面白いけど、目で追うのが疲れます」とぼやいてました。「確かに、効果としては面白いですけど、ウィンドウは固定の方が読みやすいですよねー」「ストレスたまりますよ、これー」と私達には不評(苦笑)。演出としては非常に面白いとは思うのですが。耳とかが動いたり、目の虹彩が変わったりと、細かい動きをするのは面白くて好きだったんですけど。
 そして、トキノの登場に二人して「トキノいいですよね!」「いいですよね! お友達っぽくって!」と言い合いました。合言葉は「どうしてトキノは攻略対象じゃないんだー!」(笑)。話の展開上、闘牙じゃない普通の猫のトキノだと無理があるのは判るんですけれど。惜しいよ、トキノ……!
 闘牙と賛牙という設定がやけに好きです。ファンタジー好きなせいもあるのかもしれませんが。そういえば、前に見た攻略サイト様が「FFとかペルソナとかの世界観に似てる」と書かれていて、ペルソナは知らないのですが、FFは納得がいったり。「うん、ドラクエじゃなくて、FFだよね」と頷きました。
 設定が猫という事で、愛情表現が猫の仕草で妙に可愛らしかったり。鼻先を擦りつけたり、尻尾を絡めたり、言葉に出来ない思いを仕草で伝えるのが効果的だなぁ、と感心しました。その中で謎だったのが、毛づくろい。「毛づくろいって、尻尾と耳以外にもやってるんですけど、毛、ないですよね?と、」Yさんと二人で不思議がっていたんですが、先日、ファンブックを見て判明。「リビカには全身に見えないくらいの細かな毛が生えている」との言葉にショックを受ける結城。「目視出来ない毛……って事は、肌の感触って、つるつるとかすべすべじゃなくって、もさっとかなのか? 何かいやー!」産毛びっしりにYさんも「それは何か嫌ですよね。あ、でも、バルドはすごい生えてそう。むしろ、生えてなきゃおかしいかも(笑)」との言葉。……って、それ何気に差別じゃあ……(笑)。いや、バルドなら、例え、胸毛生えてても驚かないですが←実際には生えてないけど。
 では、次から個別ルートです。


■アサト→まずは1番はアサトです。攻略対象の中では1番外見が好みだったので、アサトを落とす事に決めてました。アサコノは1番好きなカプです。アサトは一言で言うと、わんこです。わんこ攻めです。ゲーム前にYさんに「わんこです。猫だけど犬です」と説明したんですが、「確かにわんこですよねー」とプレイして納得した模様(笑)。コノエラブ全開で懐いてくる様子はまさにご主人大好きな大型犬です。ライに「よく調教したな」と言われてましたが、刷り込みっぽいですよね。絶対に一目惚れだったのだと思われます。
 アサトは閉鎖された吉良の里で、禁忌の子・忌み子として疎まれ、嫌われて生きてきたんですが、そうとは思えないくらい真っ直ぐで純粋です。いい子に育ててくれて有難う、カガリ……!(笑)純粋な分、世間知らずでコノエを驚かせたり、困らせたりするのですが。
 アサトを語る上で欠かせないのがやはり、爪とぎ(笑)。照れというか、感情が昂ぶると木を削り倒す勢いで爪とぎしてコノエに注意され、しゅんとしてしまう様子が可愛いです。コノエ以上に感情を言葉で表すのが不得手な(必要性も伝えたい相手もいなかったのだと思われますが)アサトは、行動が判り易くて初々しいです。コノエを気遣ったり、花を渡したり、拙くて不器用な愛情表現しか出来ないアサトが可愛いです。他ルートでも、彼のコノエスキーっぷりは健在で、「あいつの事が好きなのか?」と訊いてきたりするので、くっつかないと不憫に思えてなりません…。「自分で連れ出しておいて、後は放置っていうのは無責任ですよねー」とYさんが言ってましたが、拾った動物は最後まで面倒みないと駄目だよ、コノエ…!(笑)
 そんな二人のHシーンは初々しさ全開なんですが、「アサト、やり方知ってたんだ!」とYさんと二人して変なところに突っ込みました(笑)。お互い初めてで手探り感満載状態。そして、アサトの名台詞(笑)「コノエのものになりたい」に「いや、それ逆だろ!」とYさんと二人してまたもや突っ込み。その直後、コノエからも普通は逆だと突っ込まれてました(笑)。台詞といえば、個人的に「コノエが歌ってくれるなら、俺は負けない」が好きです。
 エンディングの二人は寄り添う姿が印象的で、吉良に受け入られた二人の未来が明るい事を予感させるので良かったと思えるのですが、一つだけ、言いたい事が。「コノエの手がー!(号泣)」…コノエスキーとしては、痛いです。状況的には仕方なかったんだと判ってますが、アサトルートだけなので、別にそんな事にしなくてもいいじゃん!と言いたくなってしまいます。カルツの事ももうちょっと何とかならなかったのかな…。
 そういえば、驚いたんですが、ギャラリーでエンディングが見られないんですよ、奥さん!これまでにやったゲームがスチルのあるイベントシーンは概ね回想で見る事が出来たのに、LamentoはHシーンのみしか見る事が出来ません。「何で!? エンディングとか、他にも萌えシーンが見たいのに!」という結城に「皆、興味あるとこがそこだからじゃないですか?」と冷静な突っ込みを入れたYさん。それを言ったらみもふたも…。回想が見られないって、同人やるには厳しい条件ですよねー。イベント毎にセーブしていくしか道はないようです。
 スチルは皆綺麗ですが、火楼に戻ったときのが好きです。このシーンは三人とも好きで前述の通りに回想で見られないのが惜しいです。後はやはりエンディング。幸せそうな二人が好きです。共通のだと戦闘時の光が舞ってる感じが綺麗で好きだったり。アサトBADは触手……エログロい感じで痛いです。いや、BADはどれも痛いんですが、アサトのが1番救いがないような気がします…。とにかく、一途なわんこ攻め好きな人にはお勧めです。


■ライ→お次は「馬鹿猫が」が口癖のライです。いったい、コノエはライに何回「馬鹿猫」と言われたのか気になる結城です(笑)。数えてみる気は全くありませんが。クールで格好良いキャラのライですが、Yさんに「中嶋さんから鬼畜を取った感じです」と説明したところ、「中嶋さんから鬼畜を取ったら、それはもう中嶋さんじゃないですよ」と返されました(笑)。いや、確かに中嶋さんを構成する成分は鬼畜が1番を占めていると思われますが(笑)。声優さんの影響もあるかと思われます。結城のイメージ的に森川氏=中嶋さんなのです。Yさん的にはコンラッドのようですけど。
 ライコノは1番人気のカプだと思われますが、ストーリー的にも1番メインのルートではないかと。何しろ、ライだけスチル多いですし、1番最初に出逢う攻略キャラですから。最初に出会ったときから格好良さを見せつけてくれるライは、いい人なのかと思いきや、2回目に会ったときは通り魔です。あそこでコノエがやられていたら、話が終わってましたよ、奥さん。この時のコノエを見下ろすライのスチルが格好良くて好きです。
 コノエが賛牙と知って、闘牙の自分にとって貴重だからという理由で一緒に行動するライに「何か所有物っていうか、物扱いですよねー」とYさんが駄目出ししてましたが、最初は便利で貴重な賛牙だから、という理由でコノエを連れてきたライがコノエ自身を見るようになっていくのがポイントではないかと。アサトルートではアサト→コノエな感じがするのですが、ライルートはライ←コノエ色が強い気がします。ライが多くを語らないキャラなせいもあると思いますが、三人の中では1番糖度が低めかも。そして、「ライみたいなタイプにラブラブなのを期待するのが間違ってますよ」とYさんに言われました…。
 とはいえ、ラブがない訳ではないのですが。アサトとは違った意味で不器用なライは、素っ気なく冷たい態度の中にコノエに対する思いを垣間見せてきます。コノエが火が苦手と聞いてそれから火を使うのをやめたり、とか、コノエのために身体張ろうとしたり、何気なく気遣ったり。ライは格好良くて強い人ですが、反面、脆くて繊細な部分を持ち合わせているので、ライを支えようとするコノエと距離を縮めていく過程が見どころかと。
 萌えポイントとしては火楼の村で、尻尾を握り締めるコノエの隣に黙って座っているところと、コノエがライの右目にキスするところ。誰にも触らせた事がないだろう傷跡にそっと口付けるコノエとそれを許したライに萌えでした。スチルはライはどれも格好良いのですが、エンディングのコノエが美人なのでそれを推したいと思います(笑)←ライじゃないのかよ、という突っ込み多数。
 そして、ライを語る上で欠かせないのが毛づくろい(笑)。そんなに好きか、と思わず突っ込みたくなりました。いや、コノエが相手だからしてやりたくなるのかとは思いますが。全身毛づくろいが日常化してしまったオチに笑いました。じゃらしの木のエピソードも笑えて好きです。


■バルド→ラストはコノエに「エロ猫」呼ばわりされたバルドです。宿屋のおっさんです。オヤジ攻めです。正直、外見が好みからかけ離れすぎていたので、萌える事はないだろうと思っていたんですが…えらく萌えましたよ、奥さん!ルートというか、エンディングはバルドENDが1番好きです。「どうしたんだ、自分!」と突っ込みながらプレイしました。まさかオヤジ攻めに萌えるとは第2弾です。Yさんに「守備範囲広げましたねー。遠くから見守ります」と言われて「いや、別に広げてませんから!」と返した結城。この頃はまだ、認めたくなかったんだよ、自分……(遠い目)。
 宿屋の主人のバルドは実は元闘牙でライと深い関わりのある人物です。ライルートでは簡単に説明されたところが詳しく判るので、やはり、先にライをやっておくのがお勧めです。ライとの確執が解けていく過程もこのルートの魅力かと。バルドは1番最後に登場するのですが、出会いのお留守番コノエが可愛いです。それほど深い関わりのない二人がどうやってくっつくのか想像つかなかったんですが、危なっかしくて見ていてはらはらさせるコノエを放っておけないバルドと、何だかんだと構ってくるバルドに反発しながら気なっていくコノエの様子が描かれます。
 バルドはオヤジなだけあって、余裕がある感じでコノエに構ってくるのですが、尻尾ブラッシングのシーンがお気に入りです。楽しそうなバルドとむっとした顔をしつつも、されるままなコノエが可愛いです。しかし、皆、コノエの鉤尻尾好きですよねー。結城も可愛くて好きですが、必ず誉めてますし。
 エロシーンは何か他2人と比べてよりエロいかも。いきなり蜜プレイですか、奥さん…!「そりゃ、オヤジですから、そうなるんじゃないですか?」とYさんに言われましたが、経験の差が感じられます(笑)。バルドのみちゃんと「惚れてんだよ」と口にしてくれるので、ラブ度が高い気がします。やはり、愛の告白はちゃんとして欲しい結城です。
 ラストバトルでまさかのライ登場ですが、この2人の共闘シーン、すごく好きです。スチルも格好良いし、2人の確執が解けてようやくわだかまりをなくしたのかな、とほっと出来ます。まぁ、その後も態度変わらないので仲良くなったとは言えないのですが。闘いが終わると、3人目クリアという事で過去の回想シーンがに新たに追加シーンが入るのですが、今まで謎だったとこが判ってすっきりしました。すれ違いと誤解が生んだ悲劇、というと簡単ですが、コノエと今までに苦しめられた猫達にはえらい迷惑だなぁ、と思ったり。とばっちり食ったコノエが1番貧乏くじ引いた気がします……。
 前述の通りにバルドENDが1番好きです。キャラ達皆、問題が解決して落ち着いた感じがするので。バカップルというか、若い嫁さんもらってにやけてるオヤジが幸せそうです(笑)。きっとバルドにかこつけてコノエに会いにきたライやアサトに、わざといちゃいちゃを見せつけて楽しんでそう(笑)。
 スチルは尻尾ブラッシングのとラストバトルが好きです。後はエンディングの宿屋の服着たコノエが可愛いので、それが←ポイントそこ?ハッピーエンドが好きならバルドはやってみてください。


 以上、ネタバレ感想でした。ストーリーもCGも音楽もレベル高いので、世界観が好きなら満足する一作だと思います。一人のルートがえらく長いので大変ですが←おかげでYさんは全員攻略してなかったり。買って損はないと思うので、やってみてください。




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