冤罪感想


 はい、郎猫儿作品、第一作目の「冤罪」です。これも買おうかどうか非常に迷った作品でした。何故なら、刑務所舞台で、暴力・凌辱描写多、というのを聞いていたからです。ラブラブ甘甘スキー、ハッピーエンド至上主義の結城としてはきついかなぁ、と躊躇するには十分な設定だったのですよ。購入の決め手は、由良さん作品・廉価版発売・雑誌に攻略が載っていた(笑)の三点だったのですが。凌辱描写が平気な人にはお買い得作品です。
 購入の際の注意点としては、前述の通りに暴力・凌辱描写が多いのでそれが苦手な人は避けた方が良いかと。後、メインのキャラに女性声優さんを起用しているので、これが苦手な人は慣れるまでが大変です。結城も苦手なので大変でした(苦笑)。いや、普段の会話は平気なんですが、そういうシーンに入るとやっぱり女の子の声に聞こえてしまうんですよね。「BL作品で女性声優さんを起用するなら、攻めじゃなくちゃ駄目です」と言った結城に「攻めならいいんですか」と笑ったYさん。いや、聞いた事ないから判りませんが、喘ぎ声がなければ平気かなぁと……どうなんでしょう?←誰に聞いている。
 ただ、それが我慢出来ればストーリーとしては非常に面白いです。舞台は架空十九世紀、街の不良少年ガイズは、万引きをして警官に捕まるが、そこで身に覚えのない殺人の罪を着せられ、終身刑の判決を受けて刑務所に送られてしまう。そこで待っていたのは看守による暴力と凌辱。心を病んだ囚人たちの諍い。「絶対にここを出て自由になる」…ガイズの無実を証明するための闘いが始まる――。…と、いうようなストーリーなのですが、推理小説スキーの結城としては謎解き、犯人探しが主軸となった展開が非常に楽しめました。十九世紀ということで、まだ科学捜査が発展していなく、DNA鑑定どころか、血液型も指紋すらない状況で、捜査の杜撰さをつき、証拠を一つ一つ集めていく過程がどきどきわくわく(笑)で面白いです。では、次からものっそいネタバレな感想を書き連ねていきます。

 さて、結城ですが、一番のお目当てターゲットは実はシオンでした。隠しキャラなのですが、雑誌の攻略見て、一番好みだったので。全員攻略してみると特に一番、というのはなく、それぞれそれなりに好きなのですが、あえて言うならやはりシオンかもしれません。一番ラブいと思われますので(笑)。
 まずはオープニングですが、格好良い作りだと思いました。オープニングにしか出ないCGもありますし。シオンとガイズが一緒に檻の中にいるのが好きだったり。でも、やっぱりBADのスチルは出すんですね……(苦笑)。CGは由良さんなので綺麗ですが、くせが強い頃なので、好き嫌いが分かれるところだと思います。「確かにくせが強いですよねー。でも、帝千よりこの頃の方が絵としては安定してる気がしますー」とはYさんの言ですが、帝千のように、CGによってはキャラが違って見えるというのがないのでそれはいえるのかも。ジョゼは立ち絵が若干違って見えますが。
 ゲームを進めていきますと、早速捕まるガイズ。ギルディアスが妙にあやしく見えるので、黒幕は判りやすいです(笑)。警官っていうより、弁護士っぽいルックスだと思うのは結城だけでしょうか?←というか、弁護士っぽいルックスってどんなんだよ……。刑務所に送られ、看守にすぐにいびられるガイズに「初っ端から痛い展開…」と内心、不安になりつつ、ゲームを進めていきますが、まだまだ甘かったでありますよ、隊長!次が囚人たちによるレイプですか…いや、まあ、そういう展開も予想しなかった訳ではないですが「痛いよ、痛いよっ(のーとん風・笑)」と呟かずにはいられません。その後、看守・デューラとギルディアスにこれでもかという程蹂躙されていく訳ですが、ギルディアスが出る度にYさんが「出たー」と叫ぶのが笑えました(笑)。いや、叫びたくなる気持ちはとってもよく判るんですけれど。取りあえず、ランプの部屋には「ここ、笑うとこですか…?」「笑うとこだと思います」とYさんと話しました。人間ツリーって発想はさすがにありませんでしたよ、奥さん…。

 凌辱シーンはあれですが、謎解きのストーリーは本当に面白いです。「どっちかというと、サウンドノベルみたいですよねー。推理小説読んでるみたいな感じで。むしろ、BLにしなくてもいい感じ。エロはなくてもいいです」というYさんに「いや、それだと、このゲームの存在の否定ですから。確かに攻略キャラ以外のエロは私もいらないですけどっ」と返した結城。いや、それがこのゲームの売りなのかもしれませんが、攻略対象とラブくなる前に散々、他の人にやられるっていったい……。「これがデビュー作ってすごいですよね」「ええ、思い切ったって感じですよね」「ターゲットを絞ったって感じですよね」「勇気いりましたよね、きっと」とYさんと話しました。明らかに万人受けしなさそうなので、これがデビュー作って驚きです。
 では、次からは個別ルート感想です。さくっと書いていきます(笑)。


■無罪END→最初にこれを持ってきたのは、結城のターゲットがシオンだったからです。シオン攻略のためにはやらないといけないし、物語の基本だからまあ、これから、という気持ちで始めました。他の個別ルートもこれが基本で追加される感じですが、謎解きが面白いです。ちょっとずつ真実が判っていく過程が楽しいのですが、被害者の知り合いが刑務所にいたり、事件の謎を解くアドバイスをくれるキャラが身近にいたりして、ちょっと都合いい展開だなぁ、と思ってもみたり。まぁ、設定上、関わりのある人達が刑務所にいるのは納得なんですが。後、真犯人が執拗なくせに、ちょっと抜けてます(笑)。犯行に使った凶器ぐらい、ちゃんと始末しておこうよ……。
 主人公のガイズは生意気、強気、負けず嫌いで考えなしで行動する子ではありますが、基本的に前向きで悪い子じゃないので、頑張る姿勢に周りが協力していくのは頷けます。ルスカの言葉の通りに「強い子」です。ラストのルスカがガイズの肩を抱くスチルが好きですが、このエンドだとエバ関連の事件が解決しないで謎が残るので、ちょっとすっきりしないかも。ミュカのスチルがこのENDしかないので、それは貴重だと思いますが(笑)。
 そういえば、エンディングのスタッフロールのスチルが共通なのに驚きました。帝千も共通だったのですが、結城はてっきり個別に違うのが流れるのだとばかり思ってたので。PS2版ヘヴンが攻略キャラのスチルだけ流れるので、皆そうだと思ってたんですよね。変えるとその分容量が増えそうなので、仕方ないかとは思いますが、そのルート以外のキャラのスチル使い回すのってネタバレになると思うんですが、皆、気にしないんでしょうか……?


■ルスカ→シオン目当てといいつつ、最初に攻略したのはルスカでした(笑)。いや、単純に無罪エンドとルートが途中まで一緒だったので攻略しやすかったんですよ。ガイズの弁護士であるルスカは出会った当初は酒飲んで面会に来るわ、やる気ないのが見え見えでどうなる事かと思いますが、ガイズと出会った事で変わっていきます。元々は有能な弁護士だったので、立ち直った後は頼れる相手になります。いや、どのルートでも共通して彼に立ち直ってもらわないと駄目なんですが。法廷でのルスカは格好良いです。「法廷で弁護してるとこ、格好良いですよねー。最初、酒呑んで現れたときは、どうなる事かと思いましたけど」「まぁ、あのままだと話が進まないですからね」とYさんと話しました。
 でも、法廷の控室と、面会室のあれはどうかと……。Yさんと二人して「場所、考えなよ!」と突っ込みました(笑)。そういえば、面会室って、結城のイメージだとガラス越しに対面、だったんですが、並んで座ってたので驚きました。この時代ってそういう感じなんでしょうか。
 毎回チョコレートを差し入れに持ってきたり、クリスマスに会いに来たり、エバにガイズの事を相談してみたり、と結構、可愛いところのあるルスカは一番お買い得ではないかと思ってみたり。何といっても敏腕弁護士ですから!「でも、弁護士が依頼人に手を出すのって倫理的にどうかと思いますよー」と言うYさんに「大丈夫! 手を出したのは、裁判終わってだから!」と返した結城(笑)。「問題そこですか!」と突っ込まれましたが。
 ルスカ絡みのBADは二人がほのかに恋愛感情を抱いた後なので、その分痛いです。いや、BADはどれも痛いんですけど。墓に口付けるルスカのスチルは綺麗なのですが、ルスカが不憫で切ないです。


■エバ→お次は頼れる兄貴分、時々オヤジ臭い(笑)エバです。ルスカ同様にルートが途中まで一緒で攻略しやすかったから、という理由でこの順です(笑)。ガイズをからかいつつも、落ち込んでいるときに励ましてくれたり、いじめられているイオの面倒をみてやったりと、基本的に人のいいエバはお兄ちゃん的な印象が強いです。元新聞記者で、ルスカの友人というエバは別の事件関連で投獄されています。ガイズには気のいいお兄ちゃんな感じで接してくるので、くっつくのが想像つかなかったんですが……いきなり、でした(笑)。「いつの間にフラグ立ったんだー!」と言う結城へ「やっぱ、目の前で泣かれたのが決め手だったんでは?」と返したYさん。いや、結城もそうだとは思いますが、いつの間に……。
 泣いてるガイズにキスするスチルが好きだったり。エンディングの二人は楽しそうに見えます……というか、エバに土方って似合いすぎ(笑)。


■ジョゼ→お次は「犯らせろ」が口癖のジョゼです(笑)。刑務所に入った初日に初っ端から仲間と襲ってくれたので、どうやって仲良くなっていくのかと思っていたんですが、このルートでは襲われません(笑)。いや、後に襲われる事は襲われますが。他ルートでもガイズを気にしている感じが窺えますが、何と言うか気になる子についちょっかいをかけてしまう、いじめっ子な感じがします。年が近いせいか、ガイズと大食い競争とか馬鹿な事で張り合ったり、顔を合わせると喧嘩になったりして、喧嘩友達のような関係を築いていきます。仕事に対しては真剣な顔を見せたり、ガイズの事も本気で考えてくれて、乱暴で俺様気質のわりにはいい奴な面を見せるのですが、イオに対してはどうしてああなんだろう…?
 エンディングはラブいです。ジョゼとはやはり喧嘩しながらも仲良くやっていくんだろうな、と思わせるENDです。


■ヴァルイーダ→お次は死体・凶器マニアとエバに言われてしまったヴァルイーダです。見かけ女の人っぽい元軍人ですが、その見かけが災いして、デューラにいたぶられてます。過去に色々あって、精神的に問題を抱えてるヴァルイーダルートはとにかくヴァルイーダが凌辱され続けるので、見てて痛いです…。このルートのENDだけガイズとちゃんとくっつかないし、エロも正気じゃないヴァルイーダとのなので(しかもガイズ攻め…)、個人的にすっきりしなかったり。ただ、ボルアネ関係の事情がよく判るのがこのルートだけなので、その辺はすっきりですが。エンディングのスチルは綺麗で好きです。


■シオン→ラストは一番のターゲットだったのに何故か最後になったシオンです(笑)。シオンは隠しだけあって、妙に最初からラブいです。出会ってすぐに友好モードに入り、仲良くなっていきます。ガイズが「シオンの事好きなのかな」と自覚するのがえらく早くて、その事で悩んだりするので、他のルートと比べて恋愛色(BL色)が強めかと思います。そのわりに手を出すのが遅くて初々しい二人です(笑)。シオンは普通の男の子っぽくて何で刑務所にいるんだろう、という感じなんですが、ガイズとはほのぼのとした会話が多くて「ホッとしますねー」「ずっとこんな感じならいいんですけどねー(泣)」とYさんと話してました。
 過去にあった自分の過失をずっと引きずっているシオンに積極的なガイズ。途中、すれ違ったりする二人がくっつく過程が他ルートより丁寧なので、いきなり感がないです。個人的にデューラを殴ったエピソードが好きです。「よくやった! シオン!」と言いたくなりましたよ、奥さん(笑)。いや、すぐに返り討ちにされてましたけど。その心意気に一票です←一票ってなんだよ……。スチルは図書室で寝ているガイズに口付けるシオンが一番好きです。
 エンディングもラブいです。他キャラのその後も全部判って、皆、それなりに幸せそうなので、一番好きなENDかも。その後の事件がさらっと流されてるのはあれですが、ハッピーエンドなので問題なしです(笑)。


 以上、個別ルート感想でしたー。この他にもまだENDがありますが、皆BADなので……(苦笑)。凌辱シーンが痛くて辛かったのですが、一つだけいい事(?)が。それは、これ以降、他ゲームの凌辱・暴力シーンを見ても「冤罪と比べたら!」の一言で耐える事が出来た事。……結城には痛かったので、ショック療法になったのか、耐性がついたようです。「いや、ついても嬉しくないですから。むしろ、つきたくないですから!」とYさんに突っ込まれましたが(笑)。いや、別に私も耐性つけたかった訳では……(苦笑)。
 ストーリーは面白いので、暴力・凌辱描写、痛いシーンが大丈夫な方はプレイしてみてください。




←back