2015年7月25,26日
清里美し森~真教寺尾根~赤岳~権現岳~天女山
今回の登山、私にとって忘れがたいすばらしい山行になりました。権現岳から天女山のルートを除き、初めて歩くルートでした。
その理由は
・単独行のみと割り切った直後にむろちゃんから誘いがあったこと
・いつも長野県側からしか入山したことがなかったけど、地元山梨から真教寺尾根というすばらしいルートがあるんだと知ったこと
・真教寺尾根にはたくさんの種類の花があったこと
・進むたびに刻々と変化する山の景色に感動したこと
などなどです。
むろちゃんは山梨市在住、私は南アルプス市在住、とお互い家が離れているため、どこかに集合するよりもそのまま天女山駐車場へ集合し、
車1台を置いて、もう1台で美し森へ移動することにしました。そうすれば下山後に車の回収ができるわけです。
さて、”美し森たかね荘”へ駐車するつもりが”美し森観光案内所”へ止めてしまいました。
ここが”たかね荘”だと勘違いしたんですね。
たかね荘にはキャンプ場があるらしい、登山者は未舗装駐車場へ止めると事前には調べましたが「そんなとこないけど」。
でも案内板には美し森展望台を経由して行くルートが描かれていたのでまあいいかと。
そもそも観光案内所というより土産物屋さんだと思ってましたが。6:45ころ出発!
ここはツツジの群落で有名なところです。一般観光客向けの木道を歩いていきます。
ここが美し森展望台です。駐車場から10分くらいでしょうか。朝早いので店はまだ開いていませんでしたので特製ソフトクリームは食べることはできませんでした。
駐車場から歩くこと約20分、何か建物が。
んっ!?、ここがたかね荘?初めて車を止めた位置の間違いに気が付く。20分、体力を損した。
しばらく行くと羽衣の池。ここでは分岐がいくつかあるようなので要注意です。
第一目標地点のサンメドウズ清里スキー場展望リフト終点に着きました。
ここまで約1時間半で8:15着。ほんとはこのリフトが使えればいいんですが運行が休日でも9:30からなんでちょっと遅い。
時間の余裕を優先し下から歩くか、体力の温存を優先しリフト運行を待つか。健脚なら9:30開始のリフトを使っても十分我々を追い越していくでしょう。
賽の河原です。特に石積みやお地蔵さんがあるわけでもなく、でした。
しばらくはなだらかな登り。
樹林帯を歩きますがところどころこのように展望が開けます。
上の写真は言わずともわかる富士山、下の写真は甲斐駒ヶ岳と北岳。
やっと牛首山まできました。ちょうど10:00くらい。
でも「山」ってほど山らしくなく、三角点があったので測量のために無理やり名前を付けたのでしょうか。
それよりおどろいたのがここから見えた権現岳への稜線の下の沢に残雪があったことです。
勝手なイメージですが7月末に八ヶ岳に残雪があるなんて思ってもみませんでした。
下の写真の真ん中下あたりにあるんですがわかりますか?
11:30ころ、やっと木々の高さも低くなり始め、遥か彼方の稜線には赤岳展望荘(頂上小屋?)が見えてきました。
いよいよ急登の始まりでしょうか。でも鎖場にはまだ来ていません。振り返れば牛首山です。一応、ピークになってました。
12:00ころ、一部だけ縞枯れした幻想的な場所に来ました。
12:30ころ、やっと初めての鎖に出会いました。いよいよ真教寺尾根の核心部の始まりです。
奇岩が同じくらいの高さに見えてきました。
ルートが見えたのでキレット小屋へはこの奇岩を通って行くのだろうとこのときは思っていました。
なんという名前の岩峰なんでしょう、途中で地図を無くしたという単独行のおじさんに地図をあげてしまったのでこのホームページを書きながら確認ができません。
13:00ころ。始めはそれほど長くは鎖場は続きません。鎖はありますが、鎖が無くとも登れると思います。どちらかというと下り用の補助用かな。
右が登ってきた真教寺尾根、左が県境尾根のようです。いつの間にかハイマツ帯になってきました。
下山してくる人の中に結構ヘルメットをかぶった人達がいました。
滑落対策というよりは落石対策のようです。
先行者や下山者での落石は確かにありそうなルートです。
防災用ヘルメットでも良いので持っていったほうがいいかもしれません。
でもクライミングなんかしなさそうな人でもみんなCAMPとかクライミング用のメットをかぶってました。
奇岩が下に見えるようになり、権現岳の向こうには南アルプス連峰が見えてきました。
鋸岳と甲斐駒ヶ岳の間に仙丈ケ岳が見えてくると標高が高くなってきたなと自然と感じます。
あくまでも個人的見解です、鎖は無くても登れます。特に恐怖感もありませんでした。
それどころか「楽しいー!!」と一人で大声出して登りました。
ほんと楽しかったです。むろちゃんは、ちっと怖かったそうです。
やっと稜線の上にたどり着きました。でも2人顔を見合わせて「えっ、赤岳までまだ15分もかかるの?」と。13:45。
この分岐点から見るキレット小屋へのルートとキレット小屋の遠望です。
わかるかなあ~、肉眼では小屋の屋根と左下の天場のテントがもっとはっきり見えました。
分岐から15分以上登ったのに赤岳がまだあんなに先じゃん。
でもあんなに先なのにおトイレの匂いがプンプン匂ってくるのはなぜ?
「どうするう~、行くう??」とむろちゃんに相談。「どっちでもいいよお」といつも通りの返事。
2人とも赤岳には何度も登っているし、ほぼ14時ということもあって先を急ぐこと優先で赤岳は”すぐそば”までということで、ここでキレット小屋へ向かいました。
阿弥陀にもいっぱい登山者が取りついてました。
赤岳方面、キレット方面、真教寺尾根方面の分岐点からすぐに梯子を降りていきます。
奇岩近くです。奇岩に向かって道はありました。でもロープが張られ立ち入らないようにされていました。
当初予想していた「奇岩を巻いてキレット小屋へ」ではありませんでした。きっとクライマーたちが使う岩峰なのでしょう。
自分が落ちないようにというよりも落石させないように注意を払うことに気を使いました
下りながら上を振り返るとこんな感じ。この辺りはとくにガレているので落石させないよう特に注意しました。また足元不安定なので疲れが溜まってきた足にはこたえます。
あと少しでキレット小屋というところでまた振り返ります。ほんと、景色がどんどん変わって飽きさせません。
やっと着きました、15:30、キレット小屋。むろちゃんの黄色いTシャツと雨水用タンクがまるで兄弟のようです。
休憩含めおよそ9時間の行程でした、よく歩きましたねえと我ながら感心です。
コマクサがたくさん咲いていました。
八ヶ岳のコマクサというと硫黄岳周辺というイメージがありましたが、こんなところにも咲いているんですね。
小屋は混雑している様子はありませんでした。下駄箱の登山靴が数人分しかありませんでした。
天場の様子です。むろちゃんが持ってきてくれた我々のテントは左の斜めっているテントです。
なにしろ平らな場所が少ないです。通り道にまでテントが張られている始末です。
小屋番のお兄さんになるべく早く場所を確保したほうがいいですよと言われましたが、「そもそもろくな場所ねえじゃねえか」でした。
天場から見る赤岳方面。いい眺めです。緑色テントの左横のツエルトの位置がこの眺めを見るには最高の位置です。
水場です。行きはよいよい、帰りは・・・・です。
夜、トイレに起きたときは足がガクガクで、トイレにたどり着くのもやっと状態でした。
いつの間にか寝てしまい、起きたといってもまだ8時でした。
でも一晩寝たら足は回復してました。俺もまだまだ若いぜ!!
朝6時に出発。今日は昨日より天気がいい。水場よ、さようなら。
ほんと、ほんと、いい眺めが続きます。阿弥陀岳から延びる南稜も魅力的です。
ツルネ。出合小屋への分岐。「出会い小屋」に改名すればお客さん増えるよ、きっと。
でもこんな分岐があるとは下調べでも気が付かんかった。出合小屋ってどんなとこなんでしょう。
富士山が斜めってて水平に写真が撮れてませんねえ。
旭岳に向かって気合を入れなおすために四股を踏むむろちゃん。いや、ばててるだけか。
前を見ても横を見ても後ろを見ても、ほんといい景色!!
この梯子を上れば権現岳に着いたも同然!
権現岳と富士山。そして権現小屋。 ギボシ、青年小屋、編笠山。
記念撮影。権現岳のてっぺんにも登ってみました。むろちゃんのカメラの腕がいいのでしょうか、ただでさえイケメンの私がよりイケメンに写っています。
昔のフジカラーのCMのセリフを思い出します。「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに」。
あとはひたすら下山するのみ。これがなかなか長かったし、辛かったです。積雪期のほうが楽ですね。雪がクッションになります。
やっとこさ、天女山展望台。そして駐車場です。長かった~、辛かったあ~、でも楽しかった!!
真教寺尾根とキレットの花たち。いろんな花がありました。
「八ヶ岳ってこんなに花があったっけ?」と言ったらむちゃんが「ほとんど冬に登ってるから見たことないんじゃない?」と。
いや、そんなはずはない、ホームページを作る前には夏に登ってるはずと過去のアルバムを確認したら9月上旬でした。
コマクサ以外、名前は知りませんが私を楽しませてくれた花たちです。