2015年10月3,4日

上高地~岳沢~前穂高岳~奥穂高岳(ピストン))


<2日目>岳沢小屋~前穂高岳~奥穂高岳~下山

 出発したのが5時15分。半月でしたが結構明るかったのでヘッドライトの灯りだけでなく月明りも頼りになったので歩きやすかったです。

 地図通りジグザグの重太郎新道を登り、明るくなってくると天場から見上げていた天狗岩、明神岳が同じくらいの高さに見えてきました。 ただ、高曇り感があり昨日と同等の天気は見込めそうにないなと感じました。5:45、最初のハシゴです。








 6:00、カモシカの立場。予感していた通り奥穂高方面はガスの中・・・・・・・。 でも「カモシカの立場」と聞いて、アニメ・アルプスの少女ハイジにでてくるようなカモシカが立ってアルプスを眺めるようなシーンを想像させるような絶景です。 しかし!もしかしたら「人間よ!カモシカの立場になって物を考えてみよ!自然を破壊するな!」という意味かもしれないとも思いました。







 6:45、岳沢パノラマでいい眺めです。ちょっとおっかないくらいの高度感があります。岳沢小屋で見るよりも上から見る紅葉のほうがきれいです。






 6:50、雷鳥広場です。この辺りからガスってきました。 眺望が無い代わりに、こんな天気だからこそ雷鳥が現れるのではないかと期待しましたが残念ながら雷鳥さんには会えませんでした。






 7:00、鎖場を越えて紀美子平に着きました。天場から2時間かかりませんでした。 ここから前穂高岳を目指しますが、ご覧のようにガスっているうえに小雨が降ってくるありさまに 「ああ、奥穂高まで行くなんて思わず、昨日、前穂まで登っちゃえばよかった」と独り言のグチが思わずこぼれました。








 7:30、前穂高岳に初登頂!んんー、意識してなかったけど3,000m峰に登ったのは14年ぶり、転職してから初めてですね。 それだけこの14年間、仕事に追われていたんだと思いました。「酒は飲んでも飲まれるな、仕事は追っても追われるな。」ってことですね。






 再び紀美子平に戻り、ガスっている奥穂方面を目指します。 岳沢小屋のトイレに長野県警が作成した長野県内の山のグレーティング表が貼ってあり、吊り尾根は大キレットと同じ技術レベルに位置していたのを見て、 正直、「マジ!?」と不安でした。あの南岳~涸沢岳の大キレットは2度と行きたくないと思っていたからです。






 しばらく歩くと、「分岐点」と「最低コル」の表示。「最低コル」は地図に示されていますが「分岐点」は地図に表示がありません。 そのためちょうど来た対向者に奥穂はこのままいけばいいのかと確認。 その人は結構若い娘でしたが「分岐点」の意味はクライマーが使う前穂との稜線との分岐なんだと教えてくれました。 「詳しいですね」と感心しました。ここで「お美しいうえに、お詳しいですね」といつものようなセリフが出せなかったことが後悔です。








 まれにガスが晴れて明神岳が見えました。上高地-徳沢の間で見える明神岳の姿しか知らなかった私には岳沢側からの姿に同じ山なのかと驚きを与えました。






 涸沢と常念岳も見えるようになってきました。涸沢には残雪と多くのテントが点々と見えます。 (「テント」と「点々と」をかけているんですよ。笑うところですよ。よく子供と嫁に、父ちゃんの笑いのツボは普通とは違うとバカにされますが。)








 おっ!今度は前穂が見えました。今、あの上に居ればなあと悔しい限りです。






 ときおり晴れ間が現れるものの奥穂方面のガスった状態は変わりませんでした。下山してくる人たちのザックや頭が凍り付いていました。写真のように草も凍り付き、ミニエビの尻尾状態です。








 鎖場が出てきました。吊り尾根の核心部の始まりでしょうか。どれくらい怖い???






 9時15分、南陵の頭。






 南陵の頭から5分、山頂が見えました!岩が凍り付いてるのがお分りでしょうか?






 山頂祠で記念撮影。何しろガスって風が強くて寒いの何の。しばらく待って槍ヶ岳方面が見えるのを待っていましたが寒すぎて居られませんでした。 ジャンダルムだけが歓迎してくれたところで下山開始しました。








 紀美子平まで下りてきました。紀美子平から見る明神岳にはルートが見えます。 そう言えば登ってくるときにすれ違った人が風穴から明神岳に入り前穂近くでテントを張ったけどものすごい強風でテントが飛ばされるかもと心配で眠れなかったと言ってました。 ベテランの雰囲気はありましたが特にクライミングギアを持っているようには見えませんでした。ザイルワークができなくても明神岳を越えられるのでしょうか。






 紀美子平から見下ろすと下山してる人、登ってくる人、たくさんいます。こりゃあ、落石しないよう気を付けて下山しなければと気が引き締まります。






 12時30分、天場へ帰還です。私のテントともう一つのテントしかありませんでした。 テントを置いて私より先に登って行った人たちが多かったので、ほとんどは前穂までで引き返してきたのでしょう。






 今回はイスカのデナリを持ってきました。20年以上前に購入したダウンシュラフで、-20℃か-15℃対応の寝袋です。 約1.6kgです。重い寝袋ですが重ね着用に服を多めに持ってくるのとさほど重量が変わらないと判断したから。 おかげさまでユニクロのヒートテック一枚で快適に眠れました。






 岳沢小屋前で昼食をとり、小屋にサヨナラを告げます。13:20。






 登ってくるときには全く気が付かなかった風穴です。あのオジサンは一体どこから明神岳に取り付いたのでしょう。藪の中に赤布らしきものが見えましたが・・・・。








 14:40、出発点とした河童橋に到着です。谷底で梓川が流れているからでしょうか、上高地に下りてきたとたん冷え込みを感じました。






 冒頭でも書いたように沢渡温泉には入れなかったので白骨温泉まで足を延ばしましたが、白骨温泉ってこんなに山の中にあるとは知りませんでした。 白濁した硫黄臭の湯で、「これぞ温泉」といった感じでいい湯でした。ただ数日経っても体と服から硫黄臭が消えなかったことにはちょっと困りましたが。








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