樋口康雄×上田知華 LAST WORKS

上田知華 40周年記念コンサート
〜All About KARYOBIN〜
with 金子飛鳥ストリングス



課題
4月下旬、樋口さんから送られたリハーサル用の楽譜を確認した知華さんは、「バスステーション」のエンディングを考える必要があると感じました。「リピートを生かし、2番カッコを足して終止するとか?…」などと、頭を悩ませた末に樋口さんにアイデアを求めます。樋口さんの回答は、「譜面どおりに最後を繰り返してそのまま終ればよいかと思います」・・・たしかに。

また、「メヌエット」は、ピアノ譜が巻物ほど長いので、フィナーレの譜面からmusesocreにコンバートして、 頭に入っているところは抜くか、短くする方法を考えることにしました。ピアノ譜に関しては、今後も、このような作業が必要になれば、知華さんは、その都度、自分でなんとかすることに決めました。インスト曲の「ピアノクインテット」については、若い頃やっていたストレートな感じではなく、色気のようなものを出したいと考えていましたが、同時に「 指が動くのか…」という不安も感じていました。

一方、ストリングスの楽譜が見つからない曲のうち、「上田知華+karyobinベストソングズ*」という本に「BGM」のスコアが載っていたことを思い出した樋口さんは、耳コピの助けになるかもしれ ないと思い、これをコピーして知華さんに送りました。ちなみにこの楽譜は、現在、ヤフオクに12,500円で出品されています。(11/21現在)


移調
それから2週間ほど経った5月13日、樋口さんのもとに前日に「ワインと音楽」のライブを終えた知華さんからメールが届きました。
メールには、「先日送られたパート譜4曲のうち、「メヌエット」は、やはり移調が必要なので、AmをGmに落として、各楽器の音域チェックをお願いしたい。 また、「バス・ステーション」「ピアノクインテット」に関しては、そのまま皆に送付しようと思っています」と書かれていました。
このメールに樋口さんは、次のように返信しています。

樋口→知華

ライブ、うまくいったようでよかったです。

「メヌエット」ですが、お送りしたものは既に移調したものです。オリジナルはBmでしたので、それを半音ふたつ下げてAmにしました。これを、さらに移調しますか?
そうなるとオリジナルより半音4つ下がりますが、大丈夫ですか?

ちなみに先日の楽譜は、Amの「バスステーション」をGmに、Cの「二人のディナー」をBbに、そしてBmの「メヌエット」をAmにしてvoicingなど各部を調整したものです。

移調作業は比較的簡単なので、ご検討の上いつでもご指示ください。

翌朝、知華さんから届いた返信は、凡そ、こんな内容でした。

疲れて頭が取っ散らかっており、失礼しました。
ライブでも実感しましたが、瞬発的に表で声を出せるのはA止まり。きれいに出さなければならない場合はファルセット・・・というのが、現在の声域。メヌエットでいうと、「恋せよなんて」の「い」がトップノートで、もしAmのままだと、A。伸ばす音でもあるのでファルセットの方が無難かなという感じ。
“オリジナルのまま聞きたい!”という樋口さんのファン心理理論にのっとると、Gmに落としておいて、Gで地声の方がいいのかなと思うので、やはりGmで作成してください。これから秋に向けて練習して行くうちに出るようになる・・なんてことも、あまり考えられないので。
「バス・ステーション」は大丈夫です。他の曲のキーも、確認してみます。

これを受けて樋口さんは、翌日、Gm「メヌエット」のfinale mus,parts pdf,score pdfの3種類の楽譜を作成し、知華さんに送りました。

to be continued