樋口康雄×上田知華 LAST WORKS

上田知華 40周年記念コンサート
〜All About KARYOBIN〜
with 金子飛鳥ストリングス


・果たせなかった約束
「コンサートから1年は経たないうちに是非ともお会いしたいと思います。「秋口にお目にかかれますように!」そう言っていた2人でしたが、年末に「ワインと音楽 Vol.7」が控えていた知華さんと、転居先探しに奔走していた樋口さんは、結局、その年に会うことはありませんでした。

年が明けた2020年。それは、新型コロナウィルスが全世界を席巻した、激動の時代の幕開けでした。2人は、会おうにも会えない時代へと突入してしまったのです。この年、知華さんは公式ブログに次のように綴っています(公式サイトがいつまであるかわからないので、こちらに転載させていただきました)。

初夏の日に

みなさま
いかがお過ごしでしょうか
春になったら
桜の開花に合わせて
ホームページを新しくしようと思っていましたので
「私の好きな月」の動画も
アップしてみました
・・・というお知らせも
すっかり遅くなりました


ほんとうにさまざまな意見があって
思うこともたくさんあるのですが
今はどんなに距離を置くことを要求されても
やっぱり
大好きな福岡伸一さんの言う
ゆるくつながる細胞
でありたいと思うのです

集まって
最初は少し緊張して
そのうち音楽が気流のように
頭上を
それぞれの胸の中を
駆け巡り
交換が始まる
ひとつになる
特別の場所がまた開かれますように

2020.6.2

暦が変わるまえに

みなさまこんにちは
いかがお過ごしですか?

夏に一度収まったかのように思えた感染拡大
やはり日本は特別なのかなとさえ
思っていたのですが
ウィルスはかくも狡猾に
わたしたちの気分や気候の変化の
スキをついてくるものです

やはりここはなんとしても
罹患せずにいること
そのためには
行動範囲や接触する人を必要最小限に
抑えること
これらが自分のできる唯一のことかなと思い
毎日過ごしています

オンラインで音楽
ということもできたのかと思いますが
自分らしい手段であるか熟考するうちに
時が経ちました

もちろん
こんな状況下にも関わらず
生の音楽を届けてくれている音楽家たちに
感謝していることは
言わずもがなです

今日は暦が変わる前に
ひとつお知らせです
2014年に発売した
歌曲集「枕草子」のCDを再プレス
下記でもご購入できるようになります
https://cueentertainment.stores.jp/
またそれに伴い
cue entertainmentのホームページの
再開も準備しています

試練から学ぶことは多々あるはず
誰が正しい発言をしているのか
数多くの発信の中から
あらためて賢者の話が見えてきました
有事だからこその気づきであったと思います
また平時にこそ忘れずに
そんな方々の言葉に
耳を傾け続けていくことが
大切なことかと思います

考え、時にはあらため
ひたすら真摯に
特別な年の瀬を迎えようではありませんか

空気を震わす感動の瞬間を
皆様と迎えられる日を
心待ちにしています

2020.12.23

そして、年が明けた2021年の最初の投稿がこちらです。

初春に思う

2021年が始まりました。
昨年は、かつて見舞われたことのないウィルスによって
手探りの中で過ごさざるを得ない一年となりました

そんな中で迎えた初春に思うことは
常に身体と、そして心に仕えつつ
一歩ずつ歩もうということ

みなさまにとっても健やかな一年となりますように
今年もどうぞよろしくお願いいたします

2021.1.2

結果的に、この投稿が知華さんの最後の投稿となってしまいました。この時点では、誰一人、おそらく知華さん自身も、これが最後の投稿になるなんて、想像すらしていなかったに違いありません…。

・別れは突然に
その知らせは唐突にやってきました。2022年4月27日、朝日新聞朝刊に知華さんの訃報が載ったのです。知華さんの知名度から考えると、いささか大きすぎるスペースではありましたが、そのおかげで、知華さんの死は多くの人の知るところとなりました。ツイッターには、知華さんが女性アーティストに提供した多数の楽曲を通じて、知華さんのことを知った音楽ファンたちの死を悼む声で溢れていました。そう、知華さんの名前は、その作品を愛する多くの音楽ファンの記憶にしっかりと刻まれていたのでした。


↑朝日新聞2022.4.27朝刊


↑読売新聞2022.4.28朝刊

See you agian
あれから1年。今年3月8日に開幕した「ワールドベースボールクラシック」は、連日、各国の熱い戦いが繰り広げられ、世界中を虜にしました。とりわけ、MVPを獲得したオオタニの活躍は、大きな注目を集めました。
日本チームの優勝が決まった3月22日、樋口さんから送られてきたメールには、こう記されていました。
「もし、きょう知華が生きていたら、この一連の侍ジャパンの活躍に大興奮していたことと思います。残念です 」    

END

                                          

上田知華さん

See you again、See you again
私は忘れない
See you again、See you again
あなたを忘れない