樋口康雄×上田知華 LAST WORKS

上田知華 40周年記念コンサート
〜All About KARYOBIN〜
with 金子飛鳥ストリングス


久しぶりの連絡
大森昭男さんの死、お父様の死、KARYOBINの40周年コンサート‥今にして思えば、2018年は知華さんにとって特別な年だったのかもしれません。年が明けた2019年。樋口さんが、久しぶりに知華さんと連絡をとったのは、5月初旬のことでした。

知華さま

大変ごぶさたして失礼いたしております。

実はあれから大変でした。下腹部の違和感は、やはり腫瘍で、左の精巣(タ●キン)が癌でした。年末に摘出手術をしましたが、予後が酷く1ヶ月以上苦しんでいました。2月のあたまに眩暈(めまい)で倒れ、それ以後ずっとフラフラのクルマ酔い状態が続いています。診断では、初めは自律神経失調ということでしたが、結局、内耳と脳をつなぐ前庭神経の炎症ということになり治療を続けています。

とりあえず、仕事は全部休止にしてもらっていますが、デスクで書くことは可能なので少しだけやっています。秋のコンサートの後にお会いする約束が叶わなくて、大変申し訳なく思っています。

私も早くお会いしたいのですが、なかなか目処が立ちません。しかし、コンサートから1年は経たないうちに是非ともお会いしたいと思います。そんなことのご報告でした。

樋口康雄


秋になればきっと…
知華さんから返事が来たのは、2週間ほど経ってからでした。返信が遅くなった理由とお詫びから始まるメールには、術後の回復に時間がかかってしまった樋口さんを慮る言葉や、眩暈の原因が突き止められたのは幸運だったのではないかということ、そして「無理せず、ここぞとばかりリラックスしてMLBを思う存分楽しんでください」と綴られていました。また、知華さん自身もコンサートのあとはBurnout 気味で、なかなか腰が上がらずにいること、そんな風にだらっとしていると発注があってバタバタして…という繰り返しであることなどが綴られていました。そして、「これからはまた梅雨があって、瞬く間にまたあの熱波の夏がやってきますね。すべてが去って、気候の良い秋口にでもお目にかかれればと思っていますので、どうぞご自愛ください。私も健康に留意して、もうしばらくだらっとしています!」という軽口で締めくくられていました。このメールに樋口さんが、
「やっと出ましたね、オオタニ。私もこの調子で体調が回復するように頑張るつもりです。そうですね、この秋口を目処にお会いしたいと思いますので、よろしくお願いします」と返信すると、翌5月15日には、知華さんから次のような返事がかえってきました。

樋口さま、おはようございます。

オオタニサン!このまま打つだけで十分ですよね?
ケガなく、活躍してほしいです。

樋口さんも、とにかく焦らず、楽しく、快復してください。

それから今度、合唱編曲について、教えていただきたいと思っていました。また、そのことについてはあらためてメールさせていただきます。

ではでは、秋口にお目にかかれますように!!

知華

to be continued


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