樋口康雄×上田知華 LAST WORKS

上田知華 40周年記念コンサート
〜All About KARYOBIN〜
with 金子飛鳥ストリングス


キーの調整
オープン・ザ・ウインドウ」の移調は、2音下げのFで・・・と知華さんから連絡を受けた樋口さんでしたが、どうも知華さんがキーを勘違いしているようなので、次のようなメールを送りました。

知華さま

「オープン・ザ・ウィンドウ」のキーはA(イ長調)ではなくてE(ホ長調)ですので、多分半音で4つ分下げという意味でしょうから、C(ハ長調)ですね。最高音はGになります。この最高音は一瞬なので、Aが出そうならばキーはD(ニ長調)がよいと思いますが如何でしょうか? Dbはピアノがかなり弾きにくいですから避けたいですね。ご決断をお待ちします。

いま、「ガールフレンド」をやっていますが、G(ト長調)にすると下がDになりますが、低すぎないですか?勿論、上の音がCbになることがダメなのでしょうが、だったら、そのサビのメロディを少しごまかして、そこまで上がり切らないで歌ったらどうですか? 録音されているものも、そこは上がり切ってないので、そういうメロディということにしたらどうでしょうか。ご判断をお願いします。


樋口康雄

これを読んだ知華さんは、『オープン・ザ・ウインドウ』のスタートのコードがFだったので、混同してしまったことに気づき、「キーはCMajでお願いします」と樋口さんに修正を依頼しました。そして、「信じがたいかもしれませんが、下のDは楽勝です。メロディーの中の最低音は、その歌のイメージを左右するほどの存在ではなく、低く歌った場合、歌詞を聞き取るという点で聴きづらさがあったとしても、決定的なダメージにはならないはず。それよりも圧倒的に「ヘタクソ!」の烙印を押されるのは、一番伸びてほしい、一番聴きたいトップの音が出ていなかったり、ぐっとこなかったりする時ですよね? その点、『メヌエット』の♪こい〜せよ♪の「い」は、とても大事なわけで、やはり歌ってみて、Gmにしておいていただいた方が良いと感じました。『オープン・ザ・ウインドウ』もしかり、『ガールフレンド』もしかりです。(『ガールフレンド』は、GMajでも♪ど〜〜〜し♪のところ、ごまかしてます;)。実際、なんであんなに高い音が出たのか、、、、ともかく、声変わりしたようです。 無理をせず、なるべく、その歌の肝となる部分を伸びやかに歌いたい。“頑張ってた!感”よりは、“楽しんでいた”といように捉えていただける、そのくらいの余裕を持って臨みたいと思います」と、歌い手としての心情を綴っています。

こうして、「メヌエット」は再びキーの調整をすることになりました。なお、 「二人のディナー」は樋口さんお勧めのBbMajで、「二十歳の献血」は、D→Cにすることで話がまとまりました。

ピアノの練習
知華さんは、このころから「ピアノ・クインテット」に取り組み始めていました。始めると結構ハマったらしく、楽譜のオクターブ上の指示が抜けていることに気づいたり、ダイナミックスを正反対に理解していたことに気づいたり、「え!?こんなこと弾いてたっけ?」とか、「ああそうか、ここのところはビオラとチェロがこうなっているんだ」とか、久しぶりに取り組んだ「ピアノ・クインテット 」の演奏を楽しんでいました。そして、 とりあえず難曲は、全曲練習しようと決めたのでした。

to be continued


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