ピブリ太さんの「聴く会」レポート

ふりかえれば4月ももう半ばを過ぎて、あの3月末の「聴く会」からはや、3週間が過ぎました。 年をとると時間の経つのが早い、というけれど、まったくその通りですね。

思えば、いわゆる「オフ会」と言うのですか、ネットで知り合った同好の士が集まってああだこうだとヒジョーに狭くて濃ゆい話に没頭するような、例のアレには私もそれなりに出させて戴くことが多いのですけど、その中でもメンツが濃ゆいことで有名な「映画音楽」や「アニメ音楽」のオフ会が多いのですけれど、今回の「樋口康雄を聴く会」も実はそんなテイスト全開の会でしたね!
ですが、やはり「樋口康雄」という華麗なる音楽世界に心奪われた方々の集まりだけあって、女性陣中心のオフ会ゆえに、それは皆さんエレガントな方々ばかりで、私なぁんか、目が眩んでおりました。 だいたい、ご存じないかたが多いと思いますのでこの際ですから申し上げておきますが、上記のようなオフ会ってのはだいたい、「オヤジ」「おっさん」中心で女の人なんかほとんどいない、オトコくっさあい会ばかりです。そういう野蛮な会合しか知らない私ですから、オヤジな私が割り込む余地があるだろうか、と余計な心配をしていたりしたのです。ですが、実際皆さんとお会いして、樋口音楽に耳を傾けながらあれこれ楽しく話をさせて戴いているうちに「なんだいつもと全然一緒じゃん」という気分にあっというまになっておりました。やっぱり「濃ゆい」人タチである! 濃ゆい人たちが、濃ゆい人たちと過ごす濃ゆい時間、誰に遠慮することもない、圧倒的な時間が私にはとても楽しいものでした。その「濃ゆさ」は、人生の時間のかけ方に依るものなのです。

必至になってテレビからラジカセにじか録りした、今やワカメ的ふにふに音になってしまったけれど、もしかしたら世界に唯一無二かも知れない貴重な「音源」、退色してパサパサになってしまってはいるけれど、大事に大事にとって置いたこと歴然な当時の「雑誌や新聞の切り抜き」、いたいけなアイドルであった頃の樋口氏の「ブロマイド」、本当なら役目を終えたら二度と日の目を見ることのないうたかたの夢であるはずの「テレビ用CM」、決してマスセールスの目に乗ってきようもない、けれど樋口音楽の刻印あらたかなビデオ「あれはだあれ?」、極めつけの「直筆の楽譜」・・・・どれもこれも貴重な、この場でなければ見ることも聴くこともできなかった筈の、みんなで寄せ集め合った、思いでのかけらたちだったと思います。 私も思い出します、テレビで「さらばかぐわしき日々」のテーマ曲をカセットに録った、ンン10年前のこと。あんな風にして、こんな風にして、みんな、「樋口音楽」の断片をそれぞれの生きてきたいろんな時間、場面の中でじぶんだけの宝物として大事にしてきたんだろうなあ、と。

決して表舞台にあまり出ることのない(と私は思っている)樋口音楽がこうやって集めて聴けたこと、そこに馳せる想いは皆一緒だった、と私は思いました。 願わくば、樋口音楽が何らかの集大成となって世に出ることを望みつつ、会場を後に致しました。 私は残念ながら二次会、三次会には参加できませんでしたが、次の機会を楽しみにさせて戴きたいと思います。皆さん、また会いましょう!