まーくんの「聴く会」レポ


参加者の中でもたぶん一番の初心者であろう私が、今回の参加にあたり心掛けていたのは「皆がうなずく樋口さんの音楽のツボを理解する」でした。以下に、感想をまとめますが、なにぶんよくわかっておりませんので解釈におかしなところがありましたらお許し下さい。

 1曲目の桜姫東文章でmariometさんから「感想は」と聞かれて「賑やかです」と初心者丸出しの感想を述べてしまったように、すぐに特徴を見つけるのは容易ではありません。
 おそらく曲の中にお芝居?に合わせて音階や楽器の構成を綿密に考えていると思うのですが、細かいところまではとても把握できません。それでもいくつか曲を聴いていくうちに、次のメロディはこう流れていくだろうと思うと急に音が変わってしまうところなどがわかるようになり、「これがツボかな」と考えたりもしました。しかし、月の光での聴き比べではまったく違いがわからず、やはりほんの一部の作品を聴くだけでツボがわかるはずもなく、区別できるようになるにはもっともっと曲を聴かなければ無理だと判りました。

 今回のオリジナル純音楽の印象は、メロディラインよりも音や楽器の組み合わせによって雰囲気を聴かせる現代音楽に近いものでした。「music for atom age」では、ここちよい曲の素晴らしさに感心しておりましたが、今回聴いた曲も普通の作曲家に容易にできるようなことではなく、樋口さんの才能の素晴らしさを改めて認識した次第です。多くの作曲家を知っている訳ではないのですが、オーケストラに必要な曲を作り上げることが出来る作曲家は、国内にもそんなにいないのではないかと思います。また、クラシックのスタンダードナンバーをモチーフして新たな曲をつくる作業も、元の曲をよく知らなければできないことで、クラシックがとてもお好きなんだろうなと思いました。
 1次会は時間が限られていましたので、多くの曲を聴くとはできませんでしたが、上質の音楽とおいしい料理、そして興味あるお話を聞くことができてとっても有意義でした。

 場所を変えた2次会でとてもうれしかったのは、桐秋さんに聴かせていただいた鶴吉のテーマ曲です。番組は見ていたのに曲のイメージがまったくわからなかったのですが、こんなにカッコいい曲だったとは思いも寄りませんでした。
 1970年代の前期に樋口さんの曲を聴いていたのは、「ステージ101」と「つぶやき岩の秘密」と「鶴吉」のはずなんですが、思い出せるのは「つぶやき岩の秘密」だけです。小、中学生の頃から樋口さんの曲が心に留まった人は、もうその魅力から離れられなくなっておりますが、ここが熱烈な樋口ファンになるかならないかの分岐点になったような気がします。
 私が音楽を好きになるポイントは、聴いていい曲はなんでもよいという主義主張のないものですが、それでも多くの曲がわたしの心を捉えてきました。しかし、残念ながら当時の私には「鶴吉」のテーマ曲がひっかかりませんでした。今聴くととてもカッコいいのに。

 現代音楽という印象から樋口さんの純音楽はなかなか大衆には広まりにくいのかもしれません。もちろん、大衆受けする曲もたくさん作っています。「music for atom age」なんかはもっと宣伝されれば多くの人に聴いてもらえるアルバムではないかと思っています。
 樋口さんの曲を作る才能は素晴らしいです。樋口音楽を愛する熱烈なファンがいる限り、大衆のことは置いといて、自分が作りたい曲をこれからもどんどん作っていただきたいと思います。鶴吉のようなカッコいい曲も楽しみにしております。 

 最後に、この様な楽しい会を企画してくださったmarionetさんに感謝いたします。思い切って参加して本当に良かったです。また、聴く会がありましたら参加したくなります。
でも今度はしっかり予習をしてこいとmarionetさんから言われるかもしれません(笑)。
皆様からはたくさん知らないお話を伺うことが出来て、お会いできて良かったです。
次回、お会いする機会がありましたら、またよろしくお願いいたします。