えりさんの「聴く会」レポ
[1次会…K.]
オーナーさんのとびきりの笑顔に迎えられて、K.の店内へ。
板張りの壁には、この店を訪れた著名人のサインがあります。
世界的ソプラノ林康子、指揮者の井上道義、歌手の白鳥英美子、ジョン・デンバー、巨匠エルンスト・ヘフリガー、世界的作曲家ソフィア・グバイドゥリーナ、アルヴォ・ぺルト、ベストセラー作家ポリス・アクーニン、直木賞の芦原すなお、シェイクスピア学者小田島雄二らのサインがあるK.の壁。
まずは、ファンの間では伝説とも言える樋口さんの「DEF」のサインを鑑賞(笑)。
ケータイ出す人、デジカメ構える人…。あっという間に撮影会になりました。
私は、いままで勝手に、隅っこのほうに小さく書いてあるんだと思っていたのですが、とんでもない!
中央近くに堂々と結構大きな字で書いてあったんですね。
サインに添えられた日付を見て、「これって、昭和? 西暦?」なんて言いながら、おのおの席に着きました。
とりあえず、ビールで乾杯したら、(実は、その後も世界各国の珍しくもまた、おいしいビールを堪能することに
なるのですが、その時はとりあえずだと思っていました)早速音楽が流れてきました。
marionet さんから、本日のプログラムが配られ、この曲がここ「K.」でしか聴けない作品の中の1曲
『Three Picture Cards』だと言われると、にわかに緊張感が…。
のっけから貴重な音源に触れて、耳をそばだてるみんなの真剣な表情。
「2楽章(?)は聴いたことあるね」「やる気満々だっけ?」
「この辺の弦が好き!」などなど、早くも大いに盛り上がります。
曲が『KOMA』」の日本初演版へ変わると、一斉に
「(音盤化されているのと)ぜんぜん違う!」「こっちの演奏のほうがすき!」
「千住さんとも全然違うし…」「これもCDにして欲しいよね〜」と声が。
実際にこの初演コンサートにいらした方から、「これをやってるとき、樋口さんが、すぐ斜めうしろのお席にいらして、
そっちの方が気になって…」などというお話も聞かせていただき、だんだん和やかになっていきました。
「今回のためにいろんな音源を聴いていたら、とんでもないことを発見してしまったの。皆さん、聴いたら驚いてね。」
というmarionet さんの、前置きでかかったのが『桜姫東文章』。
聴きながら「そうか、あれと同じだ!」 と思っていたら、marionet さんが
「次にかけるのはある映画音楽で、作者不詳とされているんだけど実は樋口さんの作品というものです」。
そしてかかったのは、『花芯の刺青 熟れた壷』! やっぱりこれだったんだ…。
どこがどうなってこういう使いまわしになったんでしょうね。
『桜姫東文章』として、音盤化して欲しかった…(笑)。
こんな具合で、次から次へと樋口作品が出てくるのですが、その合間にmarionetさんがしてくださる解説が、
とても参考になりました。
まるで今見てきたかのようなお話ぶりなのです。しかもこれがメモも原稿もナシ。
樋口さん関連のことは全てのデータがインプットされているとしか思えません。
おそるべし…。
クラシック物のアレンジ聴き比べあり、「ルックチョコレート」についてのカルトクイズあり。
(クイズの参加賞の「ルックチョコレート」だけでも大満足なのに、今日の記念CDまで戴いてしまいました。
あぁ、来てよかった!)
おまけに「樋口さんの音源を探し出すのはぜ〜んぜん苦にならないの」といいつつ聴かせてくださった
超レア物のポップスの数々。
特に『海神』は、今日聴けるとは夢にも思ってなかったのでダイカンゲキでした。
さらには誰もが知っているあの曲の、誰も聴いたことのない超超レアヴァージョン。
う〜ん、もしかしたら今日の超目玉はこれだったかも(爆)。
3時間があっという間に過ぎていきました。
[2次会…大栄館ふじの間(?)]
老舗の旅館の一室に場所を移したのですが、このメンバーでは静かに語り合う…
というわけにはいきませんでした。
『ふりむくな鶴吉』に始まって、『弥次喜多』『三文オペラ』『シンギング』『ゆかいな海賊大冒険』などなど…。
聴くほどに皆さんの口はなめらかに(笑)。
「こんなコンサートを聴きたい」だの「今年もう1本、アニメやらないかな」だの「誰と組んでやったらいいんじゃない」だの
例のごとくファンの希望とエゴ(爆)いっぱいの企画会議と化したのでした。
[そして、私一人の3次会…帰りの電車]
運良く座れた私の前のつり革につかまった、50がらみのおじさま。
すっかりデキアガッテいて、かなりごきげんです。
鼻歌まじりでつぶやいているのをよくよく聴いてみると
「あいじょ〜さばくを〜 あるい〜てきた〜の〜…」
まさか、こんなところで樋口作品に出会えるとは!
1コーラスみごとに歌いきって、彼は降りていきました。
今回初めて「聴く会」に参加させていただき、ありがとうございました。
いろいろな方と知り合い、いろいろな曲にめぐり合い、楽しく、おいしく、豊かで幸せな一日でした。
なにからなにまで手配し、素敵な時間を生み出してくださったmarionet さんに心から感謝いたします。
樋口さんの曲は、聴けば聴くほど「まだまだ聴き足りない」「もっと聴きたい」という思いが募ります。
works にある数々の楽曲、そしてこれからworks に加わるであろう多くの楽曲を1曲でも多く、
皆さんと一緒に聴いていきたいと思いました。
で、聴くだけではなく、やっぱり電車の中で歌わなくっちゃとも思いました(笑)。
えり