秋川雅史さんに聞いた話

昨年の夏、初めてLe Velvetsのコンサートに行くことを決めたのと時期を同じくして、たまたま秋川雅史さんのインタビューのお仕事を引き受けることになりました。
インタビューするにあたり、秋川さんのことをいろいろと調べているうちに秋川さんとLe Velvetsには、いろいろと共通点があることがわかりました。

①音大の声楽科を卒業したクラシック畑の出身であること
②いわゆるC-POP(クラシックPOP) の分野で活躍する歌手であること
③ともにイケメンであること(笑)
④秋川さんを一躍“時の人”にした「千の風になって」の編曲とプロデュースを担当したEDISONさんは、Le Velvetsの音楽プロデューサーでもあるということ

①~③は、それ以前から知っていましたが、④はこのとき初めて知りました。EDISONさんについては、本名が渡辺なんとかさんで、実家が電気屋だからEDISONという名前にしたらしいということくらいしか知りませんが、これからインタビューをしようとしている相手と、これからコンサートを見ようと思っているグループが、どちらもEDISONさんと関わりがあるというのは偶然とはいえびっくりしました。

そんなこんなで秋川さんのインタビューは非常に楽しみであったわけですが、そこで伺った秋川さんのお話が実におもしろかったので、ここでご紹介したいと思います(秋川さんのファンには、すでによく知られた話ではありますが)。

1.歌は感情を込め過ぎてはいけない
「歌う ときは感情を込めすぎない。 感情を込め過ぎると内に入っていってしまい、聴いている人には伝わらない。カラオケでも感情を込め過ぎて歌っている人をみると、周りは引いてしまうでしょ? 聴いている人には言葉を伝える。自分の感情を聴き手に伝えるのではなく、聴き手の感情を呼び覚ます」

●ここがおもしろかった!
「感情を込める」と「自分に酔う」は紙一重。たしかに勘違いしてる人いますね(笑)

2.ベルカント唱法の魅力を伝えたい
「演歌やポップスなど、一般に親しまれている曲をベルカント唱法で歌うことで、クラシックの歌唱法ベルカントの魅力を伝えたい」

●ここがおもしろかった!
「ポップスの曲をクラシックの発声でやってしまったら伝わるものが伝わらなかったりするので、ポップスの発声は試行錯誤して研究する」と言うLe Velvetsとは、ある意味対象的な考え方で、非常におもしろいと思いました。

3.トークは喉を休ませるため
「ポップスのコンサートだと普通に20曲とか歌う人がいますけど、テノールで歌うのは、ものすごい肉体労働なんです。だから次の歌を歌うのに体力を回復させるためにトークをしているんです」。

●ここがおもしろかった!
容姿とは裏腹な、ユニークで 軽快なトークが大評判の秋川さん。トークは自分で台本を作り、テープに吹き込んだものを車の中で繰り返し聞いて覚えるそうです。そこまでやるプロ根性がすごいと思ったし、そのトークが体力を回復させるためのものだとは思いませんでした。

4.日本人テノールとして34歳で最年少CDデビュー

「テノールは35歳を越えてからと言われています。40歳でも早いくらいです」

●ここがおもしろかった!
34歳で最年少というのに、まずビックリ。あらゆる楽器の中で最も寿命が短いものは「声」であり、他の声種に比べるともっとも引退が早いのがテノールなのだとか。酷使したら、テノール歌手はあっという間に寿命がきちゃいそうです^^;

以上、いつか書きたいと思ってた秋川さんのお話でした。