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   「 江渡狄嶺の世界 」 ・ 「 世界の江渡狄嶺 」









































・ 「 PHN  ( 思想 ・ 人間 ・ 自然 ) 」  第50号  ( 2021年12月 )   (Web版)





・ 「 PHN ( 思想 ・ 人間 ・ 自然 ) 」 第50号記念  特別号



・ 江渡狄嶺 「 場論研究会 」 発足 80年記念





・ 江渡狄嶺 著 「 農乗家黌・牛欄寮 講義案農乗図録


   を出すについて 」
 
 〔影印版〕  


      ・ 「 二宮尊徳 ・ 安藤昌益 にデジケート 」 した論考


         〔江渡狄嶺著  『地涌のすがた』  より〕






     PHN  第50号  PDF版


     phn50tekireiusi.pdf へのリンク 


 


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・【 はじめに


・〈場〉の思想家・江渡狄嶺(18801944)が、「場論研究会」を始

めたのは、昭和166月のことである。その年の12月には、

太平洋戦争がはじまる。したがって、今年〔2021年〕は、太平洋

戦争開戦80年であると同時に、狄嶺の「場論研究会」の発足80

のとしにあたる。


・その戦乱のさなかに、狄嶺は「場論研究会」を3年間にわたって

おこなっている。その内容は、『場の研究』(江渡狄嶺著作集、第一

巻、昭和33年刊)に収録されている。しかし、その難解を極める

ところの『場の研究』の解読作業は、狄嶺の直弟子たちも困るほど

のものであることは、夙に知られている。


・狄嶺の『場の研究』を、理解するための糸口は、狄嶺の第三著作

『地涌のすがた』(青年書房、昭和14年刊)の中にある。


・しかし、今日、その『地涌のすがた』も極めて入手が困難である。

そこで、このたび、この中の論考である「講義案農乗図録を出すに

ついて」(安藤昌益にデジケートしたもの)の「影印復刻版」を

 作成し、江湖に公開することにした
次第である。


なお、「講義案農乗図録を出すについて」を読むための参考文献


 としては、拙著『場論的世界の構造―江渡狄嶺の哲学』の「第一


 章 『百姓はかく考える』―『行』と『場』の思想の確立」を

参照願いたい。


   20211225日            和田耕作


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狄嶺の 『地涌のすがた』 は、「 単なる思想の書には非ず、人生の座右の書なり。 」





・〔江渡狄嶺著『地涌のすがた』、表紙、昭和14年、青年書房刊〕


・ 装幀 = 津田青楓 

・〔和田文庫蔵本より〕

・〔PHNの会(C)、無断転載厳禁〕






  ・ 現代は、 〈場〉の哲学の時代 である。 〈場〉の哲学の先駆者・江渡狄嶺 に学ぶ


  ・ 〈場〉の哲学は、 「 人類的精神 」 = 「 世界人類哲学 」 である。






  ・ 江渡狄嶺 著 「 農乗家黌 ・ 牛欄寮  講義案農乗図録を


     出すについて 」
 
〔影印版〕  


                    prolegomena zur Agrayana überhaupt  ――

    

                  日本が生んだ世界最大の農夫 及び その最も徹底した

                  思想家として 二宮尊徳翁 及び 安藤昌益大人 の霊に

                  この輯を捧ぐ。
 
    



 



・ 以下の 解説文などは、和田耕作によるものである。









・ 哲学的精神 ・ 科学的精神 ・ 人類的精神 に学んだ江渡狄嶺    ・ 「場論」は、物の見方、考え方のコペルニクス的転回である。


・ 〈場〉の哲学 は、「 人類的精神 」 = 「 世界人類哲学 」 である。


・ 人類の知的遺産のすべてに学んだ狄嶺。したがって、「○○と狄嶺」という論考を書くことはたやすいことである。しかし、それらは

  あくまでも「助証」に過ぎない。私たちは、狄嶺の〈場〉の哲学 のオリジナリティ―をしっかりと理解し、そこから さらに 現代の

  「世界人類哲学」 の創造に向かうことが求められるのである。


・ ここの文章に関連する内容の記述が、『場の研究』の「第19章 場の考え方のコペルニクス的転換」にある。ここでも、まず安藤昌益・

  二宮尊徳・佐藤信淵・田中正造の四農に学ぶべしと書かれている。「助証」(ものごと)に対するものは、「正衣」(ありどころ)である。

  と同時に、「ものごと」と「ありどころ」の関係は、縦と横の関係である。これを教育において、あてはめると「ものごと」は「教材論」

  であり、「ありどころ」は「学校論」である(『場の研究』、p183参照)。


・ 次に、読むべきは、『場の研究』の「第6章 ありどころの学」(pp67~79)と「第7章 ありどころの教」(pp79~83)である。


・ この「ありどころの学」の内容解説については、拙著 『場論的世界の構造―江渡狄嶺の哲学』の「第6章」の「4 『ありどころの学』

  とは何か」(pp241~245)を参照されたい。








・ 図の解釈の基礎

・ 円〔○〕=全体性、 四角〔□〕=現実、 三角〔▽〕=知識    


・ 最深最高の教育的眼目は、 「 人類的精神 」 = 「 世界人類哲学 」 の啓発にあり。


・ 単なる智識、技能の習得は、教育正当に非ずして 教育テクノロジーである。



・ 狄嶺の教育哲学については、拙著 『場論的世界の構造―江渡狄嶺の哲学』の「第2章 狄嶺の教育哲学と方法論―『単校教育理念』の発見

  と『教育のコペルニクス的転回』を参照されたい。






・ 「場論」と「行論」の独立と関連、そして「組論」から「農乗学全体」へ   ・ 場論 = Feldologie ( フェルドロギー )








・ 「地涌のすがた」は、「百姓生活そのもののすがた」である。      ・ 「生活」と「思想」との一元論が、「場の哲学」である。








物理学と数学との暗示から、電光の如く感得し、「場」の考え方を導入した。 ・「家稷」(生活の組的事拠)の探究が、「家稷農乗学」である。








 「場所」の概念から出立する西田哲学を超えた狄嶺の「場論」       ・ マルクスを超えんとする「家稷農乗学」の創造


・ 「独創なものは、新しい鍵を見出し、そして、過去の知識を断つ力であらねばならぬ。」(p60、参照)


・ 狄嶺と西田哲学については、拙著 『場論的世界の構造―江渡狄嶺の哲学』の「第1章」の「7 農想論―『場』の哲学の核心」(p43)

  および「第4章」の「8 狄嶺の西田哲学批判」(pp175~177)を参照されたい。


・ 狄嶺と西田とが対面したことについては、拙著 『場論的世界の構造―江渡狄嶺の哲学』の「第3章」の「3 西田幾多郎と江渡狄嶺の対面」

  (pp116~118)を参照されたい。








   ・ 「家稷農乗学」の骨組みが、狄嶺の 曼荼羅図  「 Agrayana  Orbis  Mandrus  」 である。 

   ・ ここには、レオナルド・ダ・ヴィンチとゲーテの創造力に学んだ狄嶺の独創的世界がある。

   ・ この狄嶺の 曼荼羅図 は 江渡狄嶺著 『地涌のすがた』 に収載されている。

   ・ この曼荼羅図の「拡大印刷版」が、拙著『場論的世界の構造―江渡狄嶺の哲学』のカバーの裏面に収録されている。








 「 農乗囑文 」 に、 「 行 (ぎょう) の正儀 」 を示した。(p64、参照)

・ この遺文 「 農乗囑文 」の「原文」と「書き下し文」は、江渡狄嶺著 『地涌のすがた』 に収載されている。

・ 『地涌のすがた』からの 「農乗囑文」の「原文」は、和田耕作著 『場論的世界の構造―江渡狄嶺の哲学』に収録〔影印版〕されている。









 ・ p66、一行目 上から「金井浩さんに、」        ・ 郷土青森県の先覚者・ 陸羯南(1857~1907) を敬慕する 江渡狄嶺



・〔出典 :江渡狄嶺著 『地涌のすがた』、昭和14年、青年書房刊〕

・〔和田文庫蔵本より〕





・ PHN (思想・人間・自然) 第50号、


 2021年12月28日 PHNの会 発行


・〔PHNの会・和田耕作 (C)、無断転載厳禁〕



















































 ・ 和田耕作 著  『 場論的世界の構造 ―― 江渡狄嶺の哲学 』











 ・ 定価 =  [ 5400円 + 税 ] 


 ・ ご注文は、 東大赤門前、 大山堂書店 へ


   TEL  03 3811 5903