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東山
芦 東山
ASI TOZAN
(1696-1776)
わが国 刑事法思想の先駆者 ・ 芦 東山
◇ 芦 東山は、わが国 刑事法思想の先駆者であり、その著書
『 無刑録 』 (全18巻) で知られる。
芦 東山は、岩手県一関市大東町渋民に生まれる。その後
京都で学び、仙台藩儒となる。
江戸では、室鳩巣に学び、刑法書の編纂を依頼される。
芦 東山は、仙台藩儒として しばしば 「上言」する。そして、
学問所の席順についても、「 親の身分ではなく、年齢順とする
べきである 」 と主張したところ、「 他人預け 」 (幽居) の刑を
言い渡された (時に43歳)。
その後、二十三年間の幽閉生活の中で、東山は ひたすら
『 無刑録 』 の完成に集中する。
その東山が ようやく 「 赦免 」 となったのは、66歳の時である。
そして、畢生の著 『 無刑録 』 が 「 元老院 」 により出版されたのは、
東山の没後 100年 が過ぎた 明治十年 ( 1877 ) のことであった。
芦 東山 は、まさに 近代日本の先覚者の一人なのである。 ◇
このたび ( 2021年3月20日 )、東山についての はじめての小説
『 無刑人 ― 芦 東山 ― 』 ( 熊谷達也著、潮出版社 ) が、刊行
された。
◇ 和田耕作 による 芦 東山 関連著作のご案内 ◇
・ 和田耕作 著 「 芦 東山の 『 無刑録 』 と現代
――わが国 刑事法思想の先駆者 ・ 芦 東山
生誕300年 シンポジウム に参加して 」
( 「 法学セミナー 」 1996年2月号、所収 )