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          「 非政治的人間の考察 」


                  Betrachtungen  eines  Unpolitischen






    私は あの数年間に、『非政治的人間の考察』、つまり自己探求と、ヨーロッパの矛盾や論争問題を

    体験してきた者の苦難に満ちた作品を書きました。

    この書物、それは芸術作品のための膨大な、数年間をも呑みこむ準備になり、先行した分析的議論

    の仕事によって経験した 物質的軽減によって、まさに 芸術作品に、つまり 非常に真面目な遊戯で

    あったにせよ、遊戯になりえた書物でした。

                                     トーマス・マン


         〔『トーマス・マン全集』Ⅲ、「自作について」より、滝沢 弘訳、1972年、新潮社刊〕






         「 非政治的人間の考察 」





                   自然亭 黙人
            

                       JINENTEI  MOKUJIN







・ 《 自己案内の弁 》 ・


「自然亭 一平」 師匠の面前にて、かの「立川談志」 師匠以上の


過激なる政治批判を御披瀝いたしましたるところ、 「黙れ」


「黙れ」 と諌められし者ゆえ、「自然亭 黙人」 と号したる次第


なりけり。 「過激たり」 とは申せども、大先輩たる かの


「快楽亭ブラック」 師匠のように、弾丸のごとく放送禁止用語を


連発するほどのことではないものと 思案いたしておりまする


次第なり。







    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・  黙人師匠 の 「時事放言」 ・

      ――(その1)――


・   コロナ対策の失敗について

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

        自然亭 黙人

 





マイ朝新聞記者

・本日は お忙しいところ恐縮ですが 「黙人師匠」に 最近の時事

 問題について 大いに語って ほしいのですが・・。

 

黙人師匠

・いやいや コロナ禍で暇なのです。「笑笑点」の「ゴク楽師匠」と

同じで、今日も仕事がまったくありません。「談志師匠」なき今、

政治批評を展開できる人がめっきり少ないとのことですな・・。

なるほど、なるほど・・。

 

マイ朝新聞記者

・今や、政府はテレビのコメンテーターの発言までもチェック

いるようなのです。あの「グッとモーニング」のトネ川氏の発言

までもチェックしているようで・・。


黙人師匠

・ふむふむ。ワシはKチャンネルの「グッとモーニング」ばかり

 見ているのだが、あのコメンテーター・トネ川氏の発言には、賛成

 できるところが多いのです。彼のコロナ問題でのいろいろな提言

には、そこいらの専門家の話よりも よいものが沢山ありますな。

 

マイ朝新聞記者

・今や、コロナ患者は 全国で 一日2万人を超えています。


黙人師匠

・専門家といえば、「グッとモーニング」の常連のお母さん、いや

 ウエダ野州大学教授の提言が大いに参考になりましたね。彼女は、

 今日の非常事態をもう一年も前に予言していたのですから・・。

 その教授の発言も政府がチェックしていたということだが、何の

 ためにチェックしていたのか疑問ですな・・。

・現在の状況は 明らかに「スカズミ内閣」の失策ですな。

 

マイ朝新聞記者

・ついに、「スカズミ内閣」の支持率が30パーセントをきりました。 


・黙人師匠:

・国民の意見、世論をゼンブ 無視している内閣ですから当然でし

ょうね。

・非常事態宣言は、すぐさま全国に出すべきです。どれもこれも

 緊急事態というのにスピード感がまったくありませんね・・。

・これでは、国民の支持が得られないのは当たり前です。

 

マイ朝新聞記者

・ワクチン接種も、高齢者 以後 ほとんど停滞している模様であ

ります。

 

黙人師匠

・政府はコロナを甘く見ているね。国内のワクチン開発の現状は、

 どうなのですか・・。


マイ朝新聞記者

・こちらも、いろいろな問題がありまして ずいぶんと遅れております。

 

黙人師匠

・政府はオリンピックが、感染拡大の原因でないと言っているが、

 果たして そうでしょうか。

・オリンピックで国民の危機感が薄らいでいるのは確かだと思うね。

・この状態の中でパラリンピックを強行するのは いかがなものか。

・そもそもオリンピックが 8月にしか開催できないことが大問題

 なのです。アメリカのテレビ局の放送時間に合わせて開催すると

 いうのも本末転倒ですな・・。

・これ以上 語ると またまた あの頑固一徹な「一平師匠」に

おしかりを 受けそうなので、本日は このへんで ご勘弁を・・・。

 

マイ朝新聞記者

・本日は、誠にありがとうございました。またの機会を楽しみにしてお

ります。

 

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  〔 2021年8月15日、自然亭黙人(C)

    無断転載厳禁、PHNの会 〕






























・◇・000】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2021.1.20・・



少年A: あ、あれは、正義の味方 「月光仮面」だ!。


少年B(発明家) ちがうよ ちがうよ、あれは 僕らの「黙人」

    先生だよ。「黙人」先生は、江戸時代の哲学者で科学者でも

   ある三浦梅園という人を研究している人なんだ。


    あのバイクは、EVバイクで音がしないので、すぐにわかるんだ。


少年A: なるほどね。確かに静かでぜんぜん音がしていないね。


少年B(発明家): でも、「黙人」先生は、日本のEVバイクは、

     「まだ まだ ダメだ」 と不満なんだ。

    ぼくは、「黙人」先生から世界一のEVバイクを発明するように

    言われているんだ。ぼくは、きっと きっと 世界一のEVバイク

    を造ってみせるって「黙人」先生と約束したんだ。


少年A: それは すごいなあー。君なら きっと きっと できるよ。


少年B(発明家): ぼくは、第二の「本田宗一郎」になるんだ。


少年A: そうだ、そうだ。 これからは、ぼくらの時代なんだ。

   僕もAIの技術者を目指して頑張るよ。僕は、ソフトの世界で、

    君はハードの世界で、ともに 世界一を めざそうよ。


・〔今日もまた、ふたりの少年が歩いている 通学路 近くの 県道を、

  「黙人」先生が EVバイクで 静かに 通り過ぎていくのであった。〕



  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・000・◇・






・◇・001・・・・・・・・・・・・・・・・・・2021.1.20・・



・「非政治的人間の考察」 は、言うまでもなく トーマス・マン

 (1875-1955)の 名著のタイトルである。


・私は、永年、トーマス・マンを自分自身の「世界への窓」として、

 位置づけてきた。主に、日本の歴史的書物の中に沈潜している

 私にとっては、「世界への窓」がどうしても必要なのであった。


・トーマス・マンから、「西洋の文化と精神」を学び、 さらには

 世界的視野から「現代の文明と社会」の行方を探るための よすが

 としてきた。


・現代世界は、同時進行的に動いている。この時代にあって、われ

 われは、何事も「世界的な視野」を持って、考察することが求めら

 れていることは 言うまでもない。この「小さな窓」から世界を見つ

 めつつ、さらに「広大なる世界」から「日本」を逆照射してゆこう。


・本日(2021120日)、アメリカではバイデン新大統領が誕生

 した。トランプ大統領の「自国第一主義」から、国際社会との協調

 を目指しているという この政権に、私は少しでも期待をしたい。

 しかし、その前途はなおも 多難であることは間違いないであろう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・001・◇・