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・・・【 三浦梅園の学問論 (その一) 】・・・
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三浦梅園 著 『戯示学徒』 (全文)
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・一、
学問は 飯と心得べし。腹にあくの為なり。かけ物などの様に
人に見せんずる為にはあらず。
・一、
書物は 金かしの帳のやうなるもの也。金なき人のもたらむは、
渋紙ふむほどの用にこそ。
一、
・〔 三浦梅園 著 『戯示学徒』 ・・・ 解説
・・・ 和田耕作 〕
・三枝博音は、この『戯示学徒』を、『日本科学古典全書』に収める
にあたり、次のように書いた。
「日本人の科学思想の根底にあったものを考察するための文献と
したいと考えたのである。学に於ける謙譲が直ちに又人間の倫理
としてよく表現されている。それが鋭い風刺によって示されてい
る。」(『日本科学古典全書』第一巻、科学思想篇、三枝博音・解説)
『戯示学徒』は、わずかに九条の短文である。これを、一書として
破格の扱いをした理由が、上記の解説である。
を繰り返し味わい、 肝に銘じておくことが なによりも重要である。
「学問論」の巻頭に、かかげるものとして、これ以上にふさわしい
言葉はないであろう。
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