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狩野
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・ 【 コラム 】 ・
・ 「 狩野亨吉の三浦梅園の評価について 」
・▼・狩野亨吉は、1908年(明治41年)1月、『内外教育評論』
第3号に、安藤昌益についての初めての文章「大思想家あり」
(談話)を発表する。
ここで狩野は、「三浦梅軒〔園〕などよりか、遙かに大規模で、
哲学観が深い。」と述べているが、この時期は、ようやく『日本
倫理彙編』第10巻「独立学派」(明治36年6月)に、梅園のま
とまった著作が収録〔*〕されたばかりで、狩野自身が梅園につ
いて十分に研究・認識していたわけではないので、この狩野の評
価をいたずらに引用することには問題がある。そうした文章を
見かけたので、ここにあえて述べておきたい。
『梅園全集』の刊行はさらに後で、大正元年である。狩野のこの
安藤昌益についての最初の文章(談話)は、『安藤昌益』(安永
寿延、平凡社、1976)に収録されている。
・〔*〕これに収録された著作は、主に『贅語』からで、主著
『玄語』の収録はない。
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