大型特殊(二種)
静岡の試験車は中折れ式のホイールローダーです。ちなみに他県の免許センターや、教習所にある後輪操舵車両はショベルローダーといいます。基本的にホイールローダーはバケットの取替えが可能です。反対にショベルローダーは取替えできません。労働安全衛生法による技能講習はホイールローダー{車両系建設機械(整地等)運転講習(ドラグショベル等含む)}とショベルローダーは別です。
免許センターの車両の特徴
@ 「内輪差」がない
中折れ式といえば、「内輪差」がないことで有名です。前輪が通るところを後輪が通ります。バックでは逆です。
A
クラッチがない
ブレーキとアクセルだけです(AT車と同じ)。左足はブレーキに使えます。
B
ウインカーは自分で戻す。
普通自動車のように、「自然」に戻りません。
C
ハンドルに遊びがありません。
D
ハンドルは油圧式ですので、タイヤの角度とハンドルの角度は、ハンドルを回すたびに一致しなくなります。(意味わかりますか?)
私が気づいたのは、これくらいです。
車両操作の注意点
@ 「内輪差」がないので、左折時の「ふくらみ(ふらつき)」に注意が必要です。普通車のように曲がってはいけません。感覚を慣らす必要があります。
A
発進は2速で行い、動き出したら3速にします。これは試験官から指示されます。1速に入れることはありません。
B
ウインカーは自分で戻さないと、点きっぱなしになります。これは減点対象です。
C
ハンドルに遊びがなくタイヤとの角度が頻繁に変わるため、ハンドル操作に注意が必要です。特に左折のとき、完全に曲がりきってからゆっくりタイヤの角度が真っ直ぐになるのを探りながらハンドルを戻すとよいでしょう。
D
ハンドル操作を「片手」でする人がいますが、「両手」でしてもいいんですよ。ていうか、するべきではないでしょうか。大型特殊免許は「公道」を走るための免許であって、「作業」するための免許ではありません(作業免許は大型特殊免許を持っていなくても取得できます。)。公道で9ナンバーのクレーン車を「片手」運転しますか?高速道路を「片手」で運転しますか?私はそんなことできません。試験官も、なぜみんな片手で操作するのか不思議がっていました。しかしフォークリフトやホイールローダーなどの技能講習では「片手(左手)」でハンドル、右手でレバーを操作しないと「減点」になります。
大型特殊車両の走行方法について
中部免許センターの車両は、ホイールローダー「TCM830」です。アクセル「べた踏み」しても40km/hも出ないそうです(試験官談)。
走行方法についてですが、右左折は「徐行」です(しつこくてすいません)。直線走行ですが半クラッチならぬ「半アクセル」で15〜20km/h出ていれば充分です。「本当」ですよ。試験官にアピールするため「べた踏み」しているのを見かけます。スピードを出せば上下動が激しくなり、タダでさえ「ふらつき」やすい車両なのによくやるよ。最初の直線で指定される「25km/h」を出せば、後はどうでもよいのです(大げさですが)。ただし、判断が甘く「モタモタ」しているとだめですよ。要は、「道路状況にみあった運転をしているか」「交通法規を守っているか」ですから。
それと、できれば「周回道路」のカーブでも「徐行」または「減速」をお願いします。「トップスピード」でカーブに入り、車体が斜めになっているのを何回か見たことがあります。
安全確認など法規走行については、他のホームページで詳しく書かれているので、ここでは省きます。そうすると「方向変換」くらいですかね。方向変換のポイントは静岡では左バックだけですので、「ワク」の中で「逆くの字」にすることです。その止まった状態からハンドルを戻すと、「ワク」のなかで真っ直ぐになります。角度を微調整しながら「ワク」に入れているのをみかけますが、すごい技術だと思い感心します。
「ワク」への入れる位置ですが、「ワク」の中心が理想的です。右によっても左によっても出にくくなります。
攻略法について
これだけ乗ったので、試験車の特徴を「完璧?」に覚えました。しかし私の「攻略法」は、「インチキ」に近いもので、私のように「胴」が長い人だけが使えるものです。誰にでも、というわけではありません。ましてや「他県」の人にはまったく使えないものです。
その「攻略法」を説明します。運転席に背筋を伸ばして座ります。その状態から「左ミラー」を見るふりをしながら「左下」を見てください(のぞきこむように見てはいけません)。恐らく身長170cm以上ある人なら、「左前輪」の一部が見えます。もし見えたら「チャンス」です。その左前輪を見ながら路肩に沿って「左折」すれば曲がりやすく「ふらつき」をとられることもありません。
つまり私は免許センターの車両について「車両感覚」はありません。
どうでしょう。わかっていただけましたか?